米大手JPモルガン「Curve攻撃によるDeFiへの影響は収まっている」=報道
DeFiに関するレポート
米金融大手JPモルガンは3日、DeFi(分散型金融)サービス大手「Curve Finance(以下、Curve)」への攻撃による影響は現在おさまっているとの見解を示した。
JPモルガンのアナリストのレポートを入手した「The Block」が今回の内容を報道。一方でJPモルガンのアナリストは、DeFiのエコシステム全体で見ると、成長が失速していると指摘している。
Curveが今回の攻撃を発表したのは先月31日。複数の流動性プールでリエントランシー(再入可能)の脆弱性が悪用されたと説明した。その際、影響を受けたのは、プログラミング言語「Vyper」の特定のバージョンを使用していたステーブルコインの流動性プールであることが判明している。
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この攻撃を受け、CRVトークンの価格は急落した。Curveの創設者Michael Egorov氏は、自身のポジションが清算されることを回避するために、CRVトークンをOTC取引でジャスティン・サン氏らの大口プレイヤーに売却。Egorov氏のポジションが大規模に清算されていれば、DeFi全体への打撃は避けられないとみられていた。
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この危機をサン氏らが救済したことになるが、JPモルガンのアナリストは「この協調が悪影響の伝播を抑制している」と指摘している。
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なお、ブロックチェーンを分析する「Lookonchain」は3日、Egorov氏はまだ3.4億CRV超を担保として使用していると公表。Aaveなどの5つのプラットフォームで合計7,900万ドル(約112億円)を借りていると指摘した。
DeFi全体について
DeFiのエコシステム全体については、昨年から成長が鈍化しているとJPモルガンのアナリストは主張。その要因として、以下の内容を例に挙げた。
- テラ騒動
- FTX破綻
- 米規制の執行と不確実性
- ハッキング
- 手数料の高騰
こういった要因によって投資家は信頼をしなくなり、資金を引き上げたと指摘。そして、DeFiのユーザーが減少したと主張している。
一方、イーサリアム(ETH)のL2やトロン(TRX)におけるDeFiのエコシステムは活況であると説明。処理が速く、手数料が安価なことで、運用のためにロックされた仮想通貨の総価値「TVL(Total Value Locked)」が、ここ数カ月で上昇しているとした。
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