CoinPostで今最も読まれています

チェーン間ブリッジ「Nomad」でハッキング、WBTCなど200億円相当を損失

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

Nomadから約200億円資産が流出

DeFiクロスチェーンブリッジ「Nomad」で2日未明、約200億円(1億5000万ドル)相当の資金が不正に流出したことが明らかになった。

主に、暗号資産(仮想通貨)ラップドビットコイン(WBTC)、イーサリアム(ETH)、ステーブルコインのUSDCoin(USDC)が影響を受けている。

Nomadは複数のブロックチェーン間で資産ブリッジ(移動)に使用されるアプリケーション。現在、イーサリアム(ETH)やムーンビーム(GLMR)、コスモスのEVM互換チェーン「Evmos」、アバランチ(AVAX)間でのブリッジをサポートしている。

データサイトDeFillama によると、2日6時頃(日本時間)にNomad に預けられた総資産価値(TVL)は1億6,500万ドルあったが、わずか数時間のうちに約24万円(1,800ドル)まで減少した。

ハッキング被害の主な原因は、Nomad開発チームによるヒューマンエラーであると指摘されている。大手VCのParadigmのセキュリティ専門家によると、Nomadのアップグレードの際に誤ってコードの「ルート証明書」が一般的な「0x00」へと変更された。

これにより、過去に成功したトランザクションの「calldata」をコピペして、「送信先アドレス」を変更するだけで、攻撃者が簡単に資金を引き出せる状況になっていた。

最初の攻撃者がコードの脆弱性をついた後、瞬く間に数百アカウントが集まり、取引をコピペして雪だるま式に被害が拡大していったようだ。

Nomadは、ブリッジ時の不正を発見した場合に時系列を巻き戻す「Optimistic fraud-prevention」を採用するクロスチェーン通信プロトコル。過去にRoninやHorizonで起きたような、ネットワークバリデーター(検証者)のマルチシグが攻撃対象となり得る仕組みでは無い。

関連:アクシーインフィニティの「Roninブリッジ」再開へ

しかし、本件の攻撃はブリッジを経由することなく、イーサリアム単体のコントラクトが悪用された。そのため、異常時にシステムを緊急停止させるOptimistic検証の監視モデルが機能しなかったと、相互運用性プロトコルConnextのArjun Bhuptani CEOは指摘した。

こうした脆弱性は、監査報告書で直接指摘されていたことも明らかになっている。コードの脆弱性はそのままに、その使い方がGithub上で公開されていた格好だ(報告書は現在非公開とされている)。

本件についてNomadチームは公式ツイッターで「現在調査中」と述べている。一方でNomadになりすまし、詐欺を目的にユーザーに不正な送付先アドレスを提供するアカウントも出ているとして、公式コミュニケーションチャネル以外からの連絡を無視するよう呼びかけた。

Nomadは7月末にシードラウンドで約28億円(2200万ドル)を調達したことを発表したばかりだ。リード投資家はVCのPolychainが務め、NFT電子市場OpenSeaや仮想通貨投資機関Coinbase Ventures、Crypto.com Capital、Wintermute、分散型プロジェクトのGnosis、Polygonなどが参加した。

