ソニーミュージック、NFT関連の商標登録を申請 水面下で登録相次ぐWeb3関連のIP争奪戦
音楽関連のNFTサービス提供を示唆
株式会社ソニー・ミュージックエンタテインメントは8月30日、NFT(非代替性トークン)に関連する商標登録を米国特許商標庁(USPTO)に申請していたことがわかった。
商標ライセンスを専門とするマイケル・コンドゥディス弁護士が明らかにした。
申請ではライブパフォーマンスの音声や録画、画像やアートなどをNFT化して、その真偽性をNFTで証明するコンテンツに関する商標登録が求められた。
NFTとは
NFTとは、「Non-Fungible Token」の略称で、代替不可能で固有の価値を持つデジタルトークンのこと。ゲームや音楽、アート作品、各種証明書など幅広く技術が活用されている。
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Web3における商標登録の争奪戦
NFTやメタバースに関する市場の関心は一時期に比べると著しく低下している。
Googleトレンドの検索データによれば、「NFT」の検索ボリュームは22年1月のピーク時から8割以上も減少。「Metaverse」の検索ボリュームも昨秋のピーク時から7割以上も減少している。
ただ、大手企業からのメタバースやNFTなどを言及する商標登録は引き続き行われており、水面下で企業のIP争奪戦が続く。
コンドゥディス弁護士の統計では、2022年8月末時点では仮想通貨やDeFi(分散型金融)、そしてWeb3などのキーワードを含む商法登録が既に3,600件以上も提出されていると指摘。昨年の累計数3,516件を既に上回っており、4月以降は提出件数が低下している中でも一定の関心があることを示している。
最近では高級ブランドのエルメスがNFTや暗号資産(仮想通貨)を利用した商標登録を申請。バーチャルなマーケットプレイスの提供やバーチャル環境でのファッション・ショーの提供などを示唆した。
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また、22年4月には米国空軍もメタバース(仮想現実)を利用した訓練目的のXR(エクステンデッドリアリティ)環境構築も示唆。最近では米投資企業のBernstein社が仮想通貨相場の再燃につながる要因の一つとしてNFT市場における傾向の変化などを掲げている。
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「仮想通貨」とは「暗号資産」のことを指します