仮想通貨プロジェクト「Worldcoin」、フランスとドイツの規制当局も調査=報道

Worldcoinに新たな調査事例

プライバシー保護などを担当するフランスの機関「CNIL」は、暗号資産(仮想通貨)プロジェクト「Worldcoin(WLD)」を調査していることがわかった。情報を入手した海外メディアが報じた。

調査について多くは明かされていないが、CNILは、生体認証によってデータを収集する仕組みの合法性に疑問があると指摘。また、この調査によってWorldcoinの監督権はドイツのバイエルン州の当局が持っていることが明らかになっており、CNILにサポートしてもらい、同州の当局も調査を行なっていることがわかった。

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Worldcoinは、ChatGPT開発企業「OpenAI」のサム・アルトマンCEOらが進める注目度の高いプロジェクト。今週には仮想通貨のWLDをローンチし、バイナンスなどの取引所が上場した。

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プロジェクト自体は3年以上前にローンチしている。アルトマン氏らは、IDと金融の新しいネットワークを作ることを目的にWorldcoinのプロジェクトを開始。消費者は、「Orb」という機器で目の虹彩をスキャンすることで個人を識別してもらい、「World ID」を入手する。

アルトマン氏は27日、Orbへの登録を行うために世界で行列ができていると報告した。Worldcoinのプロジェクト側は、プライバシーを保護できるような仕組みが構築してあり、規制を遵守するよう取り組んでいると主張している。

公式ウェブサイトには、規制が明確ではない米国などでは、人々が恩恵を受けられるように努めていると説明。Worldcoin Foundationは「ロイター」に対し、全ての法律や規制を遵守するとコメントした。

Worldcoinは先月末、まずはドイツからID認証を正式に開始。プロジェクトの中核となるプロダクトは同国で、過去3年に渡って設計・開発されたとしている。

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今週は、英国の情報監督当局である情報コミッショナー事務局(ICO)が調査することも報じられた。ICOは、Worldcoinが事業の重要な要素となっている「高リスク」データの取り扱いを開始する前に、データ保護に関して与える影響を評価する必要があると述べている。

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仮想通貨WLDについて

上述した通り、Worldcoinのプロジェクトの目的はIDと金融の新しいネットワークを作ることである。World IDを発行することに加え、法律が認可している国では仮想通貨WLDを配布。プロジェクトには、ベーシックインカムの制度を構築する構想もある。

WLDは、イーサリアム(ETH)の規格「ERC-20」で発行される仮想通貨。現時点のホワイトペーパーによれば、WLDはユーティリティトークンで、ガバナンスにも使用される。WLDの保有者は、プロトコルの開発計画に対し、発言権を持つことができるという。

ユーティリティトークンとは

権利や機能を有する実用性のあるトークンで、幅広く利用される。「utility」という単語には「多目的の」や「実用的な」という意味がある。

▶️仮想通貨用語集

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「仮想通貨」とは「暗号資産」のことを指します

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