仮想通貨の爆発的な投機への関心から、実用性を追求する次なるステージへ=イーサリアム創業者

頭打ちになった既存戦略
9月8日に香港にて開催されたイーサリアム、ブロックチェーン会議にButerin氏が出席し「ブロックチェーン分野が頭打ちになって来ている」と主張し、今後1,000倍ほどの成長が見込めるチャンスはないと言及した。
次なる一手
次なる一手としてButerin氏は、仮想通貨分野に関心を持つ人々を「関心から実用」に転換させる術が必要だと主張し、分散型仮想通貨取引所Kyber Network CEOのLuu氏は、分散型取引所やdAppsの一般ユーザー目線での”使いやすさ”の追求が求められていると言及した。

頭打ちになった既存戦略

仮想通貨業界では、多くの楽観主義者が新しい資産クラスである仮想通貨が今後数年間で世界中に浸透すると考えている一方で、また多くの悲観主義者が仮想通貨は投機バブルが弾け、現状の仮想通貨業界が詐欺や資金洗浄などの温床となっていると主張しています。

イーサリアム創業者のVitalik Buterin氏(以下、Buterin氏)は、9月8日に香港にて開催されたイーサリアム、ブロックチェーン会議に出席し、Bloombergへの応じ、「ブロックチェーン分野が頭打ちになって来ている」と主張し、以下のように続けました。

現時点で、平均的な教養のある人は、おそらく”ブロックチェーン”という単語を少なくとも過去に一度は耳にしていることだろう。

よって、この分野のあらゆるものに対して、今後1,000倍の成長を遂げるチャンスは存在していない。

仮想通貨業界を牽引し、大きな影響力を持つButerin氏のような人による弱気な主張は、驚くべきものであると考えられるかも知れせん。

しかし、実際、ビットコインを含む、複数の仮想通貨が過去数年間において、1,000倍以上の成長を遂げており、Buterin氏が語るように、多くの人々が既に仮想通貨や、ブロックチェーンという語句を耳にしている事実を考慮すると、それらの分野が大半の普及を遂げてしまったことも否めないでしょう。

Buterin氏は、ビットコインを始めとする多くの仮想通貨および、ブロックチェーンコミュニティは、台頭してから最初の6、7年間は、マーケティングに注力し、幅広い普及を実現してきたと語る一方で、「その戦略が、頭打ちになってきている」と主張しました。

世界有数の仮想通貨取引所Coinbaseも、2017年において、1日に50,000人もの新規登録者がいた日もあったことを明らかにし、Buterin氏が、語るそのマーケティング戦略によって、仮想通貨業界は、多くの新規参入者の獲得に成功し、特に2017年末にかけて、その結果が顕著に現れたと言えるでしょう。

次なる一手

Buterin氏は、その戦略が頭打ちになったことを踏まえ、次なる戦略として「仮想通貨に既に関心を寄せる人々を対象とし、より深い普及に努めるべきだ」と主張し、「ただの関心から、実在する経済活動における実用に転換させる」ことが必要であると続けました。

多くの人々にとって、仮想通貨ウォレットを使用する分散型取引所(Decentralized Exchange)や、分散型アプリケーション(Decentralized Application, dApps)は非常に難解であるため、そのようなブロックチェーン技術を基盤としたインフラも改善する必要があると考えられています。

分散型仮想通貨取引所Kyber NetworkのCEOを務めるLoi Luu氏(以下、Luu氏)も以前にその難解さを指摘し、以下のように述べています。

(そのようなサービスでは)ユーザーインターフェース(UI)が充分でない。ユーザーは、分散型取引所よりも、BinanceやBittrexのような取引所を好む。

よって、私達は、早急にユーザーにとって使いやすいと思えるようなサービスを提供するべきなのだ。

現時点で、私達は、非中央集権的側面を追求するよりも、使いやすさの追及に注力している。

このように、Luu氏が語る技術畑外の一般ユーザー目線での”使いやすさ”の追求によって、ただの関心や、投機的な関わりだけでなく、Buterin氏が語る” 実在する経済活動における実用”への転換が着実に進行していくことが期待されています。

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用
「仮想通貨」とは「暗号資産」のことを指します

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