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米財務省、仮想通貨ミキシング「Tornado Cash」を制裁対象に指定

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

トルネードキャッシュを制裁対象に指定

米国財務省外国資産管理局(OFAC)は8日、暗号資産(仮想通貨)ミキシングサービスTornado Cash(トルネードキャッシュ)を制裁対象者リスト(SDN)に指定した。

トルネードキャッシュの他、同サービスに関連する38のイーサリアム(ETH)アドレスと6つのUSDコイン(USDC)アドレスも制裁リストに加えた。

これにより、米国内にある、または米国人が所有・管理しているトルネードキャッシュ上の資産は凍結され、OFACに報告されることになる。さらに、こうして資産凍結された者が50%以上を所有している事業体も制裁対象になる。

指定された人物の財産と関わるすべての取引は、OFACが許可しない限り禁止される。

トルネードキャッシュは、イーサリアムチェーン上で動作し、取引を匿名化するミキシングサービス。過去には頻繁に、仮想通貨流出事件などが発生した後、犯人アドレスに利用され、犯罪捜査の追跡が困難となる事例が多数発生してきた。

ミキシングサービスとは

仮想通貨の取引データを複数混ぜ合わせることによって、その仮想通貨の出所や保有者のアイデンティティを隠すサービス。

▶️仮想通貨用語集

北朝鮮のハッキンググループも使用

米財務省は、北朝鮮の国家を支援するハッキンググループ「ラザルス」もトルネードキャッシュを犯罪資金の洗浄に使用していると述べた。最近の事例としては、6月のHarmonyブリッジから流出した約130億円(9,600万ドル)以上、8月にNomadブリッジから流出した資金のうち少なくとも約10億円(780万ドル)の資金洗浄にも使われたと指摘している。

ブライアン・ネルソン財務次官(テロリズムおよび金融インテリジェンス担当)は「トルネード・キャッシュは、サイバー犯罪者による資金洗浄を阻止するために必要な措置や、そうしたリスクに対処するための対策を行ってこなかった」と述べた。これからも犯罪利用されるミキシングサービスを取り締まっていくと続けている。

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米サークル社とGithubも対応

企業も今回の新たな制裁措置にへの対応を開始した。

ステーブルコインUSDCの発行元である米サークル社は、制裁リストにあるアドレスをブラックリスト化。少なくとも75,000 USDCの移動を停止した模様だ。アドレスの中にはトルネードキャッシュのUSDCプールも含まれており、トルネードキャッシュにUSDCを預けている者が資金を引き出せない可能性がある。

サークル社は「当社は規制対象企業であり、制裁コンプライアンス要件に準拠している」とコメントした。

Githubも、Roman Semenov氏やAlexey Pertsev氏などトルネードキャッシュ開発者のアカウントを相次いで削除。Semenov氏は「オープンソースのコードを書くことは、今や違法なのか?」と疑問を呈した。

「技術の禁止」につながるとの批判も

今回の制裁措置について、仮想通貨シンクタンクCoin Centerも異議を唱えた。

通常、OFACの制裁リストは国家的な脅威となる人物を特定するものだが、今回制裁対象となったトルネードキャッシュは「人間ではなくツール(道具)だ」と指摘。コインセンターは次のように述べた。

今回の措置は、他のテクノロジーと同様に、中立的な性格を持ち、良い使い方も悪い使い方もできる「ツール」に対する制裁であるように思われる。

すると、実際には特定の悪人ではなく、オンライン取引中に自分のプライバシーを守るツールを使いたいと思うすべてのアメリカ人が制裁の影響を被ってしまうことになる。彼らは、正当な手続きなしに自由を制限されているのだ。

「人物に対する制裁」ではなく「技術の禁止」という結果になってしまうと抗議。Coin Centerは、憲法上、問題のある措置ではないかどうかも確認していく方針だ。

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