「環境に優しいビットコインマイニングを」豪金融大手マッコーリーとブロックストリームが提携 

マッコーリーとブロックストリームが提携

ビットコイン(BTC)に焦点を当てたブロックチェーン技術企業Blockstream(ブロックストリーム)は8日、豪金融大手マッコーリー・グループと提携し、再生可能エネルギーを利用したビットコインマイニング施設を構築すると発表した。最初の施設は北米に設置する見込みだ。

マッコーリーは、オーストラリアを拠点とする金融グループで、運用資産は5,500億豪ドル(約45兆円)。世界中の市場で、資産運用・バンキングから、再生可能エネルギー開発まで、様々なサービスを提供している。

パートナーシップにより、マッコーリーとブロックストリームの両方は、ビットコインやマイニングに関してビジネスの機会を拡大することができる見込みだ。

ブロックストリームは次のように述べた。

マッコーリーとの新しいパートナーシップは、代替エネルギーや再生可能エネルギーを利用したビットコインマイニングを打ち立てようとして行っているAkerやSquareとの協力関係に続くものだ。

マッコーリーとの新たな取り組みでは、まずマイニングハードウェアのホスティングを行い、環境に優しい電力インフラを配備できるにしたがって、段階的に規模を拡大していくことを考えている。

自然エネルギーを活用する様々な試み

ブロックストリームは、3月にノルウェーの大手エネルギーインフラ企業Aker傘下のSeeteeと提携を発表。自然エネルギー発電を行う際に、課題となることがある電力需要の問題を、ビットコインマイニングにより解決するとした。

太陽光・風力・水力などの発電は僻地で行われていることが多く、地域の電力需要が低下する季節には、電力が余ってしまうことがあった。この余剰電力をビットコインマイニングに活用していく計画として、需要が高まる時期にはマイニング量を減少させて、地域に安定した電力を送るという。

また、6月には米決済企業スクエアとも提携を開始。米国で太陽光を主として、100%再生可能エネルギーでビットコインマイニングを行う施設を建設する。

このプロジェクトでは、外部の人々も参照できるように、運用コストやエネルギー収支比(一般に、発電設備などの効率を表す指標)など経済性を表すデータも公開する見込み。こうした具体的な数値の公開は、他の暗号資産(仮想通貨)マイニング企業が、炭素排出量削減を考えていく上でも役立つものとなりそうだ。

関連「太陽光発電によるビットコインマイニング」のモデル事業を 米スクエアとBlockstreamが提携

さらに、8月には「Blockstream Energy」という新サービスを発表。これは電力生産者が、過剰電力をビットコインなどPoW(プルーフオブワーク)の仮想通貨銘柄をマイニングする事業者に供給できるようにするものである。機器を設置することにより、電力需要に応じて、電力網とビットコインネットワークに柔軟に電力配分できるようになっている。

特に、自然エネルギーを利用した発電施設で利用することで、発電施設への投資収益率も上昇しうるという。

PoW(プルーフオブワーク)とは

コンピューターで計算(マイニング)を行うことによって、ブロックを新たに承認・生成するコンセンサスアルゴリズムのこと。「Proof of Work(仕事の証明)」の略。承認に成功すると、報酬として新規発行される仮想通貨を受け取ることができる。計算量が膨大なため、高性能なコンピューターが必要だったり、大量に電力を消費するなどのデメリットがある。

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「仮想通貨」とは「暗号資産」のことを指します

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