はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習 WebX
CoinPostで今最も読まれています

アルゴランド財団、出金停止中のHodlnautに50億円相当のエクスポージャー

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

3,500万ドル相当のUSDCがアクセス不能

暗号資産(仮想通貨)アルゴランド(ALGO)を管理するアルゴランド財団は9日、シンガポールを拠点とし、現在暫定司法管理下に置かれている仮想通貨融資会社Hodlnautに対して、USDCで約50億円(3,500万ドル)のエクスポージャーがあると発表した。

エクスポージャー(exposure)とは

投資家や機関の保有する金融資産のうち、価格変動リスクやカウンターパーティリスク等に直接さらされている金額や残高、比率のこと。

▶️仮想通貨用語集

同財団によると、この資金は余剰資金であり、財団の保有資産の3%に満たないため、運用や流動性の面で影響はないと見ている。また、財団は余剰資金の一部を利回り向上のため、適宜投資していることも明らかにした。

Hodlnautは先月8日、流動性の問題から顧客の資金引き出しを停止。この措置でロックされていたアルゴランドの資金も影響を受け、アクセスができなくなった。財団は資産回収のため、あらゆる法的救済手段を追求、継続すると述べた。

民事再生プログラムを活用

シンガポールでは、財政的な問題を抱えた企業の自主的な再生を可能にする債権者保護プログラムが用意されている。Hodlnautは顧客資金の引き出し凍結後、シンガポール高等裁判所に債権者保護を申請。8月29日に同社を暫定的な司法管理下に置く判断が下された。

暫定資産管理人には、アルゴランドが指名した「EY Corporate Advisors 」社のAngela Ee、Aaron Lohの両氏が任命され、司法管理期間の間、Hodlnautの資産を特定し、保護しつつ、負債と資産を整理することになる。

UST騒動の影響

Hodlnautが苦境に陥ったのは、5月にディペッグ騒動を起こしたステーブルコインTerraUSD(UST)騒動が原因だ。

USTは、テラブロックチェーン上で発行される無担保(アルゴリズム)型ステーブルコイン。アルゴリズムをベースにUSTの価格に基づいて、LUNAトークンを発行したりバーンすることで供給量を調整し、米ドル価値とのペッグ(連動)を維持していた。

USTでディペッグが発生すると、UST発行のメカニズムを支えるLUNAトークンが大量に発行され、LUNA価格が下落。ディペッグが解消されず、USTとLUNAの負の連鎖が続いた結果、LUNAは数日間のうちに99.99%の価値を失った。

Hodlnautの宣誓供述書によると、同社はテラ・ネットワークのレンディング・プラットフォームAnchor Protocolに、452億円相当(3億1,700万ドル)のUSTを預け入れていた。急激に進行したUSTのディペッグにより、Hodlnautは約270億円(1億8,970万ドル)の損失を被ったと釈明していた。

Anchor Protocolとは

Terraチェーン上の貯蓄及び融資プロトコル。ステーブルコインUSTの預金に対して年利約20%の高利回りを安定的に提供する。持続可能性には疑問の声も上がっていた。

▶️仮想通貨用語集

その後、「パニックに陥った顧客」が資金を回収しようと、Hodlnautから約214億円(1億5,000万ドル)を引き出し、大量の資金が流出したのに加え、保有するビットコイン(BTC)やイーサリアム(ETH)の価格下落による資産縮小も影響した模様だ。

裁判所に提出された文書によると、Hodlnautは現在、保有資産約124億円(1億2,200万SGD)に対し、398億円(3億9,100SGD)の負債を抱えていると見られる。

