仮想通貨取引所FTXが米大手エンタメ企業と提携、一元化のNFTマーケットプレイスをローンチへ
NFT事業拡大へ
大手暗号資産(仮想通貨)取引所FTXは有名なスポートやエンターテイメントに関連したNFT(非代替性トークン)を取り扱うマーケットプレイスをローンチすることがわかった。
FTXは新マーケットプレイスを立ち上げるために、米大手エンターテイメント企業Dolphin Entertainmentと提携。Dolphin社は傘下に複数のPR会社を持つナスダックの上場企業だ。
新たに計画されるマーケットプレイスは、主に映画やテレビ、音楽、ゲーミング、eスポーツ、料理、ライフスタイルなどの分野にあるブランドに特化する。
FTX.USのBrett Harrison社長は米Variety誌の取材で、「Dolphinがポップカルチャー全般にリーチしていることに感心している」、「Dolphinは強いIPとコンテンツへのアクセス能力を持っているだけでなく、エンタメにおけるPRのリーダー及びマーケティングのインフルエンサーだ。マーケットプレイスを共に作るのが楽しみだ」と語った。
また、DolphinのBill O’Dowd CEOは「現在、NFTの購入プロセスはあまり洗練されていない」、「ユーザー体験を高めるために、決済や保存、顧客サポートなどすべての必須要素が一元化される必要がある。FTXはこれらの領域に長けているのだ」とコメントしている。
DolphinとのNFTマーケットプレイスはFTXの初めてのNFT参入事例ではい。6月にも独自のNFTプラットフォームをローンチしている。
同プラットフォームは、オークション形式と定価の形式があり、バーチャルアートだけでなく、FTXブランドの帽子や服、およびサードパーティによるデジタルコンテンツを提供しており、グローバル版FTXおよび米国版のFTX.USのユーザーも利用できる。
1,000億円調達後の展開
FTXを運営する企業FTX Trading Ltd.は先月、ソフトバンクグループ、コインベース、VanEck、Circle、ヘッジファンドレジェンドのポール・チューダー・ジョーンズファミリー、著名投資家アラン・ホワード氏、Sequoia Capitalなどを含む計60の投資家から、約1,000億円(9億ドル)を調達した。
新たな資金を得たFTXにはすでに新動向が見られている。今回のDolphin提携のほか、GAAP監査も受けたことを、サム・バンクマン・フリードCEOは先日SNSで発表した。
GAAPとは、「Generally Accepted Auditing Standards(公正妥当と認められた監査基準)」という米国における企業会計の監査基準であり、財務状況が明らかになる。フリードCEOはSNSで、「おそらく、FTXが初めてGAAPを受けた仮想通貨デリバティブ取引所かもしれない」とアピールした。
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「仮想通貨」とは「暗号資産」のことを指します