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仮想通貨評価損不計上でフィスコとクシムに課徴金勧告 金融庁監視委が虚偽報告を指摘

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

証券監視委がフィスコとクシムに課徴金勧告

金融庁の証券取引等監視委員会(監視委)は5日、仮想通貨発行業者フィスコ、ブロックチェーン関連コンサルティング企業クシムに対し、仮想通貨の評価損を適切に計上せず有価証券報告書に虚偽記載を行ったとして、金融商品取引法の開示規制違反で課徴金納付を命じるよう内閣総理大臣及び金融庁長官に勧告した。金融商品取引法に基づき算定される課徴金の額は、フィスコが1500万円、クシムが1200万円となる。

日本経済新聞が報じたところによると、フィスコは自社で発行する仮想通貨「フィスココイン」の価格を不正につり上げていた。元経営陣が取引を通じて価格をつり上げており、本来なら価格下落で評価損が発生し、有価証券報告書に計上する必要があった。国内で仮想通貨の相場操縦が発覚するのは異例だという。

出典:監視委

証券監視委の発表によると、フィスコは仮想通貨評価損の過少計上のほか、連結子会社と共に仮想通貨評価損の不計上という不適正な会計処理を行った。フィスコはフィスココインを「活発な市場が存在しない仮想通貨」として扱い、その処分見込価額を仮想通貨取引所ザイフ(Zaif)における期末の終値を基に算定することとしていた。

しかし2022年6月第2四半期末において、当該仮想通貨の処分見込価額が取得原価を上回ったことから、フィスコは取得原価を貸借対照表価額として計上した。だが処分見込価額の算定の基となった期末の終値398円は、前取締役2名による取引でつり上げられた価格であり、これを基に処分見込価額を算定することはできない。本来、フィスコは前取締役2名が取引を行う前の6月28日のザイフにおける終値169円を基に処分見込価額を算定し、取得原価との差額を仮想通貨評価損として計上すべきだったという。

フィスコは大阪市に本社を置き、金融情報配信サービスやブロックチェーン関連事業を手掛ける企業で、2016年にフィスココインを発行している。

一方、クシムに関しては、関係会社株式売却益の過大計上及びのれんの減損損失の不計上のほか、連結子会社と共に投資有価証券評価損の不計上及び仮想通貨評価損の過少計上という不適正な会計処理を行ったと指摘された。クシムは東京都に本社を置き、ブロックチェーン関連のコンサルティング事業などを展開している。

日経によると、現状の法制度では証券監視委は仮想通貨を巡る不公正取引に対して犯則調査の権限を持たない。フィスコの事例についても相場操縦そのものを取り締まることはできず、課徴金は不正会計のみが対象となっている。仮想通貨が投資対象として広がっているのを受けて、金融庁はこうした不公正取引についても証券監視委が課徴金を課すことができるように金融商品取引法を改正する考えだという。

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