仮想通貨プラットフォームFreeway、出金機能の停止でトークン急落
Freeway、突然のサービス停止
暗号資産(仮想通貨)投資プラットフォームFreewayは23日、突然利回りサービスとユーザーの出金を停止。同プラットフォームの独自トークンFWT価格の暴落を引き起こした。
Freewayの公式アカウントは、サービス停止の背景として「最近、外国為替(FX)と仮想通貨の市場にかつてない変動があった」ことを挙げている。サービスの収益性を確保するために、ポートフォリオ戦略を変更すると説明した。「かつてない変動」がどの出来事を指すのか、具体的には言及していない。
新たな戦略が展開されるまではサービスを停止し、再開できるようになり次第知らせるとしている。しかし同時に、「プロセスを完了させるまでは、これ以上コメントを出すことはできない」とも述べた。
FWTトークンは過去24時間で80%以上下落しており、執筆時点では約0.2円(約0.0014ドル)で取引されている。
FreewayのTelegramチャンネルでは、一部のユーザーが「Freewayのサービスを清算して資金を取り戻すことができない」などと訴えている。一部では詐欺プロジェクトだったのではないかとの意見も上がっている。
ブロックチェーン業界では、22月5月のテラ騒動が発生した直後にFreewayと類似したサービスを提供していた多数の仮想通貨プラットフォームが債務不履行に陥った事例が印象に強く残る。これらのプラットフォームも前兆として出金機能を停止していた点が特徴だった。
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Freewayの弁明
Freewayは公式サイトにて以下のような声明を発表している。
Freewayは、エコシステムの長期的な持続可能性と収益性を確保するために、資産ベースを多様化して市場変動に対するエクスポージャーを管理していくことを決めた。
これにより、Freewayは最高レベルのスーパーチャージャー・シミュレーションの報酬を維持することができる。
「スーパーチャージャー」とは、Freewayが提供していた高利回りサービス。仮想通貨や法定通貨建てで「スーパーチャージャー・シミュレーション」という商品を購入し、ステーキングを行うことで、年間最大43%の報酬を得られると宣伝していた。
サービスの概要にはビットコイン(BTC)、イーサリアム(ETH)、米ドル、ユーロ、英国ポンド、カナダドル、オーストラリアドル建ての場合は最大43%、バイナンスコイン(BNB)、カルダノ(ADA)、ポルカドット(DOT)、金(ゴールド)建ての場合は最大21.5%の報酬を付与すると説明していた。
ラグプル疑惑も浮上
一部のユーザーはFreewayがネズミ講の一種だったのではないかと疑念を示しているところだ。
仮想通貨と金融分野のリサーチャーFatMan氏は、24日にFreewayがプラットフォームからのユーザー資金引き出しをすべて停止し、ウェブサイトからチームメンバーの名前を削除したことを指摘。ポンジスキームを用いた詐欺だったと推測した。
一方で、これに反論するユーザーも存在。「Freewayと半年以上関わったが、非常に透明でオープンな会社だと思う」と述べ、リスクの高い会社だったかもしれないが、意図的なポンジスキームではなかったと意見している。
コインポストの提携メディアThe BlockがFreewayのグラハム・ドガート共同CEOにコメントを求めたが、現在のところ返答は得られていない。
なお、類義語では「ラグプル」というフレーズも存在する。
ラグプルとは
英語で「Rug Pull」と表記される出口詐欺のこと。開発者が初期投資家を誘い込んでNFTを売りつけた後、プロジェクトを放棄したり、NFT販売で得た資金を持ち逃げする行為。
DeFi(分散型金融)プロジェクトの開発者や運営側が、密かに仮想通貨のプールから流動性を引き抜いて持ち逃げするなどの事例がある。
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