関連:Harmonyブリッジ資金流出、被害者への補償にONEトークンの発行を提案

CoinPost App DL
注目・速報 相場分析 動画解説 新着一覧
10/27 日曜日
13:00
今週の主要仮想通貨材料まとめ、アバランチのVisaカード発行やAI系ミームコインGOATの高騰など
仮想通貨市場の1週間の動きをまとめ、ビットコイン、イーサリアム、XRP、アバランチなど時価総額上位の仮想通貨の最新の材料を紹介。米国著名投資家の発言やマイクロソフトのビットコイン投資検討など、重要なトピックスも取り上げた。
11:30
心理的節目の上抜けに成功すれば、ショートカバー伴い最高値を試しにいく展開も視野|bitbankアナリスト寄稿
bitbankアナリストが1000万円台前半で底堅い推移となるビットコイン(BTC)相場を分析。今週の相場失速で失望するのは時期尚早だと言及し、今後の展望を解説した。
11:00
週刊仮想通貨ニュース|DOGE時価総額3兆円突破に高い関心
今週は、ドージコインの時価総額3兆円突破、米政府のウォレットから30億円相当の仮想通貨が不正流出した可能性、マイクロソフトのビットコインへの投資評価に関するニュースが最も関心を集めた。
10/26 土曜日
14:00
「ビットコイン現物ETF、個人投資家が需要の8割を占める」バイナンスが報告
バイナンスがビットコインの流通量4.5%を現物ETFが保有していると指摘。個人投資家主導の需要拡大と機関投資家の緩やかな参入を分析している。
11:55
リップル社、仮想通貨XRPめぐる対SEC控訴裁判で4つの論点を提出
リップル社がSECとの裁判で控訴審に向けた陳述書を提出。ハウィーテストの適用など4つの重要論点を提示している。
07:20
マイクロストラテジー、24年ぶりの高値 ビットコイン強制売却の可能性は「極めて低い」 BitMEXが分析
BitMEX Researchのアナリストは、マイクロストラテジーが現在の債務構造に基づいて保有しているビットコインを強制的に売却する可能性は「極めて低い」と主張した。
06:35
ハッカー、米政府の仮想通貨ウォレットに大部分の流出資金を返還
米政府の仮想通貨ウォレットから流出した約30億円相当の資金のほとんどが、24時間以内に返還されたことが観測された。
06:15
テザーCEO、米政府捜査の報道を否定
ステーブルコイン発行企業テザーのパオロ・アルドイーノCEOは26日、米国の連邦検察当局が同社を調査しているとのWSJ報道内容を否定した。
10/25 金曜日
18:05
AIエージェントと仮想通貨の融合 コインベースが描く未来像
米コインベース・ベンチャーズは、人工知能(AI)とブロックチェーン技術の新たな融合がデジタル経済を変革すると主張。Web3上で、自律型AIエージェントが人間と自由にやりとりする世界「エージェントWeb」が誕生する未来のビジョンを描いた。
13:28
国内における「暗号資産ETF」実現に向け、 ビットバンクが勉強会の総意として提言公表
暗号資産(仮想通貨)bitbankを運営するビットバンクは、証券会社や資産運用業者、信託銀行等と共同で行う「国内暗号資産ETF」勉強会への参加とともに、参加メンバー一同として日本における暗号資産ETFの実現に向けた提言を発表した。
11:40
個人マイナーが再びビットコインブロック採掘に成功、3200万円相当の報酬獲得
仮想通貨ビットコインのソロ個人マイナーが再び大きな報酬を獲得したことが判明した。9月に続く事例である。
10:45
1995年公開「攻殻機動隊」のNFT、アニモカブランズジャパンから発売へ
今回は第一弾で、1995年に公開された押井守監督作品『攻殻機動隊』をフィーチャーしている。このNFTコレクションでは、作中に登場するキャラクターのパーツを、Mocaverse、CoolCats、San FranTokyoのPFP専用Traitsとしてそれぞれ描き下ろした世界に1つだけの作品となっている。
09:35
米国ビットコイン現物ETF、約100万BTCの保有でサトシ・ナカモトに迫る
米国ビットコイン現物ETFの保有BTCが98.5万枚を突破。サトシ・ナカモトの推定110万枚に接近している。
07:50
マイクロソフト、12月株主総会で「ビットコインへの投資評価」を議決権行使項目に設定
米IT大手マイクロソフトは12月上旬に予定されている2024年の年次株主総会に向けて、「仮想通貨ビットコインへの投資の評価」を議決項目の1つとして設定した。マイクロストラテジーのようにビットコイン保有企業になるか。
07:20
取引所らの企業、日本の仮想通貨ETF誕生に向け提言作成
日本で仮想通貨ETFが承認されることを目指し、取引所や法律事務所らが税制改正などを含め提言を作成した。対象銘柄をビットコインとイーサリアムに絞ることも提案している。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
イベント情報
一覧
2024/12/01 09:30 ~ 20:00
東京 墨田区文花1丁目18−13
重要指標
一覧
新着指標
一覧