Ubisoft、NFTプラットフォームをローンチへ
テゾスブロックチェーンを採用
大手ゲーム企業ユービーアイソフト(Ubisoft)は7日、トリプルエー(AAA)級のゲームで初となるNFT(非代替性トークン)プラットフォーム「Ubisoft Quartz」のローンチを発表した。
ローンチされるのはベータ版で、Windows PC版の「ゴーストリコン ブレイクポイント」というゲームで、まずは利用できるようにする。「Digit」と呼ばれるNFTはゲーム内アイテムで、売買することも可能。NFTの導入には、環境への影響を配慮し、暗号資産(仮想通貨)テゾス(XTZ)のブロックチェーンを活用するという。
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ユービーアイソフトは1986年にフランスで設立された大手ゲーム企業。設立後は世界に事業を展開し、1994年には日本にも「ユービーアイソフト株式会社」を設立した。
ベータ版である今回のプラットフォームは、ユービーアイソフトは「大規模な実験」だと位置付けている。これまで4年間、著名な専門家とも協業しながら、ブロックチェーン技術に関するリサーチや開発を続けてきたと説明。Ubisoft Quartzのベータ版のローンチが、その次のステップだとしている。
NFTであるDigitは、以下の3つの特徴を持つ。
- 希少性:各Digitにシリアルナンバーを表示させることが可能。ゲームの歴史をさかのぼり、所有者を追跡することもできる
- ゲームへの適性:ゲーム内の収集品として機能。プレイヤーの体験にオリジナリティをもたらすことができる
- コントロール:ユービーアイソフトから独立した、コミュニティ主導の技術であるブロックチェーンで所有権の証明が可能
同社の「戦略的イノベーションラボ」の幹部は、今回の発表に際し、以下のようにコメントした。
長期に渡る取り組みを経て、我々はブロックチェーンの分散型のアプローチが、どのようにプレイヤーを本当の意味でゲームのステークホルダーにできるかを理解した。
ブロックチェーンを活用すれば、購入したアイテムなど、プレイヤーが生み出した価値をプレイヤー自身のもとに返してあげることが可能だ。
また、Ubisoft Quartzは、真のメタバース(仮想空間)を開発するという同社のビジョンにおいて、最初のブロック(第一歩)になるとも説明。スケーラビリティやエネルギー消費といった、ゲームにブロックチェーン技術を導入する際の課題を克服したとも主張している。
テゾスを選んだ理由
今回ユービーアイソフトがテゾスのブロックチェーンを選んだ大きな理由は、この「エネルギー消費」を抑えるためだ。テゾスはコンセンサスアルゴリズムに、プルーフ・オブ・ステーク(PoS)を採用している。同社のブロックチェーン部門のディレクターは以下のように説明した。
エネルギー効率が良いということは、何百万というプレイヤーがゲームを利用する未来において必要な要素だ。
テゾスのブロックチェーンは1回のトランザクションで、30秒の動画を再生するのと同量のエネルギーしか使わず、持続可能性を犠牲にすることもない。
プルーフ・オブ・ステークとは
保有(ステーク)する仮想通貨の割合に応じて、ブロックを新たに承認・生成する権利が得られるコンセンサスアルゴリズムのこと。取引の承認に高性能なコンピューターが必要で、大量の電力消費を伴う「プルーフ・オブ・ワーク(PoW)」に比べ、環境への影響が少ないとされる。
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Ubisoft Quartzのベータ版は、日本時間10日の早朝3時に、米国、カナダ、スペイン、フランス、ドイツ、イタリア、ベルギー、オーストラリア、ブラジルでローンチされる予定。早くに利用するプレイヤーには特典として、無料のDigitを提供することも計画している。
日本語版の発表によると、NFTの取引は「Rarible」と「Objkt.com」のプラットフォームを介して行われるという。
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