
8月22日に大阪で開催されたWebX Fintech EXPO powered by SBI Group(WebX大阪)において、「国際決済の未来:世界をつなぐ流通戦略」パネルディスカッションが実施された。
VISA、日本銀行、Ant Internationalの代表者が登壇し、クロスボーダー決済が直面する高い手数料、2〜36時間の決済時間、透明性の欠如という3大課題について議論。
CBDCやステーブルコイン、トークン化預金などのデジタル通貨技術による解決策と、既存金融システムとの補完的な統合の可能性について具体的な取り組みを交えて展開した。

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登壇者
- Nischint Sanghavi氏 – VISA Head of Digital Currencies, Asia Pacific
- 別所昌樹氏 – 日本銀行 神戸支店長
- Yinfan Zhang氏 – Ant International North Asia Regional Director, Global Affairs & Strategic Development
- 沖田貴史氏(モデレーター) – ナッジ株式会社 代表取締役
クロスボーダー決済の3大課題
Sanghavi氏は、現在のクロスボーダー決済における3つの主要な障壁を指摘した。1つ目に高い手数料、2つ目に2時間から36時間を要する決済時間、3つ目に取引の透明性の欠如を挙げた。
デジタル通貨による解決アプローチ
登壇者らは、CBDC、ステーブルコイン、トークン化預金などのデジタル通貨が解決策となる可能性を示した。これらの技術はブロックチェーン上で24時間365日稼働し、リアルタイムでより低コストな資金移動を可能にする。
VISAはすでにステーブルコイン決済のパイロットを開始。グローバル送金ソリューション「Visa Direct」へのステーブルコイン統合も検討中であることを明らかにした。Sanghavi氏は、これらの新技術を「破壊者」ではなく「イノベーション」として既存システムを補完すると強調した。
別所氏は、日本銀行がBISの「プロジェクト・アゴラ」に参加し、7カ国と約40の民間銀行とともにブロックチェーン活用を探求していることを報告。ホールセールCBDCはクロスボーダー送金改善への期待が大きいと述べた。
金融包摂への取り組み
Zhang氏は、バングラデシュでの事例を紹介。eウォレット「bKash」と協力し、AIによる代替データ分析で信用スコアリングを実施。アクティブユーザーの30%が金融サービスにアクセス可能となり、不良債権率も低水準を維持している成果を報告した。
最終的な目標として、Sanghavi氏は「リアルタイムで相互運用可能なグローバル決済エコシステム」の実現を掲げた。技術の詳細を意識せずシンプルに送金できる世界を目指すという。
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