5/2(火)朝の相場動向(前日比)
- NYダウ:34,051ドル -0.1%
- ナスダック:12,212ドル -0.11%
- 日経平均:29,123円 +0.9%
- 米ドル/円:137.4 +0.02%
- 米ドル指数:102.1 +0.4%
- 米国債10年:年利回り3.5 +3.4%
- 金先物:1,991ドル -0.01%
- ビットコイン:28,006ドル -4.8%
- イーサリアム:1,826ドル -3.6%
伝統金融
暗号資産
本日のNYダウは−46.4ドルと小幅安。ナスダックは−13.9ドルで取引を終えた。昨日米金融大手のJPモルガンが経営難に陥っているファースト・リパブリック銀を買収したことが市場に一時的に安心感を与えたようだ。また、5月4日朝方にはFOMCの金利発表があるため、ポジション調整の動きも見られた。
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JPモルガンの救済買収
ファースト・リパブリック・バンクは1日に経営破綻し、預金や業務が大手銀行 JPモルガン・チェースに引き継がれたことを発表した。米カリフォルニア州金融当局と連邦預金保険公社(FDIC)は同日に、ファースト・リパブリックを公的管理下に置くことを明かした。
ファースト・リパブリックの破綻は3月のシリコンバレー銀行とシグネチャー銀行に続くもので、過去約2カ月で3行目となる。米金融当局は連鎖する銀行破綻に歯止めをかけたいとしてすぐに救済買収する銀行と交渉を行った経緯がある。しかし、短期間に3つの銀行が破綻する異例の事態から、今後も金融不安の広がりへの警戒は続く模様だ。
報道によると、JPモルガンは1,730億ドルの貸出債権や300億ドルの証券、920億ドルの預金などを引き取った。JPモルガンのジェイミー・ダイモンCEOは買収の報道後に電話会見で「米銀システムの安定に貢献した」と発言。直近発表された地銀各行の1-3月の決算は「実際にはかなり良好だった」として「利上げが進めばさらなる亀裂が生じるかもしれないが、米国の銀行システムは極めて健全だ」と指摘した。なお、投資銀行ベア・スターンズを救済買収した2008年のリーマン・ショック時とは状況が「全く違う」と強調した。
また、シティグループのジェーン・フレーザーCEOは今回の救済買収について、「残った不安材料が解決されたのは喜ばしい」と歓迎し、「一握りの金融機関の管理体制に不備があった」と語った。
JPモルガン・チェースの株価は前日比2.1%上昇した。一方、地銀株は全面安となり、シチズンズ・ファイナンシャル・グループ-6.8%、PNCファイナンシャル・サービシズ・グループ-6.3%、USバンコープ-3.9%と大幅に下落した。
米4月ISM製造業景況指数
昨夜発表の米4月ISM製造業景況指数は47.1に上昇し、市場予想の46.8と前月の46.3を上回ったが、6カ月連続で活動縮小を示し製造業の低迷を示唆した。(数値50が活動の拡大と縮小の境目を示す)
新規受注と生産の指数はやや改善したが、未だ縮小圏にある。一方、雇用の指数は3カ月ぶりに50を上回った。
FRBによる継続的な金利上昇と最近の銀行不安による信用逼迫を受けて年内に景気後退(リセッション)に陥る観測は高まりつつあるようだ。
今週以降の経済指標
- 5月4日3時00分(木):米連邦公開市場委員会(FOMC)政策金利発表
- 5月4日21時30分(木):米前週分失業保険継続受給者数
- 5月5日21時30分(金):米4月失業率
- 5月10日21時30分(水):米4月消費者物価指数/コア指数(CPI)
- 5月11日21時30分(木):米4月卸売物価指数/コア指数(PPI)
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米国株
米IT・テック株の個別銘柄の前日比:NVIDIA+4.1%、c3.ai+4.5%、テスラ-1.5%、マイクロソフト-0.5%、アルファベット-0.1%、アマゾン-3.2%、アップル-0.05%、メタ+1.1%。
アップルの決算は5月4日に、NVIDIAとアルファベットの決算は5月24日に控えている。
仮想通貨・ブロックチェーン関連株(前日比/前週比)
- コインベース|50.1ドル(-6.7%/-6.8%)
- マイクロストラテジー|307.4ドル(-6.3%/-6.4%)
- ハット8マイニング|1.6ドル(-7.2%/-7.3%)
ビットコインやナスダックの反落を受けて仮想通貨関連株も全面安となった。
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ドル円
ドル円は1ドル=137.4円、前日比+0.02%。ドルは予想を上回ったISM製造業景況指数などによって支えられた。また、今週のFOMCでの0.25%利上げが確実視されていることもドル買いに繋がったようだ。一方、6月以降は利上げ停止に転換する可能性も出ている。
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