G20共同声明、CBDCについて言及
G20の財務相・中央銀行総裁(FMCBGs)会合は10日、共同声明を発表。各国の金融情勢や、CBDC(中銀デジタル通貨)に関する議論が交わされ、世界的な「グローバル・ステーブルコイン」は必要事項が定められるまで運用を開始するべきではない姿勢を改めて表明した。
イタリアが議長国に就任してから、三度目となる会合を完了。新型コロナウイルスの世界的な感染拡大の影響で、対面形式での開催は2020年2月以来だった。
会議の声明で、G20各国はクロスボーダー決済強化のためのG20ロードマップを効果的かつ予定通りな形で実施する認識を再確認した。
また、金融安定理事会(FSB)が10月に公開予定のレポートの提出に期待を示した。同レポートでは、クロスボーダー決済におけるコスト、スピード、透明性、アクセスの課題に対処するための定量的なグローバル・ターゲットが定められる。
さらに、世界的な利用が可能となる「グローバル・ステーブルコイン」については、適切な基準と法的、規制や管轄などの懸念を解決するデザインが策定されるまで運用しないよう改めて呼びかけた。
他にも、国際決済銀行(BIS)や世界銀行などが共同で提出した「クロスボーダー決済のためのCBDC」と題された報告書を踏まえた議論を今年10月に行うことへの期待を示した。国際決済が可能なCBDCが国際的な通貨システムに与える影響などについて意見を交わすこととなる。
BISの報告書
国際決済銀行(BIS)とBIS決済・市場インフラ委員会(CPMI)、BISイノベーション・ハブ、国際通貨基金(IMF)と世界銀行は先週9日、国境間のCBDC利用に関する研究報告書を公開。CBDCの現状や、今後の課題をまとめ、各国の連携が不可欠であるとした。
関連: 国際決済銀行、各国間の協力でCBDCがクロスボーダー決済の効率を高める
BISとは
BIS(国際決済銀行)は、スイスのバーゼルに本部を置く、62ヵ国・地域の中央銀行をメンバーとする組織。中央銀行間の協力促進のための場を提供しているほか、中央銀行からの預金の受入れ等の銀行業務も行っている。(日銀引用)
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