ギャラクシーデジタル、セルシウス傘下企業を買収

セルシウス傘下企業を買収

米大手暗号資産(仮想通貨)投資企業Galaxy Digital(ギャラクシーデジタル)は3日、カストディ企業GK8を買収すると発表した。

GK8のインフラは、ギャラクシーデジタルが機関投資家向けに今後提供する新サービスの土台となる見込みだ。

GK8は2021年11月、仮想通貨レンディング企業Celsius Network(セルシウス)により、約155億円(1億1,500万ドル)で取得されていた。

しかし、セルシウスは今年に仮想通貨市場で起きた債務不履行の連鎖の影響を受けて経営破綻。利回り口座、仮想通貨残高、決済機能、分散型金融部門など様々な事業を売却することになった。GK8もその一環としてオークションにかけられ、ギャラクシーデジタルが落札した形だ。

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具体的な落札価格は明かされていないものの、ギャラクシーデジタルの担当者は、買収額は、セルシウスがGK8を買収した時の価格より、相当程度低いものだったと説明。買収プロセスは、2023年初頭までに完了する見込みだ。

機関投資家向け新サービスで活用

GK8は仮想通貨を安全に保管し、インターネットに接続せずにブロックチェーン取引を実行する技術で特許を取得している。

ギャラクシーデジタルは、GK8による企業へのサービス継続をサポートすると同時に、新たな機関投資家向け商品「GalaxyOne」でも活用していく。「GalaxyOne」は、取引、レンディング、ポートフォリオを横断したマージン管理などを提供するもので、GK8はカストディの選択肢として導入される予定だ。

ギャラクシーデジタルのCEOで著名投資家のマイク・ノボグラッツ氏は、次のようにコメントした。

GK8の買収は、仮想通貨のための真のフルサービス金融プラットフォームを構築するための重要な土台となる。当社の顧客が、資産をギャラクシーデジタルで保管するか、機能性を維持したままギャラクシーデジタルとは別のところで保管するかの選択ができることを確実にするものだ。

ノボグラッツ氏は、「業界にとって重要なこの時期に、GK8を取得することは、成長のための戦略的機会を利用し続ける当社の意欲を示すものでもある」と続けた。市場停滞の中でも事業の成長を目指す姿勢を示した。

また、イスラエルを本拠地とするGK8を取得したことにより、ギャラクシーデジタルはテルアビブに事業所を有する形となった。

カストディとは

投資家の代わりに資産を保有・管理することを指す。仮想通貨以外の資産にも広く使われる用語。資産の保管や売買に係る決済、また元利金・配当金の受領や議決権行使など、幅広い業務を代行するサービスを指す。カストディを行う企業を「カストディアン」と呼ぶ。

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最大1,000億円の保険

GK8は11月、そのプラットフォームで保管されている仮想通貨に最大約1,340億円(10億ドル)の保険を付与すると発表したばかり。ブローカー兼コンサルティング企業のUSI保険サービスと提携するサービスだ。

GK8の顧客は、コールドウォレット「Cold Vault」に保管されている資産に対して最大約1,340億円(10億ドル)、Multi-Party Computation(MPC)ウォレットに保管されている資産に対して最大約168億円(1億2,500万ドル)の保険金の対象となる。

GK8のリオル・ラメッシュCEOは、「機関投資家が自信を持って仮想通貨分野に足を踏み入れる動機付けになる」と話していた。

MPCとは

Multi-Party Computation(マルチパーティ計算)の略。複数の主体が暗号化されたデータを持ち寄り、それぞれのデータは秘匿したままで、最終的な計算結果を得られるようにする技術。

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「仮想通貨」とは「暗号資産」のことを指します

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