仮想通貨取引を段階的に拡大予定
フランスの大手銀行BPCEは、約200万人の顧客向けに暗号資産(仮想通貨)取引サービスを開始する計画だ。TheBigWhaleが6日に伝えた。
BPCEは欧州の大手銀行の一つで、まずグループ傘下の29の地域銀行のうち、バンク・ポピュレール・イル・ド・フランスなど4つの地域銀行の顧客(約200万人)を対象に、このサービスを展開する。
顧客は、銀行アプリを通じてビットコイン(BTC)、イーサリアム(ETH)、ソラナ(SOL)、USDCを売買できるようになる格好だ。
さらに、今後1年間でサービスを段階的に拡大し、2026年には残りの25の地域拠点にも拡大する計画である。立ち上げ時の状況やシステムパフォーマンスを確認するために段階的に展開する。
顧客は、専用のデジタル資産口座を介して、銀行のアプリから直接取引。デジタル資産口座のサービスには、月額2.99ユーロ(約480円)の手数料と、取引ごとに1.5%の手数料(最低手数料は1ユーロ)が設定されている。口座を管理するのは、BPCEの仮想通貨子会社「Hexarq」である。
欧州の大手金融機関は、相次いで仮想通貨サービスに進出しているところだ。
例えば、スペインの大手銀行BBVAは、自社のアプリケーション内でビットコインとイーサリアムを直接売買・保有できるようにしている。同社によると、保管は自社で行われており、サードパーティに委託されていない。
この仮想通貨取引サービスは、外国為替取引で使用されているプラットフォームに完全統合されており、ユーザーは馴染みのある環境で取引ができる。
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また、サンタンデール銀行のデジタル部門Openbankも、ドイツでビットコイン、イーサリアム、ライトコイン、ポリゴン、カルダノといった5銘柄の仮想通貨の取引と保管サービスを提供している。
取引サービスの他には、ドイツ銀行が独自のステーブルコイン発行や様々な形態のトークン化預金を検討しているところだ。
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ステーブルコインとは
価格が常に安定している(stable)仮想通貨を指す。ステーブルコインは暗号資産の一種で、BTCやETH、XRPなど変動性のある資産とは異なり、米ドルなどに裏付けられその価値を保つことが目的だ。米ドルの裏付けによるステーブルコイン(USDT・USDC)のほか、アルゴリズムを利用するステーブルコインもある。
仮想通貨を富裕税の対象にする法案
欧州では、包括的な仮想通貨規制法MiCAが成立し、各国もそれぞれの規制整備を行っている。フランスの議会は11月、特定の不動産や高級品に加えて、仮想通貨を非生産的資産として富裕税の対象とする改正案を承認したところだ。
この改正案では、230万ドル(約3.6億円)を超える非生産的資産を保有するユーザーには1%の税金が課せられることになる。法案はまだ成立していない。2026年の予算審議で可決される必要がある。
仮想通貨ウォレットLedgerのエリック・ラーシュベック共同創設者は、この改正案は、経済的な安定のためにビットコインや金(ゴールド)で資産を保管しようとする者を罰することになると主張した。



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