G20、「仮想通貨政策への合意形成」が優先課題
仮想通貨政策「優先的に議論」
インド財務省のAjay Seth経済局次官は14日、G20で優先的に議論されることの1つとして、暗号資産(仮想通貨)に対する政策アプローチを挙げた。ロイター通信が報じた。
Seth氏は「仮想通貨に対する政策方針について、各国が合意を形成するのを促進する」と話した形だ。また、合意形成の上では「仮想通貨が経済や金融政策、銀行セクターに与える影響を調査し、反映させるべきだ」と続けている。
現在、インドがG20の議長国を務めており、同国バンガロールで12月13日から15日にかけて財務次官・中央銀行副総裁会合が開かれている。
G20は、過去にも仮想通貨やステーブルコインが議題として取り上げており、2021年7月には、世界的に利用できるような「グローバル・ステーブルコイン」については、適切な基準や規制、管轄機関などについての設計が行われるまでは運用しないよう呼びかけていた。
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G20とは
計20ヶ国・地域で構成されるグループのこと。主要国首脳会議(G7)に加盟する7ヶ国(アメリカ、イギリス、フランス、ドイツ、日本、イタリア、カナダ)に加え、EU(欧州連合)、ロシア、中国、インド、ブラジル、メキシコ、南アフリカ、オーストラリア、韓国、インドネシア、サウジアラビア、トルコ、アルゼンチンといった新興国も含まれる。
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OEDC「仮想通貨の冬から学ぶ教訓」
国際機関の動きとしては、経済協力開発機構(OECD)も14日、「仮想通貨の冬から学ぶ教訓」と題するレポートを発表したばかり。
OECDのリサーチャーは、仮想通貨業界での集権化について言及している。「分散型技術」を扱っているものの、業界は少数のプレイヤーに集中しているとして、次のように論じた。
集権化が起きていることにより、こうした支配的なプレイヤーのいずれかが困難に直面した場合、仮想通貨市場で広範な混乱と悪影響の連鎖が発生するリスクが高まる。
仮想通貨事業が相互に結びついていることにより、影響が伝搬することを併せて指摘。2022年の仮想通貨市場で発生した債務不履行の連鎖などを前提とした議論だ。
今年5月以降、旧テラエコシステム崩壊をきっかけとして、セルシウス、スリーアローズキャピタル(3AC)などが相次いで破産する状況が発生。また、11月には大手取引所FTXが破産申請し、再び業界企業に波紋が及んでいる。
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また、分散型金融(DeFi)についても、中央集権型取引所(CEX)がDeFiの資金や担保を提供している場合が多く「多くの点でDeFiの生命線」になっていると述べた。
さらにレポートは、現在のところ、仮想通貨市場は伝統的な金融市場と比べて、比較にならないほど小規模であり、影響は少ないとした。その上で、将来的に仮想通貨市場の規模が大きくなれば「金融の安定性」に影響をおよぼす可能性があると続けている。
特に個人投資家への影響が甚大である可能性があるため、一般投資家を保護するための政策措置が「緊急に必要」だと唱えた。
こうした見方は、国際的な機関の間で共有されており、例えば欧州中央銀行総裁は6月、将来的に規制を拡大する方向性の一つとして「伝統的な金融機関との相互接続リスクへの対応」を挙げていた。
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「仮想通貨」とは「暗号資産」のことを指します