ビットコイン続落、ファースト・リパブリック銀行破綻でFOMCの関心より高まる
マクロ経済と金融市場
1日の米NY株式市場では、ダウ平均株価は前日比46ドル(0.14%)安、ナスダック指数は13.9ポイント(0.11%)安で取引を終えた。
米カリフォルニア州金融当局は1日、ファースト・リパブリック銀行の経営破綻と最大手JPモルガン・チェース銀行の買収を公表した。 連邦預金保険公社(FDIC)の管理下に置かれる。
米銀行の破綻規模としては2008年のリーマン・ショック以来最大。資産規模は昨年末時点で約2100億ドル(28兆円)だったが、JPモルガンの買収発表によって金融システムへの過度な警戒感が後退したことで市場に動揺が広がることはなかった。バイデン大統領は今回の件について、「中小企業を含む預金者はすべて保護する」とし、事態の沈静化を図っている。
しかしながら、過去2ヶ月間でシルバーゲート銀行、シリコンバレー銀行と米銀破綻が相次いでおり、FRB(米連邦準備制度)による異例の利上げペースがコントロールを失い、金融業界に大きな不確実性をもたらしていることは明白だ。巨額の債券含み損など銀行の保有する有価証券の価値毀損が顕在化し、大規模な預金流出といった顧客の信用不安につながったことが背景にある。
顧客基盤が富裕層主体であったファースト・リパブリック銀行は、昨今の金融不安で大口の預金引き出しが殺到し、資金繰りが行き詰まったとみられる。
CME(米シカゴ・マーカンタイル取引所)のFedWatch Toolによれば、金利先物市場は、5月の米連邦公開市場委員会(FOMC)での追加利上げ(0.25%)を9割以上織り込んでいる。
このような状況にある中、FOMC後のパウエル議長の会見内容への関心が急速に高まっており、次回を以って利上げサイクルの終了を示唆するか否かが分水嶺となるだろう。
今年度中の利下げ(金融緩和)の可能性まで示唆すれば、株や暗号資産(仮想通貨)相場はリスクオンに向かうとみられるが、楽観的な市場とのギャップは兼ねてより取り沙汰されるところであり、タカ派を維持するとの見方が強い。
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仮想通貨市況
暗号資産(仮想通貨)市場では、ビットコインは前日比1.89%安の28,024ドルと続落した。
米連邦公開市場委員会(FOMC)前のポジション調整が重なり、1BTC=30,000〜31,000ドルの強い抵抗線で複数回弾かれている。27,000ドルを割り込んだ場合、25,200ドルの支持線まで押すことも視野に入れる必要がありそうだ。
アルトコイン相場
個別銘柄では、ネット漫画Boy’s CLubのキャラクター“Pepe the Frog”にインスパイアされた「PEPE(ぺぺ)」トークンが高騰している。
主なユーティリティはなく、ドージコイン(DOGE)やShiba Inuのようなインターネット・ミームトークンの一種。
2016年には、同じく“Pepe the Frog”をモチーフとした仮想通貨「PEPECASH(ペペキャッシュ)」が台頭。国内暗号資産(仮想通貨)取引所Zaifに上場していたが、ブームが過ぎ去った20年4月に上場廃止された。
PEPEは主要DEX(分散型取引所)のUniswapのほか、OKX、Huobi、Gate.io、MEXCなどで取引され、仮想通貨分析プロバイダー「Lookonchain」によれば、極少数のトレーダーがわずか2週間で100万ドル(約1.4億円)以上の利益を上げたと見られるが、過度に投機的な値動きやPump and dump(価格操作)リスクには警鐘を鳴らす声も少なくない。
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