米著名VCのa16z、メイカー(MKR)のDAO分割計画に反対
MakerのEndgamePlan
DeFi(分散型金融)大手Makerプロトコルを管理する「MakerDAO」について、サブDAOに分割する「EndgamePlan」が物議を醸している。
米著名VCのアンドリーセン・ホロウィッツ(a16z)は19日の投稿で、Maker創業者のRune Christensen氏が5月に公開した「Endgame Plan」の内容に反対する姿勢を示した。
Makerプロトコルは、ステーブルコイン「DAI(ダイ)」の発行・管理、レンディングプラットフォーム。MakerDAOはプロトコルの運用方針について、ガバナンストークン(MKR)の投票を通して管理するDAO(分散型自律組織)だ。
Makerが発行する「ダイ(DAI)」は仮想通貨担保型のステーブルコイン。米ドルの価値と連動しており、1DAI≒1ドルを維持するよう設計される。執筆時点でDAIの時価総額は63 億ドル(約9,400億円)で、これはステーブルコインとして4位の規模だ。
Endgame Planは、Makerプロトコルの管理体制を単一DAOから「MetaDAO」と呼ばれる個別ユニットに分割するもの。Makerとして政府からの検閲耐性と個別プロジェクトの推進力を強化するねらいがある。
具体的には、RWA(現実世界資産)の統合や、合成ETH運用など、個別プロジェクトを管理するDAOが独自トークンを発行する。戦略には、USDCのようなブラックリストや差し押さえの可能性がある中央集権的な資産をDAI準備金から取り除く内容も含まれた。
これに対し、「不必要に複雑で、多くの問題に対して過度に最適化されすぎ」、「MKR保有者にメリットがない」、「人件費にコストをかけすぎ」などの批判の声も挙がっていた。
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A16zの主張
a16zは19日の投稿で、Makerの従来のコアユニットが既に法的に分散化されていると指摘。MetaDAOを導入しても「状況は変わらない、法的観点から組織のレジリエンス向上に役立たない」と指摘した。
一方で、「提案された変更が実際にどのように機能するかしないかの指標を得るために、より小規模で自己完結型の実験」を行うよう提案。まずは1つのMetaDAOでテストして、組織変更案を再考するよう呼びかけた。
a16zは投資家として大量のMKRトークンを所有しており、コミュニティ投票に相応の影響力を有している。
22年10月現在、MakerDAOはEndgame Planに沿って、DAO全体のコアユニットを解体し、業務とリソースを再編成しようとしている。既存のユニットを解体するMKR投票が複数進められ、その多くは9割以上の賛成票を集めている。
MakerDAOでは10月7日、合計725億円(5億DAI)を米国債などに投資する計画が始動していた。DAI準備金の約5割(5,800億円)を占めるステーブルコイン「USCCoin(USDC)」の一部をDAIに替え、DAIの運用から低リスクの利回りを得る狙いがある。
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