
Sortes(ソルテス)とは?
Sortes(ソルテス)は、ブロックチェーン上で完全に透明な運営を行う、非営利型の宝くじプロトコルです。従来の宝くじシステムには、中央集権的な運営構造、配当率の改善余地(多くの国で50%以下の配当)、運営コストの高さなど、改善できる点があります。Sortesは、ブロックチェーン技術を活用してこれらの課題に新しいアプローチを提供することを目標としています。
Sortesは分散型の宝くじシステムを構築し、すべての賞金プール運営、報酬抽選、慈善配分をスマートコントラクトによって実行します。これにより、人為的なバイアスを排除し、検証可能な公平性の実現を目指しています。
サービスの仕組み
Sortesでの宝くじ参加の流れ
1. チケット購入
ユーザーはUSDT(テザー)を使って宝くじチケットを購入します。購入金額は自由に設定でき、1回あたり最大でプール価値の1%まで購入可能です。
2. 3つの結果と報酬
- 当選した場合:賞金を獲得(配当率約90%)
- 外れた場合でも:EXPポイントを獲得(1ドルごとに10EXP)
- 自動的に社会貢献:売上の10%が慈善団体に自動寄付
3. EXPポイントの活用
獲得したEXPポイントは、慈善団体への寄付先を決める投票に使用できます。投票後、GOODトークン(ガバナンストークン)に変換され、将来的にプロトコルの運営方針決定にも参加できます。
従来の宝くじとの違い
項目 | 従来の宝くじ | Sortes |
---|---|---|
配当率 | 32~43% | 約90% |
運営の透明性 | 運営会社を信頼する必要あり | ブロックチェーンで完全透明 |
外れた時の価値 | なし | EXPポイント獲得 |
社会貢献 | 間接的 | 売上10%が直接寄付 |
寄付先の決定 | 運営会社が決定 | ユーザー投票で決定 |
BTC投資家向けの機能
宝くじに参加しない方も、wBTC(Wrapped Bitcoin、イーサリアム上で使えるビットコイン)を賞金プールに預けることで、Xbitトークンを受け取り、安定した収益を得ることができます。プールからの収益は自動的に再投資され、長期的な資産形成が可能です。
主な特徴
分散型賞金プール

出典:Sortes公式X
BTC(wBTC)による資金調達
分散型賞金プールは、wBTCの預入によって資金が調達されます。貢献者はプールの持分を表すXbitトークンを受け取ります。賞金プールの運営は完全にオンチェーンで行われ、中央集権的な管理が排除されます。すべての資金移動がブロックチェーン上で追跡可能です。
Xbitトークンは、BTCベースの安定した収益を継続的に生成します。大当たりが出た場合でも、プール価値の減少は最大10%に制限されており、長期的には収益性の高い資産として機能する設計です。
トークンシステムと報酬
トークン種類 | 機能 | 獲得方法 |
---|---|---|
EXPポイント | オンチェーン投票に使用、投票後にバーン(トークンを永久に使用不能にすること) | 1米ドル消費ごとに10EXP |
GOODトークン | ガバナンス報酬、慈善提案の作成 | EXPポイントからの変換(1年間の線形アンロック) |
Xbitトークン | BTC賞金プールの持分証明 | wBTCの預入時に発行 |
メインの賞金を獲得できなかった場合でも「EXPポイント」を獲得できます。EXPポイントは後にGOODトークンに変換でき、慈善基金への投票権などに利用できます。
慈善DAOと自動寄付
オンチェーン慈善DAO(分散型自律組織)では、ユーザーがGOODトークンを使って寄付先を提案し、EXPポイントで投票します。投票結果と資金移動はすべてオンチェーンで実行され、検証済みの慈善団体に直接送金されます。
すべてのチケット売上の10%が自動的に慈善団体に寄付され、ユーザーは投票を通じて寄付先を決定するプロセスに参加できます。宝くじに参加するだけで自動的に社会貢献につながり、さらに投票により支援したい慈善団体を選ぶことができます。
すでに以下の団体への寄付が完了しています。
- Save the Children Foundation(子ども支援専門の国際援助団体)
- The World Central Kitchen(自然災害の発生に際して食事を提供するための非営利組織)
- Shark Foundation HK(香港を拠点とする非営利サメ保護団体)
高い配当率と透明性
チケット売上の約90%が賞金としてユーザーに還元される設計です。従来の宝くじの還元率(多くの国で50%以下)を大幅に上回っており、ユーザーにとってより良いオッズと高い勝率を提供しています。
Sortesの資金移動、賞金抽選、慈善寄付は、すべてスマートコントラクトによって処理されます。これにより、第三者が結果を操作したり資金に触れたりすることは技術的に不可能です。ユーザーは企業を「信頼」する必要がなく、ブロックチェーン上で自ら確認できます。
また、Sortesは米国において「501(c)慈善財団」として登録されており、米国における寄付は税控除の対象です。営利目的ではなく、公共の利益を追求するというミッションと法的ポジショニングを明確にしています。
技術とセキュリティ
検証可能な公平性
Chainlink VRF
Sortesの抽選結果は、現在「Chainlink VRF(Verifiable Random Function:検証可能ランダム関数)」を使用して、証明可能で公平なオンチェーンの乱数を生成しています。Sortesチームを含むいかなる当事者も、抽選結果を予測または影響を与えることはできません。
VDF統合
将来的には「Verifiable Delay Function(VDF)」を統合し、より複雑で公平な賞品構造を作成する「確率的深度」を強化する予定です。これにより、一般的な宝くじプロトコルよりも深い報酬設計が可能になります。

