CoinPostで今最も読まれています

イーサリアムの流動性、Uniswapと集権型取引所を比較=大手VC Paradigmレポート

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

Uniswap v3の流動性

大手暗号資産(仮想通貨)VCのParadigm(パラダイム)は5日、イーサリアム(ETH)の取引環境においてUniswap v3(ユニスワップ)の優位性を示すレポートを公開。バイナンスやコインベースといった中央集権的な仮想通貨取引所より、Uniswap v3が深い流動性を提供していると主張している。

流動性が高いほど、利用者にとってスリッページによる損失の抑制につながる。スリッページは、取引において約定価格と指定した価格の間に生じた差額を指す。

Paradigm Researchは、Uniswap v3のイーサリアム(ETH)の取引環境は「あらゆる価格レベルでより優れた流動性を有すため、高額取引に適している」と述べる。

例えば、ETH/USDペアで約6.5億円(500万ドル)相当の取引を行う場合、価格スリッページと手数料を考慮すると、約300万円(約24,000ドル)節約できるという。同社によると、想定元本500万ドルの価格変動率はUniswap v3でおよそ0.5%、Coinbaseで1%。平均手数料はCoinbaseの方が2bps(0.02%)低い。

従来の仮想通貨取引所は、トレードが円滑に進むようにオーダーブックに流動性を提供する「マーケットメイク」を専門組織に依存している。

一方、Uniswap v3はオーダーブックを持たず、代わりに仮想通貨同士のペアで構成される流動性プールを使用。自動価格決定メカニズムを内蔵することでスマートコントラクト上でトークンの即時交換を実行する。各プールの流動性が大きい場合、スリッページは僅少になる。データサイトDeFi Llamaによると、Uniswap v3への預け入れ総額を示す「Total Value Locked(TVL)」は9,600億円(74億ドル)に上る(執筆時点)。

関連AMM(自動マーケットメイカー)とは|仕組みやリスクを解説

関連:Uniswap創設者、2022年の計画を発表

イーサリアムの取引環境

以下の図は、市場価格に対して±2%の現物市場のデプス(流動性指標の一つ)の日平均値が百万ドル単位で示されている(データ引用元:Kaiko)。

出典:Paradigm

Uniswap v3の「ETH/USD(USDC・USDT・DAI)」ペアは、バイナンスやコインベースよりも2倍以上の流動性を提供した(集計期間:21年6月~22年3月)。

Uniswap v3の「ETH/BTC(ビットコイン)」ペアは、バイナンスの3倍、コインベースの約4.5倍の流動性を提供した(同22年2月~22年3月)。

より詳細に見ると、Uniswap v3(ETH/USDC)、バイナンス(ETH/USDT)、およびコインベース(ETH/USD)の市場デプスは同測定期間中に以下のように推移している。

出典:Paradigm

その他、ETHの中規模プールで構成されたペアでは、Uniswapは集権型取引所よりも平均にして3倍弱の流動性を提供する。ステーブルコインの市場もUniswap v3の優位性が示されており、「USDC/USDT」ペアがバイナンスの5.5倍の流動性を提供している。本レポートの分析手法はオープンソースとして公開されている。

ParadigmはUniswapの初期投資家であり、業界最大規模の仮想通貨ファンドを有していることでも知られている。21年11月に同社は総額2,800億円(25億ドル)規模の投資ファンドを設立。このファンドは米大手ベンチャーキャピタル「Andreessen Horowitz(a16z)」が21年6月に調達した2,400億円(22億ドル)の仮想通貨ファンド『Crypto Fund III』を越えていた。

