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JCBI、自民党にNFTビジネス報告書を提出

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

NFTに関する企業意見を取りまとめ

一般社団法人ジャパン・コンテンツ・ブロックチェーン・イニシアティブ(JCBI)は3日、自民党のWeb3プロジェクトチームに、NFT(非代替性トークン)ビジネスの課題整理をテーマにした報告書を提出した。

JCBIは、ブロックチェーン技術を活用した共同運営型のプラットフォームにより、日本のメディア・コンテンツ業界のデジタルトランスフォーメーションを促進するための企業連合。

2020年2月に7社共同で任意団体として発足以降、様々な業界の企業が参加しており、22年6月にはソフトバンクや博報堂プロダクツなどが新たに加入し、参画企業は合計40社となった。

報告書は、「コンテンツ関連企業へのヒアリングを通じたNFTビジネスの課題整理」という名称で、JCBIの著作権流通部会が制作。

自民党が22年春に公開した、「NFTホワイトペーパー」と「デジタル・ニッポン 2022」という提言に対応する内容となっており、JCBIが加盟する21社のコンテンツ関連企業に、提言の各項目についてヒアリング。NFTに関する取組みに関する実態調査を行い作成された。

「NFTビジネスの発展に必要な施策」「コンテンツホルダーの権利保護に必要な施策」「消費者保護に必要な施策」という3つのテーマで構成されており、主に次の5つを、取り組むべき内容として指摘している。

  • 事業を阻害しない形での規制の運用(官による取組みを期待する課題)
  • 国際的イコール・フッティング(※)の確保(官による取組みを期待する課題)
  • プラットフォーム横断的な共通の取引環境の形成(民間の課題)
  • 啓蒙の必要性(官民協働で取組むべき課題)
  • 無断NFTへの対応(官民協働で取組むべき課題)

イコール・フッティングはサービスを販売する上で、双方が対等に競争ができるよう、条件を同一にすることを意味する。

NFTとは

NFTとは、「Non-Fungible Token」の略称で、代替不可能で固有の価値を持つデジタルトークンのこと。ゲームや音楽、アート作品、各種証明書など幅広く技術が活用されている。

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関連:NFT(非代替性トークン)とは|主な特徴と将来性を解説

ランダム型販売の賭博罪該当可能性などを問題視

また、国内でNFTを展開するにあたって、問題や障壁となる部分についても報告書は言及。

項目は全17項目で、特に注目されている題目は以下の4点。自民党側の提言と、JCBI加盟企業の「声」が併記される形となっている。

  • ランダム型NFT販売の賭博罪該当可能性
  • 多数発行NFTの2号暗号資産該当可能性
  • 仮想通貨の期末時価評価による法人課税、仮想通貨取引に係る個人所得課税
  • トークン発行に係る審査基準

関連:日本政府、仮想通貨の法人税のルールを見直す方針

出典:JCBI

ランダム型NFTの販売について、自民党側は、関係省庁から事前に見解を求められる仕組みを整備と提言。企業側は、事例による明示や、具体例を国から民間に提示してほしいといった要望を述べている。

多数発行のNFTについては、例示やセーフハーバーを設けるなどして、金融庁において、解釈指針を示すべきと自民党は提言しており、企業側は「不明確性が参入や事業展開の障壁となっている」と主張した。

出典:JCBI

NFTの法人課税や個人所得課税に関しては、自民党は個人の暗号資産取引の損益も、上場株式等の取引と同様に、20%の税率による申告分離課税の対象とすることも含め検討を行うべきと説明。

また発行した法人が自ら保有するトークンは、期末時価評価の対象から除外し、実際に収益が発生した時点で課税するよう税制改正や取り扱いの見直しを行うべきとした。

それに対して企業は、「法人税・所得税のいずれも、諸外国の制度と異なる場合には、海外での事業展開の障害となる」などと、見解を明らかにしている。

トークン発行の基準について、自民党は利用者保護に配慮しつつ、必要に応じた審査基準の緩和を行うべきと提案。JCBIの加盟企業は、「日本ではトークン上場に係る審査が厳格であり、海外との事業環境の差を感じている」といった意見を述べた。

関連:「NFTを国の成長戦略に」自民党デジタル社会推進本部・平将明議員インタビュー

課税方針の見直しが固まる

「NFTホワイトペーパー」は、自民党の「NFT政策検討プロジェクトチーム」が作成した提言で、Web3(分散型ウェブ)を「デジタル経済圏の新たなフロンティア」と定義。NFTがその起爆剤であるという内容をまとめた報告書だ。

「デジタル・ニッポン 2022」はデジタル社会推進本部がまとめた報告で、岸田内閣が目指す「新しい資本主義」や、WEB3やNFT、スタートアップ企業支援等の施策の提言が盛り込まれている。

日本政府は6月、Web3の環境整備を本格化する骨太方針を閣議決定し、「NFTやDAO(自律分散型組織)の利用等のWeb3の推進に向けた環境整備の検討を進める」方針を明言。また22年8月には、金融庁と経済産業省が、企業が自社で発行・保有する仮想通貨に対する課税方法を見直す方針を固めた。

ホワイトペーパーや「デジタル・ニッポン 2022」も、これらの決定に一定の影響を及ぼしたと思われる。

関連:日本政府、Web3の環境整備を本格化 骨太方針を閣議決定 

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