イーサリアムL2「Starknet」、アプリ特化のブロックチェーン開発ツールを提供へ

アプリチェーンの需要

暗号資産(仮想通貨)イーサリアム(ETH)のスケーリングソリューションを開発するStarkWare社は19日、同社のパーミッションレス(自由参加型)のL2である「Starknet」の技術を活用して、アプリに特化したブロックチェーンが作れるようになることを発表した。

この新しい技術を活用すれば、開発者は独自の手数料モデルやコンセンサスの仕組みを導入したりして、Starknetのパブリックチェーンではまだ使用できない機能をアプリに組み込むことができるようになる。

L2とは

「レイヤー2」の略で、「2層目」のネットワークのこと。全ての取引をメインチェーンで処理すると負荷が大きくなり、処理速度の低下やネットワーク手数料の高騰につながる。取引の一部をL2で行うことで、メインチェーンの負荷軽減や処理速度の向上を期待することができる。

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Starknet自体はすでに稼働しており、開発者はアプリをStarknet上に構築することは現在も可能。イーサリアムのL2であるStarknet上にアプリを作ってガス代を下げたり、アカウント抽象化の機能を利用したりできる。

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一方で開発者は、独自の機能をアプリに追加したい場合がある。このような需要に応えるために、StarkWare社は独自チェーンの構築に利用できるツールを開発していると説明した。ほかにも、処理能力をさらに高めることもでき、ユーザー体験を向上させることができるメリットがあると述べている。

Starknetのアプリに特化した最初のチェーンは、近くメインネットにベータ版をローンチする予定。この段階では一般公開せず、最初は使用を制限するクローズド版をローンチすると説明した。

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他のプロジェクトの動向

StarkWare社は今回の発表で、特定のアプリに特化したブロックチェーンの必要性は、この数年間で高まってきていると指摘。実際、イーサリアムのエコシステムではポリゴン(MATIC)やアービトラム(ARB)らのプロジェクトが同様の技術を開発している。

ポリゴンは昨年4月、アプリケーション専用のブロックチェーン構築ツール「Polygon Supernets」を発表。これはカスタム可能なブロックチェーン構築ツール「Polygon Edge」から派生したソリューションである。

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また今年6月には、アービトラムを開発するOffchain Labsが、Orbitチェーンの開発に利用できるツールをリリースしたことを発表。Orbitチェーンは各開発者のニーズに合わせたブロックチェーンで、このツールによってこれまでよりも容易にOrbitチェーンを作れるようになるとした。

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画像はShutterstockのライセンス許諾により使用
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