スリランカ政府、仮想通貨・ブロックチェーン促進のための委員会創設へ
ブロックチェーンや仮想通貨マイニングを促進
スリランカ政府は8日、暗号資産(仮想通貨)などデジタル金融やブロックチェーン関連産業の投資を促進するための専門委員会を立ち上げることを発表した。
スリランカ政府情報局が公開したプレスリリースによると、南アジア地域の国々と肩を並べ、国際取引を広げていく上で「デジタル金融、ブロックチェーン、仮想通貨マイニング技術を包括する体制」を構築していく必要性があるという。
委員会は、ドバイ、マレーシア、フィリピン、EU、シンガポールなど、諸外国の規制やイニシアチブを調査し、スリランカでの適切な枠組みを提案する予定だ。規制面ではマネロンや犯罪、顧客身元確認(KYC)プロセスなどについても研究する。
委員会の議長は、プライス・ウォーターハウス・クーパース(PwC)スリランカの運営責任者Sujeewa Mudalige氏が就任する。他に、マスターカード・スリランカのSandun Hapugodaディレクターや、スリランカ中央銀行のDharmasri Kumarathunge決済担当ディレクターなども委員会メンバーに名前を連ねた。
委員会創設を提案したのは、スポーツ省のNamal Rajapakse大臣。委員会の創設が閣議決定された6日は、次のようにツイートした。
ブロックチェーン技術、デジタル金融、仮想通貨マイニングに関する政策を提案するための委員会の設置が閣議決定されたことで、スリランカは、飛躍的なステップを踏み出した。将来を見据えた適切な規制の枠組みによって、スリランカは地域でデジタル経済をリードできるようになるだろう。
仮想通貨決済を導入する企業が登場
スリランカでは、仮想通貨業界に対する規制はまだ整備されていない状況だ。その一方、P2P(ピアツーピア)の仮想通貨取引を利用するスリランカ人は増えている。これを受けて、スリランカ中銀は、仮想通貨への投資や取引に伴うリスクについて国民に注意を促していた。
P2Pとは
専用のサーバーを介せず、接続されたコンピューター同士がコミュニケーションするネットワーク形態のこと。P2Pの技術自体はファイル共有ソフトなどにおいて以前から使用されていたが、仮想通貨・ブロックチェーンの台頭により再度注目されている。管理者の存在しない運営を行うブロックチェーン技術の根幹を成す。サーバーに対して、それぞれの端末がリクエストを送りアクセスするクライアント・サーバー方式としばしば対比される。
▶️仮想通貨用語集
スリランカでは、仮想通貨決済を受け付ける企業も登場している。観光客向けにマウンテンバイクのツアーなどを企画するMTB.LK社は9月より、仮想通貨による支払いを受付開始した。
さらに、スリランカの大手Eコマースプラットフォーム「Kapruka」(Kapruka.com)も、まもなく仮想通貨での支払い受付を開始するとの意向を明らかにしている。
スリランカに拠点を置くVC「NP Capital Group」のNimal Perera会長が、「スリランカの若い投資家の間で仮想通貨取引の人気が高まっている」と述べたことに答えて、KaprukaのDulith Herath会長は次のように述べた。
Kaprukaは、仮想通貨決済の受け入れを数週間以内に開始予定だ。
Herath会長は、まずビットコイン(BTC)決済を導入し、次にイーサリアム(ETH)も受け付けられるようにしたいとも続けた。
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「仮想通貨」とは「暗号資産」のことを指します