Sortes公式ドキュメント
パートナー向けサービス(LaaS)
Sortesは、複数のブロックチェーンネットワーク(Arbitrum、Base、BNB Chain)で動作し、「Lottery-as-a-Service(LaaS)」としてオープンAPIを提供しています。
LaaSの主な特徴
- サードパーティのサイトがSortesの共有賞金プールを利用してチケット販売可能
- パートナーは独自のバックエンドや賞金プールを構築せずにサービス統合可能
- 個人ユーザーもパートナーとして参入可能
- 収益分配率は0〜20%の範囲で設定可能
セキュリティ体制
完全オンチェーンスマートコントラクト
賞金プールの資金調達、チケット販売、抽選結果、慈善支払いなど、すべての操作がブロックチェーンコード(スマートコントラクト)によって処理されます。第三者が介入することができず、改ざん、内部操作、隠れた資金移動が防止されます。
分散型賞金プール
BTC(wBTC)で構成される賞金プールは、トラストレスなスマートコントラクトに保持され、Xbitトークンが所有権を表しています。プロトコルルールに従わない限り、個人や企業が資金を管理または引き出すことはできません。
運営と実績

Sortesは、Steve Li氏(元NEMおよびWaves Chinaの責任者、CFA、清華大学卒業生)が代表を務めています。創設チームには、博士レベルのエンジニアや経験豊富なWeb3プロダクトマネージャーが在籍しています。
開発では、ブロックチェーンインフラの専門知識、慈善ガバナンス設計、持続可能なトークノミクスのための財務モデリングを組み合わせています。
主要実績
Sortesは2023年のメインネットV1ローンチ以来、着実に成長を続けています。Arbitrum、Base、BNB Chainの3つの主要ブロックチェーン上で稼働し、wBTC、wETH、wBNBといったマルチトークンをサポートしています。運営開始から最初の1ヶ月だけで20,000件以上のトランザクションを処理し、プロトコルの安定性と実用性を証明しました。
慈善活動においても、公的資金からの初回および2回目の完全オンチェーン寄付を成功裏に完了しています。また、グローバルなコミュニティ拡大に向けて、ETH DenverおよびETH Taipeiとのコミュニティキャンペーンで協力関係を構築しました。さらに、Moongateとの戦略的協力により、オンライン/オフライン展示の統合とバウチャー主導の成長戦略を実現しています。
技術開発面では、次世代のランダム性技術である**Verifiable Delay Function(VDF)**の研究において、イーサリアム財団から技術エコシステムのサポートを受けており、より高度な公平性を実現するための基盤構築をしています。
今後の展望

出典:Sortes公式サイト
V2ローンチ
より高度な確率エンジン、Web2.5ウォレット統合、法定通貨決済サポート、チェーン抽象化が導入される予定です。これにより、暗号資産に不慣れなユーザーも簡単にサービスを利用できるようになります。
中期的な目標
2025年1月から24ヶ月以内に以下の目標達成を目指しています。
- 200万ユーザーの獲得
- 2,000万米ドルのオンチェーン売上
- 低CPA(約0.3米ドル)の維持
- 最大100米ドルのLTV(顧客生涯価値)実現
参加方法
Sortesへの参加は以下の方法で可能。
- 宝くじ参加者として
USDTで宝くじチケットを購入し、賞金とEXPポイントを獲得 - 流動性提供者として
wBTCを賞金プールに預入し、Xbitトークンを獲得 - ガバナンス参加者として
GOODトークンを保有し、慈善寄付先の投票に参加 - パートナーとして
LaaS APIを利用して独自の宝くじサービスを展開
Sortesはグローバルな公共財宝くじエコシステムの構築を通じて、宝くじの公平性と透明性の確保を目指しています。さらに、慈善目的に直接貢献する社会福祉プロトコルとして、ユーザー、パートナー、支持者を巻き込みながら、エコシステムの拡大と構築を進めていく予定です。