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イーサリアム、マージ後ブロックの約2割が米国制裁を遵守 トルネードキャッシュ経由の取引を調査

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

イーサリアムを調査

暗号資産(仮想通貨)イーサリアム(ETH)のリサーチャーToni Wahrstätter氏は28日、米国財務省外国資産管理局(OFAC)が制裁対象にしたミキシングサービス「トルネードキャッシュ」のトランザクションを調査した結果を公開した。

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Wahrstätter氏は、Flashbotsのツール「MEV-Boost Relay」で生成されたブロックには、トルネードキャッシュを経由したトランザクションが1つも含まれないと指摘。Flashbotsはイーサリアムにおける全ブロックの23%を生成していると見積もられており、このことは「イーサリアムブロックの最低23%は米国の制裁に従っている」ことを示していると述べた。

Flashbotsとは

イーサリアムのようなブロックチェーンにおいて、より公正で透明性のある報酬の実現を目指す研究開発組織。MEV(Maximal Extractable ValueまたはMiner Extractable Value=ブロック生成で抽出可能な価値)収益へのアクセスの民主化、MEV活動の透明性の向上、MEV収益の再分配の3つを目標に掲げている。

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以下のツイートの画像が、Wahrstätter氏が公開した調査結果だ。棒グラフの青い線がMEV-Boost Relayの各ツールが生成した全ブロック数で、オレンジの線がトルネードキャッシュを使用したトランザクションの数を示す。

CoinPost提携メディアThe BlockのリサーチャーであるSteven Zheng氏は、このデータはMEV-Boost Relayを利用しているバリデータだけでなく、米国の制裁に対応していないバリデータがいることも提示していると指摘。Wahrstätter氏のグラフは、Flashbotsのツールは米制裁に準拠しているが、他のツールは対応していないことを示している。

検閲耐性への懸念

「MEV-Boost Relay」というツールは、「The Merge(マージ)」のアップグレードでコンセンサスアルゴリズムをプルーフ・オブ・ステーク(PoS)に移行したイーサリアムのバリデータが、MEVを得るために活用。イーサリアムについてはマージ後、検閲耐性に懸念の声が上がっている。

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この懸念の声を受けて、ブロックチェーンプロダクトを開発する豪企業Labrysは、「MEV Watch」というツールをローンチ。マージ後のイーサリアムでは25%超のブロックが、MEV-Boost Relayを利用して生成されているとした。

以下はMEV Watchが提供する全ブロックを含むグラフ。左の茶色い箇所はOFACの制裁に準拠したブロック数を表す。

執筆時点では約25%が制裁を遵守しており、Wahrstätter氏の調査結果とほぼ一致している。制裁を遵守していないブロックは約4%、MEV-Boost Relayを利用していないブロックが占める割合は71%という結果だ。

出典:MEV Watch

なお、Labrysは、MEV-Boost Relayで作成されるブロックのうち、82.5%が制裁に準拠したFlashbotsのツールで作られていると説明した。

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