米中銀の即時決済システム「FedNow Service」が本格稼働、CBDCとの違いを説明
CBDCとの違いを説明
米国の中央銀行(FED)は20日、新しい即時決済システム「FedNow Service(以下、FedNow)」が稼働を開始したことを発表した。
これで、全規模の銀行やクレジットユニオン(米信用組合)が登録をして、顧客の送金にFedNowを利用できるようになったと説明。FedNowを使えば、365日24時間送金が可能であると述べている。
FedNowがこの時期に稼働を開始することは以前から公表されていた。昨年8月にも、23年5月から7月にかけてサービスを本格開始すると発表している。
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FEDはFedNowについて、公式ウェブサイトに「FAQ」を掲載。その中に「このサービスは現金に代わるものなのか?中央銀行デジタル通貨(CBDC)なのか?」との質問がある。
この質問には「違う」と回答し、「FedNowは金融機関が顧客のために送金するための決済サービスであり、デジタル通貨とは関係ない」と説明。通貨の一つの形態というものではなく、現金のような他の決済手段をなくすためのステップでもないとした。
そして、CBDCについては以下のように記載している。
FEDは、CBDCを発行するとは決めていない。発行は法律によってのみ進められる。
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CBDCとは
「Central Bank Digital Currency」の略で、各国・地域の中央銀行が発行するデジタル化された通貨を指す。仮想通貨との大きな違いは、CBDCはデジタル上の法定通貨であること。
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FedNowのメリット
FedNowのメリットについて、連邦準備理事会(FRB)のジェローム・パウエル議長は今回の発表で、以下のように述べている。
これから数年の間に、全ての人々の決済がより速く、より便利になるようにFedNowを開発した。FedNowを使う銀行が増加していけば、個人や企業が恩恵を受けることができる。
例えば、個人が早く給料を受け取れるようになったり、企業が請求したお金に即座にアクセスできるようなったりするメリットがある。
FedNowの開始時には、35の金融機関と16のサービスプロバイダーがFedNowに対応しているという。FEDは、数年経てばFedNowに登録した金融機関のモバイルアプリやウェブサイトなどから、顧客は安全に速く送金ができるようになるはずだと述べた。
現時点では、BNYメロンやJPモルガンチェース、Wells FargoなどがFedNowに対応している。
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