はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習-運用 WebX
CoinPostで今最も読まれています

自民党が「NFT政策検討プロジェクトチーム」設置 成長戦略踏まえた税制改正も視野に

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

ブロックチェーンを成長戦略に

自民党のデジタル社会推進本部は26日、「NFT政策検討プロジェクトチーム(PT)」の設置を発表した。ブロックチェーンやNFT(非代替性トークン)の関連事業を政府の掲げる成長戦略に含めるべく、政策提言を視野に議論を進めていく方針を明らかにした。

同PTの座長には、平将明 衆議院議員が就任した。同氏は先週19日、平井卓也 元デジタル大臣よりNFT特別担当に指名されており、先進的な技術についても造詣が深い。

平座長は、NFT特別担当に指名されたことをTwitterで報告後、非常に多くの反響が寄せられ、フォロワー数が1万人増加したと明かし、関心の高さを示しているとコメントした。

関連: 『基本路線は成長戦略』自民党デジタル本部のNFT特別担当に平将明議員が就任

ブロックチェーンを成長戦略に

また平座長は、旧Facebook社など米最大手企業らが推し進めるメタバース(仮想現実)領域の事業でも、このままだと日本が他の先進国に遅れをとりかねないと危機感を示した。スタートアップ・ベンチャー企業や技術者などの優秀な人材が大量に海外流出している状況を踏まえ、日本の不透明な規制が要因となっていると指摘している。

そのため、政府が今夏打ち出す予定の「国家成長戦略」について、NFTを筆頭としたブロックチェーン技術を含むエコシステム(生態系)を含めていく方針で政策提言を行なっていくと述べ、自民党内でも問題意識を持った議員が積極的に発言していくべきだとしている。

NFTは閉じた生態系ではなく、決済のところでファンジブルトークンが入ってくるため、結局ブロックチェーン全体を見ないと全体的、整合的な形はできないだろうと思う。

ファンジブル・トークン(FT)は、現金などと同様に、代替可能性があり交換が容易なトークンの総称。法定通貨の他にも、ビットコイン(BTC)やイーサリアム(ETH)など多くの暗号資産(仮想通貨)もファンジブルトークンの一種だと言える。

関連:大企業の関心集める「NFT」の魅力とは|主な特徴と将来性を解説

平座長は、ブロックチェーンを国家戦略として掲げ、緩和的な政策を推進するシンガポールやUAE(アラブ首長国連邦)などの国々を引き合いに、政府として支援することの必要性を訴えた。

一番致命的なのは、メタバースのベースがブロックチェーンであるため、その担い手のベンチャー企業が海外に出ていくと、優秀な技術者も共に国外流出してしまう。

そうなると、メタバースのプラットフォーマーは日本には誰もいない、海外大手プラットフォーマーに乗っかって資金だけ取られるという、いつもの日本の負けパターンに入ってしまいかねない。

NFTだけを見ると見誤る。つまり、全体のファンジブルトークン、ブロックチェーンまで踏まえた生態系でどのように考えていくかが肝要だ。これはすごく大変な仕事であり、今ある”縦割り規制”に対して、デジタルに横軸を入れていくというのは容易ではない。

この点において、少なくとも自民党の”成長戦略”や骨太方針を打ち出すタイミング、または党内で行う年末の税調議論で、同じような問題意識をもった議員らが発言していくことが重要だ。

メタバースとは

インターネット上に構築された、多人数参加型の3次元仮想現実世界のこと。アバターを使ってゲームや音楽のライブ、オンラインカンファレンスに参加できるなど、様々な領域で活用が期待されている。

▶️仮想通貨用語集

関連:次世代の仮想空間サービス「メタバース」とは|ブロックチェーンとの関係も解説

日本の国際競争力低下を懸念

初会合に出席した自民党の平井卓也デジタル社会推進本部長は、日本の国際競争力についても言及。

昔と比べて大きく低迷し、世界的に遅れをとっている状況を踏まえ、NFTなどの「新しい技術から目を背けてはならない」「スタートアップの優秀な技術者たちが、海外に出て行ってしまっている現状は直視する必要がある」などと指摘した。

出所:IMD「世界競争力年鑑」各年版より三菱総合研究所作成

IMD「世界競争力年鑑」を基にした三菱総合研究所のグラフデータによれば、日本の国際競争力は、30年前までは世界1位だったが、イノベーションよりも規制を先行する姿勢が顕著になってからガラパゴス化。フィンテック企業やスマートフォンの開発競争でも海外勢に完敗するなど、21世紀以降は大きく後退した。

2021年度版では、クリプトバレーのツークを擁し「暗号資産(仮想通貨)国家」を自称するスイスが世界1位に。2位以下はスウェーデン、デンマーク、オランダ、シンガポールと続き、ドバイを含むUAE(アラブ首長国連邦)が9位、米国が10位、中国が16位、韓国が23位となっている。そんな中、かつて”世界最高の技術大国”と謳われた日本は31位に沈み、先進国の中でも特に低迷している。

