はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習 WebX
CoinPostで今最も読まれています

「人材流出が著しい」NFT特別担当の平将明議員、ガバナンストークンへの課税の見直しを要望

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

仮想通貨の税制も見直しを要望

自民党の平将明議員は4日、同日開催された衆議院内閣委員会において暗号資産(仮想通貨)・ブロックチェーンなどの技術を活用した分散型の概念である「Web3.0」やスタートアップのガバナンストークンへの課税の問題について関係大臣に質問した。

現行の税制については、「これほどイノベーションを阻害する税制になっている」とし、業界の有望な人材やスタートアップが国外に流出している窮状を訴えた。

Web3.0とは

現状の中央集権体制のウェブをWeb2.0と定義し、ブロックチェーン等を用いて非中央集権型のネットワークを実現する試みを指す。代表的な特徴は、仮想通貨ウォレットを利用したdAppsへのアクセスなど、ブロックチェーンをはじめとする分散型ネットワークのユースケースがある。

▶️仮想通貨用語集

平議員は、元内閣府副大臣などを歴任しており、1月に自民党のデジタル社会推進本部より「NFT(非代替性トークン)特別担当」に指名されている。先進的な技術にも明るい人物だ。

関連:自民党が「NFT政策検討プロジェクトチーム」設置 成長戦略踏まえた税制改正も視野に

Web3.0について

平議員は、ブロックチェーン・トークンエコノミー・NFT・メタバースなどが活用されるWeb3.0について、「社会を大きく変えるインパクトのあるもの」とし、先手で様々な議論を進めていく必要があると説明し、牧島かれんデジタル大臣と山際大志郎経済再生大臣に見解を問うた。

牧島デジタル担当大臣

Web3.0は抽象的な概念ではあるものの様々な見解があり、従来のインターネットのあり方を変える可能性があると期待する見方があると受け止めている。デジタル社会の実現に向け、日々変化する技術のトレンドをしっかり把握して技術動向を注視することが重要と考えている。

山際経済再生担当大臣

ゲームチェンジができるチャンス。Web3.0になったときにプラットフォーマーからの呪縛から我々がどのように解き放たれるのか、全体像が見えていない状況にありながら、だからこそ与党の中でこの分野における政策を議論することは本当に価値のあること。したがって、デジタル大臣を中心とし成長戦略の中にしっかりWeb3.0を盛り込んでいきたい。

両大臣とも、Web3.0に関してインターネットや社会のあり方を変える可能性を持つものとの認識を示した。

各大臣の答弁を受け、平議員は「Web3.0はインターネットのあり方を必ず変えるという認識で政策を作る必要がある」と主張。岸田総理の掲げる「新しい資本主義」に言及しつつ、「ブロックチェーンの活用によりこれまで(株式の配当)とは違う資産の分配方法を可能とする」「成長戦略の一つの柱としてWeb3.0を位置づけることが極めて重要」と述べ、ブロックチェーンを成長戦略・国家戦略として位置づけたうえで担当大臣としっかり検討してほしいと要請した。

スタートアップのガバナンストークンへの課税について

平議員は、「ブロックチェーンに関して一番の問題は課税の問題」であると切り出す。日本では、法人の場合ガバナンストークンに対してキャッシュ化していなくても時価評価で課税されるが、暗号資産(仮想通貨)のベンチャーがガバナンストークンを発行した際、手元にトークンを保有しておかないと事業を推進することができないと説明。

「ブロックチェーン界隈のスタートアップや技術者は日本で創業できず、シンガポールなどの国に行かざるを得ず、ものすごい勢いで優秀な人材、有望なスタートアップが日本から流出している状況」であるとし、ガバナンストークンに対する課税の見直しを訴えた。

藤原崇財務大臣政務官

一般論として、法人が年度末で保有し活発な市場が存在する暗号資産については、売買目的で保有する有価証券や金・銀などと同様に時価評価で評価損益を計上することとなっている。

