​コンテンツ業界団体、自民党Web3チームに「日本発NFTのグルーバル拡大に向けた環境整備案」を発表

NFTに関する取り組みを報告

一般社団法人ジャパン・コンテンツ・ブロックチェーン・イニシアティブ(JCBI)は27日、自民党のWeb3プロジェクトチームに対して、NFTに関する取り組みについての発表を行った。

JCBIは、ブロックチェーン技術を活用した共同運営型のプラットフォームにより、日本のメディア・コンテンツ業界のデジタルトランスフォーメーションを促進するための企業連合。

2020年2月に7社共同で任意団体として発足以降、様々な業界の企業が参加しており、22年6月にはソフトバンクや博報堂プロダクツなどが新たに加入、現時点での参画企業は合計50社となっている。

今回の発表は、JCBIの著作権流通部会が担当し、「日本のコンテンツNFTの安心・安全なグローバル流通拡大に向けた環境整備の取り組み」を説明。

取り組みの要点(現在の課題)として挙げられたのは、以下の3点。また、それぞれの取り組みの基盤となっているパブリックブロックチェーン「Sanpō-Blockchain」の解説も資料を通して行われた。

  • 非正規NFTによる消費者被害
  • 無許諾NFTによる権利者被害
  • サービス間の相互運用性の不足

「Sanpō-Blockchain」について

「Sanpō-Blockchain」は、暗号資産(仮想通貨)イーサリアム(ETH)からハードフォーク(分岐)した、日本発のLayer1のグローバル・パブリックブロックチェーン。JCBIが、パートナーとして同コミュニティを支援している。

同チェーンは、一般的なNFTのデータ仕様(ERC721)とは異なり、コンテンツにまつわる権利情報の記録領域をトークン上に追加できるリファレンス実装を提供しており、権利者が安全に利用可能。

NFTの発行や移転には、ガス代(手数料)が必要ないのも特徴だ。関連するソフトウェアを開発するオープンソースコミュニティ「Sanpō」も活動している。

出典:JCBI

ウォレットとコントラクトの法人KYC認定を実施

JCBIは、NFTを購入する際、利用者の多くが製品が本物ではない可能性があることに不安を感じていると指摘。

三菱UFJリサーチ&コンサルティングの調査を引用し、同調査の回答者の57.8%が非正規NFTに関する懸念を有していると説明した。

同部会は、対策として、NFTを発行する「ウォレット」とコントラクトを管理する「法人」を認定し、JCBI公式HPで公開するという試みを行っている。

関連:JCBI、自民党にNFTビジネス報告書を提出

NFTとは

NFTとは、「Non-Fungible Token」の略称で、代替不可能で固有の価値を持つデジタルトークンのこと。ゲームや音楽、アート作品、各種証明書など幅広く技術が活用されている。

▶️仮想通貨用語集

手続きは、まず法人がKYC(本人確認)書類を提出し、そのウォレットアドレスの電子認証が行われる。その後、コントラクトアドレスのブロックチェーンデータが検証され「Sanpō-Blockchain」記録される形だ。

将来的には、国内外のNFTマーケットプレイスと、認定パートナーとして提携し、NFT販売ページ上に認定マークを表示することも構想中。認定パートナーは、情報が記録されたSanpō-Blockchainにアクセスして、認定有無を確認でき、消費者もNFTの発行元を購入前に確保できる。

侵害対策ソリューションを提供へ

無許諾NFTに関する対策については、「Sanpō-Blockchain」に証拠データを記録できるシステム「C-Guardian(シー・ガーディアン)version2.0」の準備が進行中。

JCBI加盟企業3社(博報堂、原本、ケンタウロスワークス)が開発を進めており、11月にローンチされる予定だ。

出典:JCBI

「C-Guardian」は今後、NFT購入者や発行アーティストのファンが利用することも想定されており、無許諾のNFTを発見した場合に、同プラットフォームを使って証拠保全する、といった使い方が計画されている。

証拠保全を行った人に対してはインセンティブトークンが発行され、クリエイターや権利者の限定コンテンツを付与されるという。

関連:日本政府、Web3の環境整備を本格化 骨太方針を閣議決定 

オープンソースソフトウェアを無償配布

またJCBIは、多くの事業者が短期的なマーケティングを優先した結果、NFTの長期的な価値創造に必要な相互運用性(インターオペラビリティ)を考慮したサービス設計が不足していると、資料で述べた。

この対策のため「Sanpō-Blockchain」のコミュニティが22年9月、NFT向けのデジタルウォレットのソースコードをGithubに公開して無償配布したことをJCBIは紹介。

当該ウォレットを導入した企業のサービスでは、認定企業が発行したNFTを保有する(他社)ユーザーが、企業サービスでNFTを使用可能にする仕組みだ。

スマートフォン向けの展開も予定されており、、チェーン上のウォレット&コントラクト認定企業のNFTを保有、閲覧、移転できるウォレットが、2023年1月より、AppStoreとGooglePlayで無料配信される見通しとなっている。

出典:JCBI

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