米CircleがWeb3ウォレット発表、ステーブルコイン市場拡大に伴いビジネス支援へ
ステーブルコイン企業採用を促進
ステーブルコイン「USDC」の発行企業として知られる米Circleは8日、「プログラマブル ウォレット」という新しいWeb3(分散型ウェブ)製品を発表した。
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このウォレットは、多岐にわたるアプリケーションへの仮想通貨ウォレットの組み込みを可能にし、Web3の導入とグローバルでの展開を迅速に進めることを目的として設計されている。
Circleが発行するUSDCは、現在の市場で263億ドル(約3760億円)の流通額を持ち、ステーブルコイン市場で2位のシェアを占めている。USDCは、これまでDeFi(分散型金融)を中心に利用されるケースが多かった。
しかし、Circleによると、4,000社以上の企業がすでにUSDCを活用しており、この新しい「プログラマブル ウォレット」は、ビジネスの実際の決済要件を更にサポートするように最適化されている。
この新しいウォレットは、ブロックチェーン技術の複雑な操作をシンプルにすることで、開発者がアプリケーションの開発をスピーディに行えるのが特徴だ。
また、高度なセキュリティ機能、ノードのカスタマイズやトランザクションの署名の選択など、柔軟なオプションが提供されている。これにより、ゲームのユーザー向け取引手数料(ガス代)サポートや、動画ストリーミングサービスのサブスクリプション決済など、多様なビジネスモデルへの対応が期待される。
初期のパブリックベータ版では、イーサリアム(ETH)、アバランチ(AVAX)、ポリゴン(MATIC)の3つのネットワーク上での利用が可能で、年内にはさらに多くのブロックチェーンネットワークへの対応が計画されている。
現在、ステーブルコイン市場は約1,200億ドル(約17兆円)の市場規模を有し、その成長は続くと見られている。7日に決済サービスの大手PayPalが新しいステーブルコイン「PayPal USD(PYUSD)」をローンチ。この市場への関心が高まっていることが伺える。
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日本のステーブルコイン動向
日本でステーブルコインは、2023年6月に施行された改正資金決済法にて”電子決済手段”として定義され、国内で発行、流通を行えるよう整備されたばかり。日本人向けのWeb3サービスで日本円表示が可能になることで、実態経済に即した運営が可能となる下地ができた。
>この動きは国際送金や日常の決済にとどまらず、ステーブルコインをウォレットで保有し、セキュリティトークンへの自動運用などの新しい取り組みを生み出す可能性がある。
アンダーソン・毛利・友常法律事務所外国法共同事業の河合健氏によると、多くの外資発行体と日本の企業との調整が進められており、今年後半から来年にかけての流通開始が予測される。
関連の動きとして、8日にはソラミツ株式会社、株式会社VIVIT、そして多摩大学大学院ルール形成戦略研究所が共同で、ブロックチェーンを活用したCBDCやステーブルコインの越境決済を目的としたプロジェクトチーム『睦〜MUTSUMI〜』を立ち上げたとの発表があった。
この『睦〜MUTSUMI〜』プロジェクトの目的は、日本と東南アジア間の越境Eコマースを活性化させ、日本の中小企業が東南アジア市場と直接取引を行うことを支援することにある。サービスの正式ローンチは2024年秋を目指している。
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