SBI Digital Markets、シンガポール当局からライセンス取得
機関向けデジタル資産サービスを提供へ
SBIグループ傘下のSBI Digital Marketsは15日、シンガポール通貨庁から資本市場サービスライセンスを取得したと発表した。
コーポレートファイナンスに関する助言、資本市場商品の取引、カストディサービスの提供など、規制対象となる業務を行う予定だ。独自のデジタル資産証券プラットフォームを立ち上げることも計画している。
SBI Digital Marketsは、SBIホールディングスと、そのデジタル資産部門SBIデジタルアセットホールディングスの出資により設立した、シンガポールを拠点とする子会社だ。
2020年に、金融機関向けデジタル資産事業をリードする企業となることを目指して立ち上げられた。デジタル資産発行、企業顧問、資本市場商品の取り扱い、カストディなどを含む機関向けサービスを提供する。
SBI Digital Marketsのウィンストン・クエックCEOは、次のように説明している。
今回のライセンス取得とSBIグループの支援により、当社はデジタル資産証券の発行プラットフォームとして一番の選択肢になるというメッセージを、地域の金融機関に発信する。
シンガポールの金融規制システムはその厳格さと透明性により世界でも高く評価されている。シンガポール当局から与えられた認可は、当社が高い基準で事業を運営していることを示すものだ。
また、SBIデジタルアセットホールディングスのフェルナンド・ルイス・バスケス・カオCEOは次のようにコメントした。
SBI Digital Marketsは、デジタル技術により資本市場と銀行のバリューチェーンを再構築・変革するというSBIデジタルアセットホールディングスの中核的なミッションについて、大きな役割を果たすことになる。
シンガポール通貨庁(MAS)とは
英語で Monetary Authority of Singapore。シンガポールの通貨当局であり中央銀行である。主に金融セクターの管理や通貨制度の維持を役割としている。
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MASのトークン化プロジェクト
SBIデジタルアセットホールディングスは2日、シンガポール通貨庁(MAS)が主催する、資産トークン化の経済的可能性と、その採用事例を探る「プロジェクト・ガーディアン」に参加すると発表していたところだ。
まず、スマートコントラクトの実行により、パブリックブロックチェーンベースのネットワーク上で担保付き借入と貸付を行うとしている。
MASは、トークン化について、「高価値の金融資産や実物資産の価値を分割し、インターネット上で交換できるようにする」と説明。「金融サービスの効率性、アクセス可能性」を高めて、流動性を向上させる可能性があるものだと続けている。
プロジェクト・ガーディアンには、JPモルガンや東南アジア最大手銀DBSなども参加している。主に以下の4つの領域を探るものだ。
- 様々なシステム間で相互運用可能なネットワークを構築するためパブリックブロックチェーンの利用を検討
- DeFi(分散型金融)プロトコルへの参加を希望する事業体の信頼性を査定する機関を設け、信頼できるDeFi環境を構築
- 証券や預金のトークン化
- DeFiプロトコルに規制上のセーフガードとコントロールを導入することを検討。コードの脆弱性を検出するためのスマートコントラクト監査機能の利用も検討。
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