はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習 WebX
CoinPostで今最も読まれています

国際決済銀行、各国間の協力でCBDCがクロスボーダー決済の効率を高める

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

国際決済銀行とIMF、世界銀行による共同報告書

国際決済銀行(BIS)は7月9日、中央銀行デジタル通貨(CBDC)の国境を超える利用に焦点をあてた研究報告書を発表した。

関連:中央銀行デジタル通貨(CBDC)とは|ビットコインとの違いと主なメリット

国際決済銀行とは

国際決済銀行の略称BIS=Bank of International Settlements。1930年に設立され、世界60カ国の中央銀行が加盟している。「中央銀行のための中央銀行」と呼ばれ、中央銀行相互の決済を行う組織。本部はスイスのバーゼルに置かれている。

▶️仮想通貨用語集

「クロスボーダー決済のためのCBDC」と題されたこの報告書は、昨年10月にG20が承認した包括的なクロスボーダー決済プログラムに基づく活動の一環で、BIS決済・市場インフラ委員会(CPMI)、BISイノベーション・ハブ、国際通貨基金(IMF)と世界銀行が共同で執筆したもの。

G20は、クロスボーダー決済の強化を優先事項として掲げており、金融安定化理事会(FSB)がCPMIをはじめとする関連機関との協力で、クロスボーダー決済のためのロードマップを作成。対応策に必要な要素を19の構成ブロックに分け、具体的な行動の指針と時間軸を示した。

報告書ではこの指針に沿って、CBDCの設計と中央銀行の取り組みを評価するとともに、CBDCのクロスボーダー決済利用の可能性を分析。CBDCは、各国当局が連携することで、国境を超えた決済の向上に寄与する可能性が高いとの結論に至っている。

CBDCの現状

現在、バハマ中央銀行発行の「サンド・ドル」が実用化まで進んでいるが、ほとんどの中央銀行のCBDCプロジェクトでは、実際の設計や政策についての決定が行われていない段階だ。また、国内利用に焦点をあて、リスクやメリットを検討しているケースが多いようだ。

関連:デジタル通貨(CBDC)プロジェクトが進む国ランキング=PwCレポート

しかし、このような「白紙」の状況だからこそ、初めから、既存の決済システムが抱えている問題を回避することも可能だと報告書は指摘している。

「白紙」状態のメリットを最大化するために重要となるのが、CBDCを設計する際に、一貫した基準を設け、相互運用性を考慮に入れることだという。各国のCBDCの設計を調整することにより、より効率的なクロスボーダー決済が可能になると報告書は主張している。

一方、最終的にCBDCの開発や導入は、国や地域などで大きく異なるペースで展開されると予想されることから、既存の決済システムとの相互運用性も確保することが求められる。

そのため、CBDC以外の決済システムとの相互運用性の分析が必要だと報告書はまとめている。

クロスボーダー決済の課題

クロスボーダー決済には、既存の決済システムでもCBDC利用においても、各国間の規制、監督、監視の枠組みの調整やマネーロンダリング・テロ資金供与対策など多くの課題があり、多国間の協力が不可欠となる。

関連:国際決済銀行、デジタル通貨(CBDC)めぐる国際協調の必要性を提唱

マクロ経済の観点からは、国境を超える通貨の流れの増加による金融安定リスクにどのように対応するかという課題もある。例えば、各CBDCの機能設計や制度への信頼性の違い等によって、より国際取引に好まれるCBDCが生まれ、地域的な基軸通貨となる可能性もある。その結果、世界の基軸通貨の構成に変化をもたらす可能性も指摘された。

CBDCには、金融包摂や決済の効率向上などの大きなメリットもあるが、技術や市場構造、各国の法制度との関連、そしてマクロ経済への影響など、実際に開発に取り組むとなると、解決すべき課題も山積みのようだ。

CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
12/23 火曜日
08:12
トランプメディア、451BTC追加購入で保有額10億ドル突破
トランプメディアが新たに451BTCを取得し総保有額が10億ドルを超えたと報じられた。第3四半期は5z480万ドルの純損失を計上したが仮想通貨戦略を継続している。
07:30
米仮想通貨特命官、CFTC・SEC新委員長を「ドリームチーム」と称賛
米ホワイトハウスのデビッド・サックス仮想通貨担当官がCFTC新委員長マイケル・セリグ氏とSECのポール・アトキンス委員長を称賛し、トランプ大統領が「ドリームチーム」を作ったと評価した。
07:20
仮想通貨投資商品、先週は1490億円超の資金が純流出
仮想通貨投資企業CoinSharesは、デジタル資産投資商品全体の先週における資金フローは約1,494億円の純流出だったと報告。ビットコインなどの銘柄別のデータも公開している。
06:30
ストラテジー社の米ドル準備金が3400億円超に、「仮想通貨の冬」に備え
マイケル・セイラー率いるストラテジーが普通株式の売却により7億4800万ドルを調達し、米ドル準備金を約22億ドルに増やした。仮想通貨の冬に備え配当と利払いを32カ月間カバーできるようにした。
06:05
JPモルガン、機関投資家向け仮想通貨取引の提供を検討=報道
これまで仮想通貨を否定してきたJPモルガン・チェースは機関投資家向けに仮想通貨取引サービスの提供を検討している。現物取引とデリバティブ取引が含まれる可能性がある。
05:50
ビットマイン、イーサリアム蓄積を継続 先週も約10万ETH買い増し
主要イーサリアム保有企業ビットマインが過去1週間で約10万ETHを追加購入し、保有が406万ETHに達したと発表した。弱気相場で買い増しを加速。
05:30
主要イーサリアム保有企業ETHジラ、債務返済のため116億円相当ETHを売却
ピーター・ティール氏支援のETHジラが債務返済のため2万4291ETHを売却し、仮想通貨イーサリアム蓄積戦略から現実世界資産トークン化事業への転換を表明した。
12/22 月曜日
20:05
Bybit、日本居住者向けサービス終了へ 2026年1月が最終期限
Bybitが日本居住者へのサービス終了を発表。2026年1月22日がKYC2完了の最終期限となり、未完了者は制限対象に。金融庁の規制強化を背景に、10月の新規登録停止に続く措置。世界第2位の取引量を持つ同社の撤退により、多くのユーザーへの影響が予想される。
18:00
Digital Space Conference 2026 無料チケット受付開始
ユーザーがメタディスクリプションを100文字程度で作成するよう依頼しています。DSC2026の記事内容に基づいて、SEOに適したメタディスクリプションを作成します。2026年2月17日、虎ノ門ヒルズフォーラムで「Digital Space Conference 2026」を開催。日本デジタル空間経済連盟主催、CoinPost企画・運営。AI、Web3、メタバース等を横断し次の社会像を議論。参加無料、チケット受付開始。
15:53
ユニスワップ手数料スイッチ提案が定足数達成 UNI焼却メカニズムが今週始動へ
ユニスワップのプロトコル手数料スイッチ提案「UNIfication」が定足数を達成。賛成票6,900万UNI超で12月26日の投票終了後、1億UNIの遡及的焼却と手数料連動型の継続的焼却メカニズムが今週後半に始動する見込み。
15:20
量子コンピュータは仮想通貨の脅威なのか?カルダノ創設者が示す客観的評価と対策
カルダノ創設者ホスキンソン氏が、量子コンピュータによる仮想通貨への脅威について冷静な対応を呼びかけ、米DARPA主導の、量子ベンチマーク・イニシアチブ(QBI)の参照を推奨した。
14:54
香港、保険会社の仮想通貨投資を解禁へ リスク管理100%義務付け=ブルームバーグ
香港保険監督局が保険会社による仮想通貨投資を認める新規制案を発表。100%の資本準備義務付けで慎重姿勢を示しつつ、2026年に公開協議を実施。総保険料約13兆円の業界から機関投資家資金の流入可能性。
14:03
著名投資家レイ・ダリオ、「ビットコインは中央銀行に大規模保有される可能性低い」と指摘
著名ヘッジファンド創業者のレイ・ダリオ氏がポッドキャストで、ビットコインは中央銀行の準備資産として大規模保有される可能性が低いと指摘。透明性や技術リスクを理由に挙げた。一方、個人投資家には5〜15%の配分を推奨している。
11:44
米議員、仮想通貨税制で法案起草 少額取引非課税やステーキング関連所得繰り延べも
米超党派議員が仮想通貨税制の改正法案を発表した。少額のステーブルコイン取引を非課税化することや、ステーキングやマイニング報酬の課税繰延べを盛り込んでいる。
10:51
ニューヨーク近代美術館、CryptoPunksなどNFT作品を永久所蔵
ニューヨーク近代美術館(MoMA)が12月20日、CryptoPunks8点とChromie Squiggles8点のNFT作品を永久所蔵品に追加。ブロックチェーンアートが主流美術機関に正式認められる重要な節目となった。
通貨データ
グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