米フィデリティ「ビットコインは優れたマネー」
ビットコインの優位性を説明
米フィデリティ・デジタルアセットは1日、暗号資産(仮想通貨)ビットコイン(BTC)に関するレポートを発表。ビットコインのデジタルマネーとしての優位性や、他の仮想通貨との違いなどを論じた。
レポートは、ビットコインがデジタル貨幣として有利な位置にあることを、次のように説明している。
もし投資家が貨幣的財として、つまり価値の保管庫として機能するものとして仮想通貨への投資を行うのであれば、当然、最も大規模で最も安全で最も分散化された流動性のあるネットワークを選ぶだろう。
ビットコインは、真に希少なデジタル資産として初めて発明されたものであるため、先行者利益を得て、その優位性を長期にわたって維持している。
ビットコインに発行上限が定められていることに言及し、仮想通貨の先駆けとしてすでに知名度と規模が他を圧倒していることを優位性の一つとして挙げた形だ。
「ビットコインは非常に分散化されている」
レポートは、「最も分散化されている」という言葉を、主にビットコインネットワークへの参加者の多さや多様性を意味して使っている。ビットコインのネットワークが大きくなるにつれ、そのノードとマイナーは、より多様な人々、団体、地理的な地域に分散するようになり、攻撃することが難しくなる。そのため安全性が高まる。
ビットコインを、ハッシュレートやコンピューティングパワーの面から、プルーフオブワーク(PoW)を使用する他の仮想通貨と比較した場合、ビットコインが最も安全なデジタル資産だという。
地理的な面では、中国が仮想通貨禁止政策を打ち出したことで、ビットコインマイニングが世界のより多様な地域で行われることになったことにも触れた。
ハッシュレートとは
マイニングの採掘速度のこと。日本語では「採掘速度」と表現される。単位は「hash/s」。「s」は「second=秒」で、「1秒間に何回計算ができるか」を表す。マイニング機器の処理能力を表す際や仮想通貨のマイニングがどれくらいのスピードで行われるかを示す指標として用いる。
▶️仮想通貨用語集
レイヤー2ソリューションの可能性
レポートは、アプリケーションなどが開発される可能性についても言及。ユーザーや投資家は、より多くの用途や機能を求めて、ビットコイン以外の仮想通貨に投資することも考えられる。
だが、ビットコインネットワーク本体(レイヤー1)の上に、レイヤー2のアプリケーションやスケーリング(拡張)ソリューションを構築することができれば、ビットコインネットワークも、より多くのユーザーを引き付けられる可能性があるという。
レポートは、既にある、こうしたソリューションの例としてライトニングネットワークを挙げている。
ライトニングネットワークとは
ビットコインのトランザクション処理能力を解消するため、レイヤー2を利用したオフチェーン技術のこと。ライトニングネットワークを導入すれば、混雑しがちなブロックチェーンの外で取引を行うことができ、取引の高速化や手数料削減につながる。取引の高速化や手数料削減が実現すれば、少額決済が行えるようになるため、それによって新しい商品やサービスが生み出されることも期待されている。
▶️仮想通貨用語集
また、レポートは成長する仮想通貨エコシステムに参加するためには、ビットコインに投資するのが簡単で効率的な方法だと結論した。ビットコイン以外の仮想通貨(アルトコイン)については、ベンチャー企業に投資するように、様々な仮想通貨に少しずつ資金を投入する方法を推奨している。
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「仮想通貨」とは「暗号資産」のことを指します