米仮想通貨取引所クラーケンなど イーサリアム開発チームに1億円超を寄付
イーサリアム2.0関連の開発に1.6億円の寄付
米暗号資産(仮想通貨)取引所Krakenなどの6団体が、イーサリアム(ETH)2.0アップグレード関連の開発に取り組んでいるチームに、各25万ドル(約2,700万円)、合計150万ドル(約1.6億円)を寄付することが分かった。
資金は、まずイーサリアム財団に寄付され、そこから様々な開発チームに配られる段取り。プレスリリースによると、資金を効果的に使うため、プロジェクトが設定されたマイルストーンを達成した際に、資金が有効化されるという。
Krakenはこれまでにも仮想通貨プロジェクトを支援している。例えばイーサリアムの資金調達プラットフォームGitcoin、ビットコイン(BTC)の開発プラットフォームBrink、決済プロセッサーBTCPay Serverなどに助成金を提供してきた。
KrakenのCEO兼共同設立者、Jesse Powell氏は、「次世代の仮想通貨を構築しているオープンソースのイノベーター達に恩返しをすることは、我々の責任であると考えている」とコメントした。
プレスリリースによると、Krakenのユーザーは、イーサリアム2.0のプルーフオブステーク(PoS)を支えるために、すでに80万ETH(時価約2,700億円)以上をステーキングしている。7月下旬の時点で、ユーザーはステーキングにより2.5万ETH(当時約63億円)以上の報酬を得ていたという。(ステーキング報酬の出金は現在不可能)
ステーキング
特定の仮想通貨を保有することで、その通貨のブロックチェーンネットワークを管理することに貢献し、対価として報酬を得る仕組み。厳密には、仮想通貨を保有するだけでなく、ネットワーク上に預け入れておく必要がある。銀行口座に法定通貨を貯金し、一定期間後に利子を受け取る仕組みに類似しているといえる。
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DeFiプロジェクトなどからも寄付
今回イーサリアム財団への寄付を発表したのはKrakenの他に、分散型金融のCompoundやUniswapの助成金部門、ステーキングサービスLido、合成資産生成プロトコルSynthetix、分散型プロトコルThe Graphである。イーサリアムの開発チームを支援するために、それぞれ25万ドルの寄付を行い、合計150万ドル(約1.6億円)となる計算だ。
これらの資金は、Besu、Erigon、Geth、Nethermind、Nimbusという開発チームに授与される。
イーサリアム財団は、多様なチームを支援することで、イーサリアムの長期的な成長や、健全性、分散性を確保することに繋がるとして、次のように述べた。
(今回のように資金調達して配布することは)多様性、分散性、持続性のある方法で高品質なオープンソース製品を維持しようとする試みの一環であり、単一のチームや団体に依存することによるリスクを軽減することができる。
テストネットで初のアップグレード実施
8月19日には、イーサリアム2.0初のアップグレードである「アルタイル(Altair)」がテストネットで実装された。この後は、イーサリアム2.0と現行のイーサリアムを統合して完全にPoSへと移行することについて、議論が進んでいくとみられる。
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「仮想通貨」とは「暗号資産」のことを指します