セルシウス、事業再建計画の概要を提示
再建に向けたステップを提示
米連邦破産法11条の適用を申請した暗号資産(仮想通貨)融資企業Celsius Network(セルシウスネットワーク)は18日、破産裁判所の審理に先立って資料を公開。事業の現状や、再建計画について概要を説明した。
資料によると、今後の再建に向けたステップとしては、次の事項が挙げられている。
- 企業価値を維持しつつ、ステークホルダーとの再編成交渉を行う。
- マイニング事業で得られたビットコイン(BTC)を同事業の資金として活用し、同時にビットコインの保有量を増やす。
- 資産売却や第三者による投資を検討する。
- 連邦破産法第11条に基づく計画を提出し、確認する。
米連邦破産法11条(チャプターイレブン)とは
日本の民事再生法に似た再建型の倒産法制度。経営を継続しながら負債の削減などを実施し、企業再建を行う。申請後に債権取り立てが停止され、債務者は負債の整理に取り組み、原則120日以内に再建プランを策定する。
▶️仮想通貨用語集
セルシウスは本業とは別に、子会社のセルシウス・マイニングを通じてビットコインを採掘している。この子会社は、企業間債権として、セルシウスから資金を借りており、5月31日現在で融資残高は5億7,600万ドルだった。
セルシウスは、このマイニング事業がローンを返済するのに十分な資産を生み出し、「将来的に収益をもたらす」とみなしている。現在、この事業は1日あたり14.2BTCを生産しているとされる。
今回の資料によると、セルシウス・マイニングは43,000台以上のマイニングマシンを運営しており、2023年第2四半期(4-6月)までには、112,000台にまでこの数を拡大させる予定だという。
「連邦破産法第11条に基づく計画」の内容についてはまず、セルシウスのユーザーが、資産を割引かれた価格で現金として回収するか、仮想通貨の形で長期的に保有するかを投票などで選べるようにすることが挙げられた。
さらに、「利害関係者へのリターン最大化」や「セルシウスの事業を再編成すること」も予定されている。
資産の状況
資料によると、セルシウスは2022年3月30日時点では、仮想通貨・ローン・CELトークン(セルシウスの独自トークン)、マイニング資産、現金などの形で、約3兆円(220億ドル)以上の資産を保有していた。
しかし、Terraエコシステム崩壊の仮想通貨市場への波及を経て、7月14日時点では、約40億ドルまで資産総額が縮小し、11億9,000万ドルの赤字を抱えることになった。
破産手続き上の法的問題としては、「ユーザーは仮想通貨の現物で資産を償還されるのか」「仮想通貨債券の額は、何日時点(破産申立日、発効日、分配日など)で決定されるのか」などが存在するという。
セルシウスは19日に、顧客がクレーム・エージェントであるStrettoに請求の通知を提出できることをSNSに投稿。また、次に裁判所に出廷する予定は8月10日だ。
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「仮想通貨」とは「暗号資産」のことを指します