この取り扱いの理由は、企業会計上も時価評価とすることになっていること、あるいは売却・換金が容易であること、仮に時価評価を行わなければ所得の発生する事業年度に含み損のある暗号資産のみを売るという租税回避行為が想定されることによるもの。

こうしたことを踏まえ、ガバナンストークンについても一般的には事業年度末に時価評価を行い評価損益を計上しているということだ。

藤原財務大臣政務官の答弁に対し平議員は、それは「財務省の理屈」であると反論し、再度現行の税制の問題点を指摘。人材の流出が深刻化する窮状を訴えた。

売買目的でなくともブロックチェーンの特性上、手元にガバンストークンを持たざるを得ない。利益が実現してないにもかかわらず課税している。おそらく財務省は公平性に着目していると考えられるが、結果的に有為な人材を海外に流出させることを促進する税制になっている。

いずれにせよ、昨年から人材流出が半端でなく、仮想通貨・ブロックチェーン業界では日本で起業したいという人には「日本だけはやめておけ、シンガポールや中東に行ってやるべきだ」となってしまっている。

これほどイノベーションを阻害する税制になっていることを議論していきたい。

NFTの活用について

続いて平議員は、日本が有するアニメやポップカルチャーなどクールジャパンのコンテンツをNFTを活用することで「グローバルのマーケット価格に引き直して最大化できる」「クールジャパンにおいてNFTは起爆剤になる」と主張。一方で、日本ではNFTなどに関する法整備が整っていないため企業が積極的に事業を推進してよいものか判断できなくなってしまっている状況にも触れつつ、クールジャパンに関する見解について、若宮健嗣デジタル田園都市国家構想担当大臣に見解を問うた。

若宮デジタル田園都市国家構想担当大臣

我が国は漫画やアニメなど多様な知的財産を有するコンテンツ大国と認識している。近年これらの分野にNFTが導入され、例えばデジタルアートに証明書を付して流通させる、あるいは仮想コンテンツを資産として高付加価値化する取り組みを展開している。

NFT技術を用いたコンテンツの転売に関しては原作者等への対価の還元が可能であると認識している。今後のクールジャパン戦略においてはデジタル技術の積極活用が不可欠と考える。

我が国の豊富なコンテンツをNFTなどの技術を活用し、広く世界に知らしめることができると期待しており、しっかり取り組んでいきたい。

答弁内容について、平議員は、「このままだとNFTのマーケット自体が海外に取られてしまうことになりかねないため、クールジャパンの文脈でNFTに関して成長戦略として進めていってもらいたい」と要請した。

