イーサリアムのステーキング引き出し機能、devnetで試運転
メインネット実装の準備か
仮想通貨イーサリアム(ETH)の開発者は、PoSネットワークのステーキングに関するETHの引き出し機能を試運転できるdevnet(開発者用ネットワーク)をリリースした。来年Shanghaiアップグレードの前準備とみられる。
現在のイーサリアムネットワーク(PoS)では、ETHをネットワークに預けてステーキングすることはできるが、それを引き出すことはまだ不可能。devnetをリリースした開発者Marius Van Der Wijden氏はThe Blockの取材で、「ETHの引き出しを可能にした最初のdevnetであり、大きな前進となる」と述べた。
なお、今回のdevnetは引き出しに特化したもので、他のShanghaiの機能は含まれていないという。
来年実装予定のShanghai(上海)アップグレードは、マージ後のETH出金機能(EIP-4895)やEVM object formatの導入(EIP-3540)などが実装候補になっている。先月、Shanghaiのテストネット「Shandong (山東省)」が立ち上げられた。
引き出しと集権化懸念
ETHの引き出しの重要性についてはETHステーキングサービスの集権化が懸念されていることに関連。現在多くのユーザーはLidoやコインベース、クラーケンなどを利用しているが、引き出しが可能になればユーザーはより自由に他のバリデータを選んだりできるようになる。
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デフレ状態
さらに、ETHの新規発行について、9月のマージ以降は11月9日から「デフレ(1日あたりのETH供給量の純減)」になっている。
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