米ユニバーサルミュージックとビルボードが提携、NFTプロジェクトを構築へ
UMGとビルボードのNFTプロジェクト
米大手音楽会社ユニバーサルミュージックグループ(UMG)とビルボードは2日、提携してNFT(非代替性トークン)プロジェクトを立ち上げることを発表した。ミュージシャンのジェイ・Z氏や、NFT関連企業Dapper Labsなどが支援するスタートアップ「Unblocked」も参加する。
UMGとビルボードは、Flowブロックチェーン上に構築されるデジタル収集品プロジェクト「ChartStars(チャート・スターズ)」を立ち上げ、5月に最初のNFTをリリースする計画だ。
米ビルボードは音楽業界メディア企業であり、様々な音楽ジャンルのチャート(ランキング)を提供している。
公式発表によると、「チャート・スターズ」は、ビルボードのチャートに登場したUMGアーティストの功績を称えるNFTシリーズ。ミュージックビデオの一部や、ミュージックアルバムの写真など、公式ライセンスを取得しているアートワークを収録するという。
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NFTとは
「Non-Fungible Token」の略称で、代替不可能で固有の価値を持つデジタルトークンのこと。ブロックチェーンゲームの「デジタルアイテム」交換などに用いられるのみならず、高額アート作品の所有権証明や、中古販売では実現の難しかった「二次流通市場」における権利者(クリエイター)への画期的な還元手段としても注目を集める。
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NFTは視覚的に美しいものとなり、プラットフォームには収集の他に、ゲームの要素も加えられる見込みだ。
プロジェクトの技術パートナーとして、スタートアップUnblockedも参加。Unblockedは、主に音楽業界のNFT発行について取り組む企業で、2022年初めにシードラウンドで、1,000万ドル(約11億円)の資金調達に成功した。ジェイ・Z氏やDapper Labsなどが投資家として参加している。
UMGとビルボードの取り組み
UMGとビルボードは、今回のプロジェクトの他にもNFTに取り組んでいる。
UMGは21年12月、アバター技術企業Genies(ジーニーズ)と提携して、所属アーティストのアバターやNFTを開発していくと発表。アーティストは、アバターを活用して、デジタル空間で活動を行ったり、アバター用の衣服をNFTとして発売することができるようになるとしている。
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ビルボードは2日、女性アーティストのNFT発行を支援する企業「World of Women」と提携して、クリスティーナ・アギレラ氏、マドンナ氏、マライア・キャリー氏ら著名な女性ミュージシャンをモチーフにしたNFTをリリースすると発表した。
このNFTは3月下旬に米仮想通貨取引所FTXの提供するマーケットプレイスでオークションにかけられる予定だ。
収益の一部は、各ミュージシャンが選んだ非営利団体に寄付される。また、NFTの購入者は、来年ロサンゼルスで開催される「Women in Music」のイベントにも招待されるという。
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