関連:『基本路線は成長戦略』自民党デジタル本部のNFT特別担当に平将明議員が就任

関連:Twitter投稿が3億円の価値に|大企業も注目する「NFT」の仕組みと可能性

CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
12/11 木曜日
18:32
NYSE、サトシ・ナカモト像を設置 ウォール街の変化示す
ニューヨーク証券取引所がビットコイン創始者サトシ・ナカモトの像を設置。設置者のトゥエンティワン・キャピタルは約4万BTC保有で世界3位。伝統的金融が仮想通貨を受け入れる象徴的出来事に。
17:56
テザーとHoneyCoinが提携、アフリカでUSDT決済を拡大
テザーはHoneyCoinと戦略的提携を発表し、アフリカでのUSDT決済拡大を目指す。HoneyCoinはQRコードや専用端末に対応したPOSネットワークを導入し、加盟店が直接USDTを受け取れる仕組みを構築。まずケニアでサービスを開始し、他市場へ展開予定。現地通貨の変動リスクを避けたいユーザーの需要に応え、アフリカにおけるステーブルコイン普及を加速させる。
17:15
コインチェックがソラナ(SOL)の取扱いを開始
コインチェックがソラナ(SOL)の取扱いを開始。販売所・取引所・つみたてに対応し、1万円購入で抽選1万円分のSOLが当たるキャンペーンも実施中。
16:47
ブータン都市GMC、金裏付けトークン「TER」発行へ ソラナ活用
ブータンの特別都市GMCが、金を裏付け資産とする国家支援型トークン「TER」をソラナ基盤で発行。DK Bankが販売・保管を担い、同国のデジタル経済戦略を加速させる取り組みとなる。
16:33
仮想通貨取引所ジェミニ、CFTC承認で予測市場参入へ
仮想通貨取引所ジェミニがCFTCから予測市場運営の承認を取得。関連会社ジェミニ・タイタンを通じて二者択一式イベント契約を提供する。カルシとポリマーケットが急成長する予測市場で、競争が激化している。
14:58
仮想通貨業界トップ、米CFTC新設諮問会議に参加へ
米CFTCが「CEOイノベーション評議会」を設立し、クラーケンやジェミナイなど仮想通貨業界トップが参加。デリバティブ市場の構造変化やトークン化について議論。仮想通貨担保のパイロットプログラムも開始。
14:06
レイヤーゼロ(ZRO)とは?スターゲートの使い方・バイバックの仕組みを解説
レイヤーゼロ(LayerZero)の仕組みやZROトークンのバイバック、スターゲートを使ったブリッジ方法を初心者向けに解説。Stargate買収の背景やリスクまでわかりやすく紹介します。
12:05
イーロンのスペースX、146億円相当のビットコイン移動 IPO関連か?
イーロン・マスク氏率いるスペースXが約146億円相当のビットコインを移動した。10月から毎週大規模な送金を継続しており、IPO計画との関連が注目されている。
11:49
トム・リー氏、「イーサリアムは既に底打ち」 先週690億円相当を購入
ビットマイン会長トム·リー氏が、イーサリアムは既に底入れしたと発言。同社は先週、約4億6,000万ドル相当のETHを購入し、10月以来最大規模の買い増しを実施。今後10~15年間、ビットコインよりもイーサリアムの将来性に期待を寄せている。
11:49
FRBの慎重姿勢でビットコイン反落 2026年の利下げは限定的か
FRBは25bpの利下げを決定したが、パウエル議長の慎重姿勢を受けビットコインは下落した。2026年の追加利下げは1回との見方が広がる中、グラスノードのデータは実現損失が1日5.5億ドルとFTX崩壊時並みの高水準を示す。機関投資家の本格参入で4年サイクル終焉論も加速。
11:04
米大手9行が仮想通貨企業を排除 通貨監督庁が是正へ
米通貨監督庁(OCC)は、JPモルガンなど大手9行が2020-23年に仮想通貨企業を含む合法事業者へのサービスを業種理由で制限していたと発表。「金融の武器化」と批判し、違法行為には司法省照会も検討。トランプ政権下で「デバンキング」問題の是正が加速。
11:00
ビットコイン9.4万ドル急騰からの反落、FOMC利下げ後に軟調な動き|仮想NISHI
FRBの25bp利下げを受け、ビットコインは一時9万4000ドルまで上昇したものの、その後反落。X-Bankアナリストの仮想NISHI氏によると、デリバティブ市場でのロング解消による売り圧力が現物買いを上回っている。欧米機関投資家のクリスマス休暇入りを控え、年末にかけて軟調基調となるリスクを指摘。
09:19
ストラテジー社、ビットコイン保有企業の扱いめぐり書簡 MSCI指数除外案に反対表明
ビットコインを蓄積するストラテジー社がMSCIの指数除外案に反対意見を提出。仮想通貨保有50%以上の企業を除外する提案に対して、様々な観点から異論を唱えている。
09:11
Superstate、株トークン化の新サービスをローンチへ
Superstateは、株式をトークン化する新サービスを発表。上場企業が仮想通貨イーサリアムやソラナのブロックチェーン上で株式を新たにトークン化して、投資家に直接発行することができる。
07:40
ビットコインの買い増しなどを計画 米Strive、最大約780億円を調達へ
米Striveは、最大約780億円相当の株式を発行・販売する契約を締結。調達資金は仮想通貨ビットコインの買い増しやビットコイン関連商品への投資などに使用すると説明した。
通貨データ
グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