米メタ社、仮想通貨・メタバース関連の商標登録を多数提出
メタバースの商標登録
SNS大手のメタ社は先週18日、米国特許商標庁(USPTO)へメタバースに関する商標登録を8つ提出した。
暗号資産(仮想通貨)やブロックチェーンに関する言及も多数確認された。
申請では、メタバースにおける同社のロゴやサービスに関する商標登録を行い、仮想通貨やブロックチェーンソフトウェア、仮想通貨取引サービスやデジタル通貨などに関する項目もあった。
USPTOでメタバースに関する商標登録に特化する米国のMichael Kondoudis弁護士は、「これらの申請は同社のメタバース参入に向けた企業戦略を反映したものだ」とコメント。また、バーチャル経済の発展に向けた壮大な計画があることを示すものだと分析した。
申請書類の中で、仮想通貨に関する主な項目は以下の通りだ。
- 仮想通貨やウォレット・管理サービス
- 仮想通貨決済や取引、仮想通貨ポートフォリオの管理、ウォレットサービスなどを可能にするダウンロード可能なソフトウェア
- トークン作成を提供するソフトウェア
- 仮想通貨を監査する為のツール
- BaaS(Blockchain as a Service):ブロックチェーン技術に関する企業相談や情報提供
- 仮想通貨に関するリアルタイムな金融情報の提供
- 仮想通貨の取引や管理、監視、記録や閲覧を可能にするソフトウェアの提供
- ブロックチェーンソフトウェアの開発やテスト、および導入を可能にするAPIとして機能するソフトウェアの提供
- 仮想通貨やブロックチェーン市場に関するブログや記事、情報ガイドを提供するウェブポータルの提供
- 仮想通貨の売買を提供するオンライン上のバーチャル環境
- ブロックチェーンや分散型台帳、プライバシー、セキュリティー、データガバナンス法に関する情報を掲載するウェブサイトの提供
- 仮想通貨やブロックチェーン資産、デジタルアセットやデジタルトークン領域における法的コンプライアンスに関するコンサルティング
- 仮想通貨取引を投資家に提供するSNS
メタ社のWeb3.0動向
メタ社は昨秋にフェイスブックからメタへと社名変更を表明。ロゴも一新しており、今回の申請では、VRを利用した環境におけるロゴの商標登録も兼ねたものとされる。
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また、3月上旬に米テキサス州で開催された大型イベント「SXSW」ではメタ社のマーク・ザッカーバーグCEOがSNSアプリ「インスタグラム」でも近々NFT(非代替性トークン)対応を表明することを示唆。「インスタグラム内部でNFTを発行するサービスも数ヶ月以内に開始する」とも発言するなど、Web3.0領域における動向は注目を集める。
メタ社は2019年にも、独自のステーブルコインプロジェクト「ディエム」を通じてブロックチェーン領域へ参入を小試みていたが、規制当局からの反発で実現に至らなかった経緯がある。その後、ディエムは事実上解体され、研究成果やIP(知的財産権)などは22年2月に米国のシルバーゲート銀行に売却された。
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「仮想通貨」とは「暗号資産」のことを指します