出所:IMD「世界競争力年鑑2021」より三菱総合研究所作成

平井議員は、現代の日本の弱点と指摘する「変化に対応する力」を挽回するため、ブロックチェーンやNFT(非代替性トークン)、メタバース関連のような新興技術が日本経済や次世代にとってプラスになるかどうか見極めていきたいと述べた。

また、プロジェクト推進にあたって最初の課題は、「金融庁との考え方(方針)のすり合わせ」が必要と言及。規制当局の関係者にも「日本経済にプラスとなるよう」協力を求めた。

関連:『基本路線は成長戦略』自民党デジタル本部のNFT特別担当に平将明議員が就任

CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
09/30 火曜日
17:14
ハイパーリキッド「Hypurr NFT」エアドロに高い関心、初動のフロアプライス1000万円弱に
暗号資産(仮想通貨)HYPEを発行する分散型取引所ハイパーリキッドのNFTコレクション「Hypurr」が配布され、フロア価格800万円、24時間取引高105億円を記録した。特に希少NFTは最高7000万円で落札するなど反響を呼んだ
16:34
マーチャント・バンカーズ、ビットコイン購入 不動産の暗号資産決済に本格参入
マーチャント・バンカーズが3億円分のビットコインを購入し、FINX JCryptoと協業。不動産決済サービスや暗号資産事業強化へ動き出す。
16:25
ネイルサロン運営コンヴァノ、ビットコイン取得額が累計104億円に
東証グロース上場のコンヴァノが約15億円相当のビットコインを追加購入し、累計取得額が104億円に到達。同社は2027年3月末までに21,000BTC保有を目指している。
15:08
金融審議会が「第3回暗号資産WG会合」開催、上場審査プロセスにも言及
金融審議会が暗号資産の金商法一本化を検討。インサイダー取引規制と情報開示義務を導入し、投資家保護を強化する方針。JVCEAの審査実績や委員からの懸念も明らかに。
13:40
NYDIG、仮想通貨トレジャリー企業の評価指標「mNAV」を批判 ”不正確で誤解招く”
NYDIGは最新レポートで、仮想通貨トレジャリー企業の評価に使われるmNAV指標を強く批判した。不正確で投資家を誤解させる可能性があると指摘し、「業界から削除すべき」と主張した。
13:15
仮想通貨ファンドから1200億円流出 FRB利下げ観測後退受け=CoinShares
CoinSharesが先週、仮想通貨投資商品から約8億ドルが流出したと報告した。ビットコインとイーサリアムから流出し、ソラナとXRPでは流入が続いた。
11:51
米政府閉鎖危機に警戒感募る中ビットコイン反発、SECの新基準はアルトコインETFに追い風
仮想通貨市況 暗号資産(仮想通貨)市場では、ビットコイン(BTC)は前日比+2.56%の1BTC=114,666ドルと反発した。 デリバティブ市場では、3億3000万ドル以上の…
11:30
バイナンス、企業向けインフラソリューションをローンチへ
仮想通貨取引所バイナンスは、従来の金融企業向けにインフラソリューション「Crypto-as-a-Service(CaaS)」をローンチすると発表。ローンチの背景や内容を説明した。
11:05
仮想通貨購入発表で株価22倍暴騰のQMMM、米SECが株取引を停止
米SECがデジタル広告企業QMMMホールディングスの株式取引を強制停止した。仮想通貨購入計画発表後に株価が暴騰し、SNSを通じた価格操作の疑いが指摘されている。
10:50
急成長の分散型取引所Aster、トークンの分割エアドロップを検討 CZとの関係性も明らかに
分散型デリバティブ取引所Asterが独自仮想通貨ASTERのベスティング方式エアドロップを検討している。Asterは前バイナンスCEOであるCZ氏の支持も背景に躍進している。
10:15
ビットコイン急騰、米政府閉鎖リスクで「無国籍資産」への逃避資金流入|仮想NISHI
仮想通貨ビットコイン市場は28日から30日朝にかけて急騰した。BTCは法定通貨や国家に依存しない無国籍資産であり、政府機能や金融システムが不安定化する局面において上昇する傾向を持つ。
09:55
ブルームバーグETF専門家予測、SEC包括基準でアルトコインETF承認確率「ほぼ100%」に
米SECが仮想通貨ETFの包括的上場基準を承認し、原則上個別審査が不要となった。ブルームバーグのETFアナリストは承認確率が事実上100%と予測している。
08:30
12年間休眠のビットコインウォレットが活動再開、65億円相当BTCを移動
12年間休眠していたビットコインウォレットが29日に400BTCを移動したとアーカム・インテリジェンスが報告した。2013年11月以来初めての取引で、当時の取得価格から約16000%上昇している。
07:55
SWIFTがコンセンシスと提携しブロックチェーンを開発 30超の金融機関が参加
国際銀行間決済ネットワークSWIFTがブロックチェーン基盤の共有台帳をインフラに追加すると発表した。30以上の金融機関と協力し、24時間365日のリアルタイム国際決済を目指す。
07:20
ソラナ、ネットワーク高速化のアップグレードを提案
Jump Cryptoで仮想通貨ソラナのファイアダンサーの開発を担当するチームは、ソラナブロックチェーンの速度をさらに速める提案を行なった。提案の背景や内容を説明している。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