SECコメントでビットコイン急落、米アップルの時価総額は終値で初めて3兆ドル突破|1日金融短観
7/1(土)朝の相場動向(前日比)
- NYダウ:34,407ドル +0.8%
- ナスダック:13,787ドル +1.4%
- 日経平均:33,189円 +0.1%
- 米ドル/円:144.2 -0.3%
- 米ドル指数:102.9 -0.4%
- 米国債10年:年利回り3.8 +0.5%
- 金先物:1,927ドル +0.5%
- ビットコイン:30,490ドル +0.1%
- イーサリアム:1,938ドル +4.6%
伝統金融
暗号資産
本日のNYダウ・ナスダック
本日のNYダウは+285ドルと続伸。ナスダックは+196.5ドルで取引を終えた。ソフトランディング(軟着陸)への期待が株式市場を支えたようだ。
昨夜発表の5月米個人消費支出(PCEデフレーター)はやや鈍化したが、FRBの直近のタカ派な姿勢に変化を与えるほどの弱い指標ではないようだ。
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5月米個人消費支出が鈍化
5月の米PCEデフレーターは以下通り。
- 総合前月比:予想0.2% 結果0.1% 前回0.4%
- 総合前年比:予想3.8% 結果3.8% 前回4.4%
- コア前年比:予想0.5% 結果0.3% 前回0.4%
- コア前年比:予想4.7% 結果4.6% 前回4.7%
- 個人所得前月比:予想0.3% 結果0.4% 前回0.4%
- 個人支出前月比:予想0.2% 結果0.1% 前回0.6%
5月のPCE総合価格指数は約2年ぶりの低い伸びとなり、消費支出は2月から5月にかけて実質ベースでほぼ横ばい。一方、コア価格指数の前年同月比伸び率は2022年終盤以降、ほぼ同水準で推移している状況だ。第2・四半期の米経済成長の勢いが大幅に減速したことが示唆された。
また、貯蓄率は4月の4.3%から4.6%に上昇。消費者がリセッション(景気後退)懸念などを受けて支出への慎重姿勢を強めている状況が見られている。
PCE価格指数は米FRBなどが重視するインフレ指標で、示されたインフレの継続的鈍化は今後の追加利上げの必要性を判断するための目安となる。
ブルームバーグによると、ブルームバーグ・エコノミクスのスチュアート・ポール氏らは「5月の個人所得・支出データは、所得の伸びとインフレの関係が徐々に緩んでいることを示す。6月公開されたFOMCのドット・プロット(金利予測分布図)で示唆されたように、さらに0.5%の利上げが必要かどうかは疑わしい」と分析したという。
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ドル円
ドル円は一時1ドル=145円台に上昇したが、その後に反落し144円台前半での推移となった。
イエレン米財務長官は30日、日銀の円安対応の為替介入の是非について、日本政府と調整に入っていることを明らかにした。
経済指標
- 7月3日(月)8:50: 4-6月期日銀短観・四半期大企業製造業先行き
- 7月3日(月)23:00: 6月米ISM製造業景況指数
- 7月6日(木)3:00: 米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨
- 7月6日(木)21:15: 6月米ADP雇用統計(前月比)
- 7月7日(金)21:30: 6月米失業率
米国株
AI(人工知能)株などのハイテク銘柄は米個人消費支出の統計を受けて続伸した。ナスダック100指数はAIブームを受けて今年の上期(1-6月)では約38%上昇した。
市場はChatGPTリリース以来、生成AIへの期待を強めていた。リセッション懸念や地政学リスク、債務上限問題、一部地銀の経営破綻といった圧力にもかかわらず強い期待は続いていた。エヌビディアの時価総額が5月に1兆ドルに到達したことがその一例だ。
個別銘柄の前日比:エヌビディア+3.6%、c3.ai+1.4%、AMD+2.4%、テスラ+1.6%、マイクロソフト+1.6%、アルファベット+0.5%、アマゾン+1.9%、アップル+2.3%、メタ+1.9%。
なお、アップルの時価総額は終値ベースで初めて3兆ドルを突破。3兆ドルの到達自体は昨年1月以来となる。2位であるマイクロソフトにおよそ5,000億ドルもの差を付けた。6月の「Apple Vision Pro」の発表からAI・XRなどの新分野への期待が広がっている。
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ビットコイン急落
- コインベース|71.5ドル(-1.2%/+16.4%)
- マイクロストラテジー|342.4ドル(+0.6%/+4%)
- マラソン・デジタル|13.8ドル(+0.2%/+9%)
ビットコインなどの仮想通貨銘柄は昨夜、米SECの「ビットコインETFの申請は不十分」とのコメントを受けて急落。現物型ビットコインETF承認への期待が一時後退したもよう。
一方、ライトコイン(LTC)やソラナ(SOL)など一部の銘柄はV字回復していた。
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