ビットコインのリスクシグナルが再上昇、マクロ環境の不確実性が波及
仮想通貨市況
米債券市場では、物価高を伴うインフレ高進を抑制するため金融引き締め政策を加速せざるを得ないとの見方が強まっている。
ニューヨーク連邦準備銀行のウィリアムズ総裁は14日、0.5%の大幅金利引き上げについて「妥当」だとの認識を示し、量的緩和で膨張した資産圧縮に関して「量的引き締め(QT)」にも言及した。
先週末の米ニューヨーク株式市場は、米長期金利の上昇を受けて引き続きハイテク株を中心に売られた。米国は15日からイースター祭で3連休となっており、手仕舞い売りも助長した可能性がある。
週明け18日の暗号資産(仮想通貨)市場では、ビットコイン価格は前日比0.7%安の504万円(39,850ドル)で推移している。
米国の確定申告期日は18日であることから納税に向けた換金売りは一服したものとみられるが、いかんせん地合いが悪く上値は重い。
Glassnode共同創業者は、市況レポート「Uncharted #13」にて、マクロ環境の不確実性が全ての資産クラスに波及していると指摘した。
ビットコイン(BTC)には堅固なファンダメンタルズがあるにもかかわらず、金融市場の大局が仮想通貨価格に負の影響を及ぼしているとの見立てを示す。
ソフトウェア分析ソリューションを展開するデータ企業Swissblock Technologiesのデータによれば、ビットコイン(BTC)のリスクシグナルが再び上昇した。4万ドルのサポートライン(下値支持線)を割り込んだ場合のダウンサイドリスクを示唆している。
米ドルの強さを示すドル・インデックス(DXY)は、過去1年半を通して強さを増している。「ユーロ(EUR)/ドル(USD)」と比較すると一目瞭然だ。
ドル・インデックスはビットコインなどリスク資産と逆相関傾向にあり、20年3月以降の大規模金融緩和局面ではDXYが中長期的に下落し、株やBTCが上昇した。
また、ブルームバーグの米国財務省指数によれば、利上げの影響で米ドルに対する資本流入と米国債からの資本流出が加速し、観測開始の1994年以来最悪のドローダウン(-10.88%)をマークしたという。
暗号資産(仮想通貨)市場では、先週の1週間で1億3400万ドルの資金流出がみられた。これは今年2番目に高い水準だ。内、ビットコインは1億3,100万ドルに相当する。
一方、潜在的には良好なオンチェーンデータも確認されている。
その一つが過去最高水準のアウトフロー(外部送金)と暗号資産(仮想通貨)取引所におけるネットポジション(売り買いのポジション差)の変化だ。潜在的な底入れシグナルと次のレッグアップを示唆していると指摘。取引所における供給減は、売り圧力が和らぐことになるとの見方を示した。
データ分析企業CryptoQuantのKi Young Ju(@ki_young_ju)CEOは15日、米大手取引所コインベースから30,000BTCが外部送金されたことを報告。金融機関とのOTC(相対)取引に利用するコインベースのカストディウォレットに向けたものであるとの見方を示した。
アルト市場
ブロックチェーン分析企業Santimentによれば、ライトコイン(LTC)の出来高が過去1年見られないレベルで活性化している。14日のLTC取引高は5,508件で10万ドルを超えた。これは暗号資産(仮想通貨)市場が暴落した21年5月以来の水準になる。
Ambcryptoのアナリストはこの点について、100万ドル(約1億円)を超えるクジラ(大口投資家)の動きは、オンチェーンデータからは確認されていないと指摘。
2021年の安値を割り込んでいることから、センチメント悪化によるものだと憶測した。
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