DeFi貸付「Tender.fi」のオラクルに問題か 2億円相当の仮想通貨が不正に貸出
仮想通貨は返却済
Arbitrum基盤のDeFi(分散型金融)のレンディングプラットフォーム「Tender.fi」は7日、異常な数量の貸付を検知したため、サービスを一時停止して調査を行うと発表した。
詳細はこれから発表するとしているが、ブロックチェーンセキュリティ企業のPeckShieldらの分析によれば、対象の貸付はオラクルの問題が原因で実行された模様。今回暗号資産(仮想通貨)を借りたユーザーは、問題を発見した報酬をTender.fiから受け取り、その金額を差し引いた仮想通貨をすでに返却したという。
オラクルとは
ブロックチェーンのオラクルとは、ネットワーク外の情報をブロックチェーンに提供する機能や主体、サービスのこと。例えば、DeFiのサービスは仮想通貨の価格を提供してもらうために、オラクルを利用する。
▶️仮想通貨用語集
今回の貸付は、イーサリアム(ETH)のL2ネットワーク「Arbitrum」上で発生。対象のユーザーはGMXトークンを使い、1GMX(9,700円相当)を担保にして、2億円相当の複数の仮想通貨を借りることができたとされている。
Tender.fiは今回の貸付が行われた後、対象者と交渉をしていることを報告。そして、交渉の結果、約62ETH(1,320万円相当)を報酬として与え、それを差し引いた金額を取り戻したと説明した。
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ホワイトハットハッカーの可能性
報酬として与えた分はTender.fiがプロトコルに戻したとし、ユーザーの資産に影響はないとTender.fiは主張。そして、今回のユーザーを「ホワイトハットハッカー」と呼び、悪意はなかったことを示唆している。
スマートコントラクトの監査を行うCertiKに取材をした「Cointelegraph」によれば、以下はArbitrumのエクスプローラーで表示できる、今回のハッカーからのメッセージ。オラクルの設定が間違っている可能性があるとし、問題を解決したければ連絡するように促している。
今回の問題を受け、Tender.fiで利用されるTNDトークンの価格は急落。CoinGeckoのデータによれば、本記事執筆時点の価格は約350円(2.56ドル)で、24時間比で31%超下落した。
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「仮想通貨」とは「暗号資産」のことを指します