「プレステの父」久夛良木氏、メタバースに否定的な見解示す

メタバースの価値が問われる

「プレイステーションの父」と呼ばれる久夛良木健(くたらぎ・けん)氏は20日、メタバース(仮想空間)に否定的な見解を示した。同氏にインタビューを行った『ブルームバーグ』が報じた。

久夛良木氏は、現実世界に存在することが重要であり、仮想世界に入り込むことに価値を見出せないと説明。分身となるアバターを使うメタバースは、「匿名の掲示板サイト」と本質的には変わらないと述べている。

メタバースとは

インターネット上に構築された、多人数参加型の3次元仮想現実世界のこと。アバターを使ってゲームや音楽のライブ、オンラインカンファレンスに参加できるなど、様々な領域で活用が期待されている。

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プレイステーションはソニーの家庭用ゲーム機。久夛良木氏はプレイステーションの生みの親として知られ、過去にはソニーの副社長も務めた。

今回のインタビューで久夛良木氏は、ソニーも開発するメタバース用のヘッドセットについては、「個人的な好みはあるだろうが、現実世界と切り離されるため自分は好きではない」と説明している。

同氏は現在、ロボットやモビリティソリューション向けのAIソフトウェアの開発を行う「アセントロボティクス社」の最高経営責任者(CEO)。同社は20日、ソニーおよびSBIグループを引受先とした第三者割当増資で、10億円の資金調達を行ったことを発表している。

アセントロボティクスは現実世界とサイバー空間をシームレスに融合することを目的としているが、ガジェットをあまり使わない方法を開発。久夛良木氏は「技術は現実とサイバー空間を分離するのではなく、融合するために活用すべきだ」とも述べ、同社の取り組みとメタバースは方向性が異なるとの認識を示したという。

大手企業の動向

現実世界を重視する姿勢は、アップル社も同じと見られる。先週には、仮想世界ではなく、現実の環境と組み合わせた技術を重視しているとし、アップル社はメタバース事業には参入しない可能性が浮上した。

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ソニーについては今月、プレイステーションの開発・販売などを行うソニー・インタラクティブエンタテインメントが、次世代のVR(仮想現実)ゲームシステムのリリース予定を発表。新システムの導入により、プレイヤーは、ゲーム内に実在しているかのような感覚や没入感、エモーションをますます高められるという。

商品名は、PlayStation®5向け次世代バーチャルリアリティシステム「PlayStation®VR2」と、新しいVRコントローラー「PlayStation VR2 Sense™コントローラー」だとした。

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