米決済大手Visa、クリエイター向けNFT支援プログラムを開始
アーティスト向けのNFT支援プログラム
米決済大手Visaは30日、アーティスト向けのNFT(非代替性トークン)支援プログラムを正式に開始した。Visaが将来、NFT関連製品を開発することにも役立つ見込みだ。
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NFTとは
「Non-Fungible Token」の略称で、代替不可能で固有の価値を持つデジタルトークンのこと。ブロックチェーンゲームの「デジタルアイテム」交換などに用いられるのみならず、高額アート作品の所有権証明や、中古販売では実現の難しかった「二次流通市場」における権利者(クリエイター)への画期的な還元手段としても注目を集める。
▶️仮想通貨用語集
このプログラムはアーティスト、ミュージシャン、ファッションデザイナー、映画制作者などのクリエイターに、一年間NFTについての成長機会を提供。具体的には、次の5つの分野でサポートするという。
- ブロックチェーンやスマートコントラクト、NFT市場などの技術や製品に関する助言
- 他のNFTクリエイターとアイデアを交換し、コミュニティを構築する機会
- Web3.0、仮想通貨などの最先端で活躍する人々の話を聞く機会
- Visaの顧客やパートナー企業との交流
- クリエイターの成長を支援するための奨学金
Visaの仮想通貨部門責任者Cuy Sheffield氏は、The Blockに対して次のように話した。
NFTは、クリエイターがこのメディアにもっと投資するようになるにつれて、様々な形を取ることができるだろう。私達は、NFTにより新たなファン、製品、サービスを生み出せるようにクリエイターをサポートしていきたい。
VisaもNFT事業の可能性を模索
このプログラムにより、VisaもNFTの可能性を探ることができるという。Sheffield氏は、NFTがクリエイターに与えるチャンスや解決すべき課題、またアーティストが作品を収益化する上でNFTが果たしうる役割などを理解することに言及した。
Sheffield氏は、NFTへの取り組みは「まだ始まったばかり」で、Visaは「クリエイターのためのプラットフォーム含め、新たな製品やソリューションを開発し続けている」と続けた。
Visaは、このプログラムで何人のクリエイターを育成するか、まだ決定していない。Sheffield氏は、充分なサポートを行うために、参加者の規模をできるだけ小さくしたいと述べた。
プログラムへの参加を希望するクリエイターは、書面で質問事項に回答し、その後、最終選考のため面接を受けることになるという。
公式発表でVisaは、NFTがアーティストにもたらす利点について、次のように説明している。
NFTは、画像、映像、音楽などのデジタルグッズやメディアの所有権を確立し、その作品が本物であると証明することもできる。これにより、クリエイターの収入源の一つとなり、そのビジネスの成長を助ける。
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「仮想通貨」とは「暗号資産」のことを指します