PancakeSwap、CAKEトークンのユーティリティ強化を図る
CAKEトークンのユーティリティ強化
分散型金融(DeFi)アプリケーションのPancakeSwapは12日、ガバナンス投票により、ネイティブトークンCAKEの発行量の上限を7億5,000万CAKEに設定した。
CAKEの発行量に上限を定める提案は1,100万以上の投票を集め、98.8%の賛成多数で可決した。この投票は、5月11日に公開されたCAKEのトークン・ユーティリティの改良案「v2 ライトペーパー」の一環である。
CAKEはこれまで、流動性提供にインセンティブを設置し続けることを重視して、発行量に上限を設けていなかった。しかし、「CAKEの価値とコミュニティの持続可能性をより良く反映する」ために、トークン設計の見直しを図るという。
この他にも、ライトペーパーによるとCAKEトークンのステーキングに以下のようなユーティリティが追加される計画だ。
- ファーミング報酬を増幅する「bCAKE」
- IFO(イニシャルファーミングオファリング)のメリットを高める「iCAKE」
- ガバナンス投票力を強化する「vCAKE」
PancakeSwapは、ステーキングに対するインセンティブを強化する一方、流通量に上限を設けることで、CAKEトークンの希少性を高めるねらい。
ステーキングとは
ステーキングとは、一定量の仮想通貨を所定の期間、ネットワーク上に預け入れることで報酬が得られる仕組み。銀行口座に法定通貨を貯金し、一定期間後に利子を受け取る仕組みに類似している。
▶️仮想通貨用語集
関連:イーサリアムの流動性、Uniswapと集権型取引所を比較=大手VC Paradigmレポート
長期的な持続可能性
PancakeSwapのガバナンストークンの現在の流通量は2億9,620万CAKE。開発チームによると、7億5,000万CAKEの供給上限は3~4年で到達すると試算されている。このスパンは、競合にあたるUniswapの2.5年やSushiSwapの1.5年よりも長い。PancakeSwapは他のDEXのトークン供給量は少なすぎるとして、長期的な持続可能性に疑問を提している。
トークンの最大供給量を設定することで、時価総額や他のトークンメトリクスにも影響を及ぼす。CoinMarketCapによるとPancakeSwap(CAKE)の単価は504円、時価総額は1490億円で市場47位にランクしている。7億5,000万CAKEで換算される時価総額は現在価格で3,800億円となる。この規模は、「BNBチェーンの最大のDEXとして保守的な公正価値」とライトペーパーで説明されている。
関連:Webブラウザ「Opera Crypto Browser」、BNBチェーンに対応
画像はShutterstockのライセンス許諾により使用
「仮想通貨」とは「暗号資産」のことを指します