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仮想通貨の個人マイニングは今からでも儲かるのか|収益計算方法も解説

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

 

暗号資産(仮想通貨)市場の高騰ともに、ビットコインなどのマイニング(採掘)にも注目が集まり、個人単位での参入も増えています。

 

今回は、日本でも個人マイニングで稼ぐことができるのかに焦点を当て、リスクも解説しています。

マイニングは儲かるのか

結論から述べると、日本だと個人単位でのビットコインのマイニングはまず儲かりません。

ビットコインのマイニングを始めるには、「ASIC」と呼ばれるマイニング専用の機器を何十台も準備する必要があります。これらを手に入れるのに数百万、 数千万円単位での費用が掛かります。加えて、それらの機器を運用するための設備費用、メンテナンスする人材を雇用するための人件費等がかかるため、一定の資金力がない限り、稼ぐことは困難だと言えるでしょう。

また、日本は中国など他国と比べて電気代が高いことから、マイニングでの実質収益はその分低下します。最も効率的にビットコインをマイニングするのであれば、電気代の安い国で行うことが必要です。

関連:初心者でもわかる、ビットコインのマイニング(採掘)とは 3種類の方法を解説

それでもマイナーがいる理由

マイニングは儲からないというのは、SNSでも多く散見されています。それでもマイニングを個人単位で行っているマイナー(マイニングを行う人)が一定数いるのはなぜでしょうか。

最も大きな理由は、マイニングする通貨によって準備すべき設備費用や報酬の支払額が異なり、ビットコイン以外では、まだマイニングで黒字化可能な仮想通貨も存在するということです。

その代表格が、ビットコインに次ぐ時価総額を持つイーサリアム(ETH)であり、2021年8月現在、大半の国内マイナーはこのコインを採掘しています。他に収益性に優れるコインとしては、Ravencoin(RVN)、Ergo(ERG)、V-Dimension(Vollar)、Firo(FIRO)等が挙げられ、注目を集めています。

イーサリアムのマイニングなら儲かる?

 

では、実際にイーサリアムのマイニングをしている人は、どの程度の収益が出ているのでしょうか。

これらは、マイニングに使用する機器、イーサリアムの市場価格、Difficulty、マイニング方法等により異なります。

例えば、Minerstatのグラフィックボード別の推定収益によると、最新モデルであるNvidia社のRTX3090という型番のグラフィックボードでは、7.82ドル/1日の報酬を獲得できるとされています。

この報酬を得るためには、335Wで1日マイニングし続けるという前提条件があります。電気代は、マイニングを行う地域により変動しますが、東京では基本電気単価が26円/1kWhですので、0.335(kW)×24(h)×26(円/1kWh)=209.04円/1日が必要な電気代です。

現在のイーサリアムの価格が一定で、ハッシュレートも一定の条件下という仮定の元でシミュレーションした場合、1日あたり約600円、年間219,000円の黒字を見込むことができます。

ただし、実際にはグラフィックボード単体では、マイニングを行うことができません。PCを購入するか、マイニングリグの作成が必要になるため、仕入れ価格から逆算し考える必要があります。

関連:仮想通貨の個人マイニングを始めるためにかかる費用は|コストを抑えるポイントも解説

これからマイニングを始めるリスクと注目すべきポイント

 

では、今後イーサリアムをマイニングすれば儲かるのかというと、必ずしもそうとは断言できません。そのリスクについてお伝えします。

イーサリアムのPoS化

2021年8月5日にイーサリアムの大型アップグレードが実施されました。このアップグレードの中で、マイナーが今後の動向を注視しなくてはいけないのは、EIP-1559とEIP-3554という2つの改善提案が実装されたことです。

従来では、上図の通りマイナーはFee(手数料)がマイニング報酬とされてきました。しかし、EIP-1559と呼ばれるイーサリアムの取引方法の改善アップデートでは、FeeがBaseFeeとTipsに分けられ、プロトコルで設定されるBaseFeeはBurn(焼却)されることになりました。

すなわち、BaseFee分がマイニングの報酬から減少すると言えます。BaseFeeがどれほどの比率を占めるか具体的な数値は明らかになっていないため、マイナーは今後注視しなくてはいけません。

また、EIP-3554も注目しなくてはならないポイントです。EIP-3554は、イーサリアムのDifficultyBomb(ディフィカルティボム)を2021年12月へ延期するという改善提案です。

この改善提案は、Difficulty(採掘難易度)を徐々に上昇調整し、最終的にPoWからPoSへと移行していくためのもので、PoS移行がが完了した際には、イーサリアムをマイニングすることができなくなることを指しています。

ただし、21年9月時点では延期が決まっただけの段階であり、実施日が決まっているわけではありません。これからマイニングを始めることを検討されている方はこの改善提案の動きに注目しておきましょう。

本記事のまとめ

 

今回は、「仮想通貨のマイニングは個人レベルでも稼げるのか?」というテーマで解説しました。

使用する機材やマイニングする地域などの条件により異なりますが、日本国内でも、イーサリアムのマイニングであれば基本的に黒字運用することが可能です。

ただし、今後のリスクとして、イーサリアムのマイニングができなくなる可能性があります。これからマイニングを検討している方は、入念な情報収集が欠かせないと言えるでしょう。

関連:マイニングにおけるDifficulty(採掘難易度)とは|ハッシュレートとの相関性について解説

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