関連:テラUSD(UST)のディペッグ騒動 Terraform Labs社や取引所の対応まとめ

CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
12/09 火曜日
17:40
リミックスポイント、エネルギー事業の中期経営計画を発表 3年で営業利益3.7倍目指す
リミックスポイントが2027-2029年度の中期経営計画を発表。エネルギー・蓄電事業で売上高692億円、営業利益91億円を目指す。日本蓄電池と提携し系統用蓄電所7カ所を共同運営。同社は242億円超の仮想通貨も保有し、多角的な事業展開を推進。
15:52
補正予算の国会質疑で仮想通貨税制が議題に 国民民主党が質問、高市首相は「与党税調で検討中」と答弁
補正予算の国会質疑で暗号資産(仮想通貨)税制が議題に。国民民主党は雑所得として最高税率55%が適用される現行制度を見直し、分離課税化を要求。高市首相は税制改正大綱に基づき与党税調で検討を進めていると答弁した。
13:35
米XRP現物ETF、全期間で純流入を記録 約1459億円に到達
米XRP現物ETFが上場以来全期間で純流入を記録し、約1,459億円に到達。仮想通貨ETF史上2番目の速さで8億ドルを突破し、機関投資家の継続的な買いが続いている
13:20
カナダ税務当局、仮想通貨利用者の4割が未申告と推定
カナダ歳入庁が過去3年間で仮想通貨関連監査により1億カナダドル以上を徴収したが、2020年以降刑事告発は行われていない。同庁は仮想通貨プラットフォーム利用者の40%が未申告または高リスクだと推定している。
12:50
『ガス先物市場』、ヴィタリックがイーサリアム手数料を安定させるアイデアを披露
仮想通貨イーサリアムの共同創設者ヴィタリック・ブテリン氏がガス代先物市場を提案した。将来の手数料をヘッジ可能にする構想であり、コミュニティ内で議論が活発化している。
11:45
米大手銀行CEO、上院議員と仮想通貨市場構造法案を協議予定 ステーブルコインの利息付与に反対表明へ=報道
バンク・オブ・アメリカ、シティグループ、ウェルズ・ファーゴのCEOが9日、上院議員と会談し仮想通貨市場法案を協議する。銀行側はステーブルコインへの利息付与に反対し、仮想通貨分野での競争能力確保を求める姿勢だ。
11:23
テザーのUSDT、アブダビで「法定通貨参照トークン」認定範囲が拡大 9チェーン追加
テザーのUSDT、アブダビで法定通貨参照トークンの認定範囲を拡大。新たに9つのブロックチェーンで規制業務が可能に。USDC、USD1、RLUSDも承認済み。UAEがステーブルコイン規制拠点として台頭。
10:22
マイケル・セイラー氏、国家主導のビットコイン銀行システムを提案
ストラテジー社のマイケル・セイラー会長がアブダビで、ビットコイン担保型の高利回りデジタル銀行システムを各国政府に提案。20兆〜50兆ドルの資本流入を見込むが、価格変動性への懸念も。中東の全政府系ファンドと会談を実施。
10:00
ハイパーリキッド・ストラテジーズ、最大約47億円規模の自社株買い実施へ
仮想通貨ハイパーリキッドの財務企業ハイパーリキッド・ストラテジーズは、最大約47億円規模の自社株買いを実施すると発表。延期や中止の可能性もあるが最大で12カ月間実施する計画である。
09:40
アルゼンチン中銀、民間銀行による仮想通貨取引の解禁を検討か=報道
ビットコイン支持のミレイ政権下で、アルゼンチン中央銀行が民間銀行による仮想通貨取引サービスの許可を検討中だと伝えられる。実現すれば普及が促進される可能性もある。
09:35
UAE初、イスラム系銀行ルヤがビットコイン投資サービスを開始
UAE拠点のイスラム銀行ルヤが8日、仮想通貨インフラプロバイダーのフューズと提携し、モバイルアプリを通じてビットコイン投資サービスを開始した。イスラム系銀行として初めて顧客にBTCの売買を可能にする。
08:15
PLUMEとJUPITERがコインベースに新規上場、機関投資家向けアクセスも提供
米コインベースが12月9日にプルームとジュピターの現物取引を開始する。RWAトークン化のプルームとソラナ系DEXアグリゲーターのジュピターが新規上場し、機関投資家向けアクセスも利用可能になる。
07:55
SECがOndoへの捜査を訴追なしで終了、トークン化証券のハードルをクリア
トークン化プラットフォームのオンド・ファイナンスが、バイデン政権下で開始されたSECの捜査が訴追なしで終了したと発表した。トークン化証券が米国資本市場の中核となる時期が到来したと同社は期待。
07:15
仮想通貨投資商品、先週は1110億円超の資金が純流入
仮想通貨投資企業CoinSharesは、デジタル資産投資商品全体の先週の資金フローは約1,116億円の純流入だったと報告。ビットコイン、XRP、チェーンリンクの投資商品の需要が高かった。
07:02
ビットコイン担保をデリバティブ市場で使用、米CFTCがトークン化パイロットプログラムを開始
米CFTCがビットコイン、イーサリアム、USDCなどのデジタル資産をデリバティブ市場で担保として使用するパイロットプログラムを開始した。トークン化担保に関する新たなガイダンスも発行している。
通貨データ
グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