米株指数の底入れ示唆でビットコイン反発、機関投資家の資金フローは2週連続プラスに転じる
仮想通貨市況
2月1日、中国に春節(旧正月)が訪れた。日本の正月連休(年末年始)同様に中国の株式市場も休場となるほか、旧正月を祝う文化は台湾、韓国、香港、シンガポール、タイ、マレーシアなど東南アジア地域でも行われるとされる。
過去には季節性アノマリーの一環として、多くの支出を伴う連休であることを前提に、連休前の手仕舞い売りや法定通貨の換金売りが発生する可能性が指摘されたこともある。
この点について、著名アナリストのAlex Krüger(@krugermacro)氏は2020年、過去のデータから「旧正月ならではのアンダーパフォームは認められない」と指摘した。
CoinPostに寄稿するbitbankのアナリストである長谷川友哉氏は2020年、2012年から2020年の春節と連休日程を分析した上、「特定のシーズナリティがあるとは結論付け難い。」との見立てを示し、中国の仮想通貨禁止令に伴い、同国の影響力が下がっていることを指摘している。
2日の暗号資産(仮想通貨)市場で、ビットコイン価格は前日比+0.11%の443万円(38,660ドル)とジリ高の展開に。
NYダウが3日続伸、ナスダックも反発するなど米株式市場が底入れの兆しを見せたことも投資家心理改善の背景にある。日本市場では、大幅下落していた日経平均株価が前日比419円高で前場を終え、売り込まれていたマザーズ指数も3営業日連続で反発した。
昨今では、米金融引き締めをめぐる不透明感やウクライナ情勢に対する懸念で投資家のリスク回避姿勢が鮮明となっていたが、パニック売りで下方向への過熱感もあったことから、1月の米連邦公開市場委員会(FOMC)通過でひとまず一服したか。
一方で、FRB(米連邦準備制度)は3月のFOMCに向け、大幅利上げの可能性も除外しておらず、どこまで市場が織り込んでいるかは未知数だ。当面不安定な値動きが続くとの指摘もある。
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BTC相場は40,700ドルのレジスタンスライン(上値抵抗線)を超えてくれば、トレンド転換をみたブルが勢力を増す可能性がある。株式市場ともども底入れの兆候を示しているが、大きく毀損したセンチメントは回復しきれていない。
ビットコイン(BTC)の週平均ボラティリティ(価格変動性)は、20年11月以来となる15ヶ月ぶりの低水準に落ち込んだ。年末年始は、FRB(米連邦準備制度)の影響を受けた伝統金融市場の激しい値動きに揺さぶられ、仮想通貨市場のボラティリティも急拡大した。
インドのNirmala Sitharaman財務相が、デジタル資産で発生した利益に対する30%課税を提案したことは、中・長期的に見れば追い風か。
国連の報告書によれば、インドの人口は2027年頃に中国を抜き、世界最多となる可能性がある。デジタル資産の全面禁止も取り沙汰されていた巨大市場を擁するインドで、少なからず取引を認める方向に動いたことは進展と言えるだろう。
オンチェーンデータ分析
Glassnodeの週次レポートによれば、先物市場の出来高は、21年3月の800億ドル/日から22年1月の400億ドル/日まで半減した。その内、バイナンス先物市場の建玉がドミナンス(市場シェア)の52.5%を占める。オプション市場でも、ネガティブな傾向が見受けられた。
Glassnodeのデータ計測地点にて、オプション市場の相場観の強弱をはかる指標である「プット・コール・レシオ(PCR)は、数ヶ月ぶりの高値となる59%まで上昇した。相場の先行きに対して悲観論が台頭してプットオプションの建玉残高が増えたものと考えられるが、PCRの急上昇は、相場の底で見られやすい傾向との指摘もある。
また、ゼロ残高を除くビットコインウォレット数が4,000万を突破したことにも一部投資家の関心が向いている。
過去最高値1BTC=69,000ドルから大幅下落した後も価格と反比例するようにして上昇傾向にあり、2018年の相場暴落時に多くの投資家が撤退を余儀なくされた頃とは様相が異なるからだ。
機関投資家の資金流入出は、2週連続プラス
なお、資産運用会社CoinSharesの週次レポートによれば、暗号資産(仮想通貨)ファンドの機関投資家のフローにて、過去2週間で計1900万ドルの流入超過に転じた。
先々週まで過去5週間に渡って流出超過だったが、僅かながら反転している。
個別銘柄では、ビットコイン(BTC)に+2200万ドルの流入が見られた一方、イーサリアム(ETH)は-2680万ドルに。
複数の銘柄を組み合わせたマルチアセットファンドに21年6月以来最大となる+3200万ドルが流入した。下落トレンドの底打ちが示唆される局面で、機関投資家が分散投資を試みている可能性がある。
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