金融大手CitiのVC、仮想通貨プラットフォームxaltsに出資
xalts、8億円超を調達
機関投資家向けの暗号資産(仮想通貨)投資管理・技術会社xaltsは6日、米大手ベンチャーキャピタル(VC)アクセル、金融大手シティのVCであるCiti Venturesなどから、約8.7億円(600万ドル)を調達調達したと発表した。
xaltsは、HSBCでポートフォリオマネージャーを務めていたAshutosh Goel氏と、メタ社アジア部門でコンシューマサービス責任者を務めた経歴があるSupreet Kaur氏が2022年初めに設立した新興企業だ。
今回の資金調達には、アクセルとCiti Venturesの他にも、ポリゴン(MATIC)共同創業者のSandeep Nailwal氏なども出資した。
xaltsは今後、上場投資信託やETFなど、デジタル資産に関連した複数のファンド商品を発売する予定だ。また、他の資産運用会社などとも提携し、共同でミューチュアルファンドやETFを立ち上げ、運用していくとしている。
仮想通貨エコシステムの他のプレーヤーと共同で、機関投資家が仮想通貨オプションを組み込んだ仕組債を発行できるようにするプラットフォームも開発しているところだ。
xaltsのGoel最高投資責任者は、今年5月以降の仮想通貨業界における債務不履行連鎖を示唆しながら、次のように説明した。
この夏、いくつかの大規模な仮想通貨企業で、従来型の金融業界では当然の基本的な管理やチェック、調整が欠如していたことが明らかになった。
xaltsでは、機関投資家が重視する高いコンプライアンスと管理基準に焦点を当てた、革新的な投資商品とソリューションを構築していく。
「デジタル資産の次の成長は、機関投資家の参加によってもたらされる」「現在、銀行や資産運用会社の仮想通貨分野参入の動きが始まっているところだ」とも続けている。
xaltsのKaur最高執行責任者によると、同社は2022年末までに、香港、シンガポール、ドバイ、ジュネーブにオフィスを構える予定だ。
Citi VenturesのLuis Valdich運営責任者は、xaltsへの出資は「デジタル資産運用会社に対する当社初の投資だ」とコメント。「機関投資家の間で、効率的で堅牢な仮想通貨アクセスに対する需要が高まっており、それに応えるxaltsのビジョンを支持する」と続けた。
金融大手も仮想通貨参入
Goel氏が指摘するように、従来型金融業界の仮想通貨参入の動きが続いている。一例としてウォール街大手金融のCitadel SecuritiesやFidelity、Schwabなどは9月に、共同で仮想通貨取引所「EDXM」をローンチすると発表したところだ。
機関投資家と個人投資家向けに、有価証券取引のような低コスト取引を提供する予定である。取り扱い銘柄については、有価証券とはみなされない可能性が高いビットコイン(BTC)など「一握り」の銘柄のみと説明していた。
シティグループは、以前より仮想通貨に前向きな姿勢を示してきた。同社のJane Fraser CEOは2021年10月に「デジタル資産が、金融サービス・市場の一部を構成していくことになるのは明らかだ」「即時決済は近い将来に広まるが、仮想通貨もその一つとして機能していく可能性がある」と発言。シティグループもデジタル資産インフラを構築していると明かした。
さらに同社は6月、スイスの仮想通貨カストディ企業MEACOと提携し、機関投資家向けデジタル資産カストディプラットフォームを開発すると発表している。
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「仮想通貨」とは「暗号資産」のことを指します