太陽光によるマイニングの効率性データも公開
ツイッター創設者Jack Dorsey氏が率いる米決済企業スクエア(Square)と、ビットコイン(BTC)に焦点を当てたブロックチェーン技術企業Blockstreamが提携し、米国で太陽光発電によるビットコインマイニング施設を構築することが分かった。
Squareはこの施設に500万ドル(約5.5億円)を投資し、Blockstreamはプロジェクトを構築・管理するためのインフラストラクチャと専門知識を提供する予定だ。プレスリリースによると、この施設は、100%再生可能エネルギーでビットコインマイニングを行うことについての大規模な実証的試みになる。
多くの人々が参照できるように、プロジェクトの運用コストや、エネルギー収支比(一般に、発電設備などの効率を表す指標)など経済性を表すデータも一般公開する計画だ。
このプロジェクトの目的は、公共に向けて事業の透明性を高め、再生可能エネルギーと結びついたビットコインマイニングがクリーンエネルギーへの移行をどのように促進できるか示すことだという。
また、この太陽光発電マイニングプロジェクトは、後から規模を拡大できるように設計されているため、将来より多くの組織が参加することも可能。施設はBlockstreamの事業地の1つに建設される予定だ。
業界が参照できるモデル事例に
Blockstreamの最高情報責任者(CIO)兼マイニング責任者、Chris Cook氏は次のように意欲的な姿勢を示した。
私たちを含め、世界中の多くの仮想通貨マイニング事業は、費用対効果が高いことから、すでに再生可能エネルギーによる電力を活用している状況だ。このプロジェクトをオープンで透明性のあるものにすることにより、他の企業が学ぶことができるモデルにしたい。
私たちは、再生可能エネルギーによるマイニング施設が実現可能であることを示し、さらにビットコインが持続可能な未来に向けた動きを促進させることを実証したいと考えている。
SquareのグローバルESG(環境、社会、ガバナンスの頭文字)責任者Neil Jorgensen氏は次のように語った。
このプロジェクトは、クリーンエネルギーによるビットコインマイニングについて、具体的に一連の経済システムを学ぶことができる、現在進行形のオープンな事例研究になる。早く結果をコミュニティと共有したい。
Blockstreamは、プロジェクトの経済性について定期的なレポートを発表。さらに、電力出力や採掘されたビットコインなど、プロジェクトのパフォーマンスについてリアルタイムで測定値を表示するダッシュボードも開発中である。
このダッシュボードは、24時間どのブラウザからもアクセスできることを目指しており、再生可能エネルギーによるビットコインマイニングについて実際の事例データを業界がリアルタイムで得られるようにするものだ。
エネルギー問題への取り組み加速
仮想通貨業界では、エネルギー問題に取り組む姿勢が加速している。5月にも米テスラのElon Musk CEOなどが北米のマイニング事業者と会議を開催、エネルギー消費について透明性を促進していくことで合意した。
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その他の事例としては、ナスダックに上場するマイニング企業である米Marathon Digital Holdingsもテキサス州で大規模な脱炭素路線のマイニング施設を構築すると発表している。
また米モンタナ州では、新たに年間300メガワット規模の太陽光発電システムを建設し、仮想通貨マイニングを行う計画も浮上した。
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設備投資が進むも資金回収の目処が立たないソーラーパネルを活用した電力事業などで、余剰電力を活用したビットコインで収益化を図る取り組みにも注目が集まっている。