関連:業界最大規模、仮想通貨VCのParadigmが2,800億円ファンドを発表

注目・速報 相場分析 動画解説 新着一覧
11/30 木曜日
06:05
ブラックロックとInvesco、ビットコインETFの上場申請でSECと再び面談
米SECは現物型ビットコインETFの上場申請について、今週28日に申請側のブラックロック(2度目)・Invescoと会議を行ったことが判明した。ゲンスラー委員長は別のイベントでETF申請についてコメントをした。
05:30
米で13番目のビットコインETF上場申請に、スイスPando
スイスの資産管理会社Pando Assetは米国で、現物型仮想通貨ビットコイン(BTC)ETFの上場申請を行っていることが判明。
11/29 水曜日
21:01
IOTA財団がUAEアブダビ当局と提携、エコシステム成長を促進
仮想通貨IOTAの研究・開発を行うIOTA財団は、UAEアブダビで、金融センターADGMと協力し、プロジェクトを成長させていくと発表した。
18:00
預けるだけで仮想通貨が増える?|CoinTradeのステーキングを解説
出典元:CoinTrade 2023年11月、ビットコイン(BTC)が年初来高値を更新したことをうけ、仮想通貨(暗号資産)業界は盛り上がりを見せています。 一方で「仮想通貨には…
16:28
米財務省 仮想通貨業界への調査権限拡大を議会に要請
米財務省がハマス制裁の一環として仮想通貨業界への調査権限を拡大へ。過激派組織のデジタル資産利用に対抗するための新たな法案を議会に要請し、アンチマネーロンダリング規制を強化する動きを加速。テロ資金の流れを追跡し、国際的な安全保障を高める目指す。
15:33
Coinbase顧客にBybit関連の「召喚状」通知、CFTCの動きに焦点
仮想通貨取引所Coinbaseが規制当局の召喚状について顧客に通知。Bybitの利用歴のあるCoinbase顧客に関する情報提供をCFTCが求める。Bybitは米国サービスを否定もVPNアクセスの可能性あり。Bybitは仮想通貨取引量トップ3で2,000万ユーザーを達成。
14:54
「中国の信用拡大はビットコインへの資本流入を促す可能性がある」ヘイズ氏
仮想通貨取引所BitMEXの共同創業者で元CEOのアーサー・ヘイズ氏は、中国における信用拡大が世界市場に波及し、結果的にビットコインなどのリスク資産全般への資本流入を促進するとの見解を披露した。
14:00
SNS連携のWeb3ウォレット「TIPWAVE」公開
NextmergeがX(旧Twitter)やDiscordユーザーに便利なWeb3ウォレット「TIPWAVE」を発表。SNSとの連携で暗号資産(仮想通貨)とNFTの利用が簡単に。ソーシャルメディアアカウントに対するNFT配布も可能になる。
12:40
ビットコイン投資商品9週連続の純流入、21年11月の「強気相場」以来最大規模に
暗号資産(仮想通貨)市場では、CME(米シカゴ・マーカンタイル取引所)の先物OIがバイナンスを上回る規模を拡大。CoinSharesのデータではビットコインETPなどの投資商品に21年11月以来最大の資金流入を観測した。
11:30
Jドーシー氏、ビットコイン採掘分散化推進の「OCEAN」に投資
ムーモリン社のビットコインマイニングプロジェクト「OCEAN」が620万ドル調達。ジャック・ドーシーも支援し、ブロック報酬をマイナーに直接分配する革新的なアプローチを採用。暗号資産(仮想通貨)ビットコインの分散化と発展に寄与。
10:45
香港行政長官、Hounax詐欺事件について発言
香港の行政長官や規制当局責任者は、仮想通貨取引所Hounaxの詐欺事件について発言し今後の姿勢を示した。また香港警察が事件概要を説明している。
09:50
チェーンリンク、ステーキング機能をアップグレード
チェーンリンクは、ステーキングの新バージョンを仮想通貨イーサリアムのメインネットにローンチしたことを発表。特化する目標や移行スケジュールを説明している。
08:30
ドル円一時147.3円 コインベース株大幅高、米FOMC理事ハト派転換か
コインベースやビットコイン採掘関連株などはFOMC理事のハト派的な発言を受けて大幅に上昇した。今夜は米7-9月期四半期実質GDP改定値が発表される。
07:45
アニモカブランズ、TONネットワーク最大のバリデータに
香港のWeb3大手アニモカブランズは28日、TONのエコシステムに投資し、L1ブロックチェーン「TON」の最大のバリデータになったと発表した。
06:50
CZ氏、バイナンスUSの取締役会会長を退任
仮想通貨取引所バイナンスの米国部門バイナンスUSは、CZ氏が同社の取締役会の会長を退任すると発表。退任はCZ氏が決断したという。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア