はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習-運用 WebX
CoinPostで今最も読まれています

米サークル『競争激化のステーブルコイン市場で優位性を保つ秘訣』|WebXインタビュー

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

相互運用性を高める

米サークル社のYam Ki Chan戦略・政策統括責任者は、国際カンファレンスWebXで編集部のインタビューに応じ、ステーブルコイン市場における同社の強みについて語った。

競争の激しいステーブルコイン市場において、いかに自社の独自性を高めるのかとの問いに、Chan氏は、異なるブロックチェーン間の相互運用性を重視していると回答。サークル社が開発したパーミッションレスのクロスチェーン転送プロトコル(CCTP)について言及した。

CCTPは、サークル社発行の米ドル建てステーブルコインUSDCを、イーサリアムやアバランチ(AVAX)など複数のチェーン間で高速かつ安全に送信できるよう設計されている。送信側のチェーンでUSDCをバーン(焼却)し、受信側チェーンで同量をミント(鋳造)することで、異なるブロックチェーンネットワーク間でのUSDC転送を可能にした。

Chan氏は「消費者規模のWeb3アプリへの道を切り開く」ために、今後もCCTPをサポートするチェーンを追加し、プロトコルの機能とアクセスを強化するよう、進化を続けていくと述べた。

関連:米サークル社、アービトラム上でUSDCのクロスチェーン転送開始

銀行危機への対策と日本市場参入

今年3月に米国で起こった銀行危機は、 送金処理の遅延など、USDCにも影響を与えた。破綻したシリコンバレー銀行(SVB)は、USDCの準備金のうち現金保有分の約25%を管理する6つの銀行パートナーのうちの1つだった。

Chan氏は、USDCの裏付けとなる準備金の大半が、短期米国債、米国債現先取引及び現金からなるファンドに保管されており、ニューヨーク・メロン銀行が保管、ブラックロックが管理していると説明。USDCの価値の裏付けが強固なものであることを強調した。

関連:米サークル、シリコンバレー銀行で33億ドルのUSDC準備金の送金が保留状態に

日本のステーブルコイン市場参入については、日本市場の進展および日本政府によるWeb3エコシステムへの支援に希望を見出しており、WebXの参加を決めた理由となったと語った。日本のような高い可能性を持った市場に注目しており、実現可能性と戦略的な整合性を評価するために、継続的に観察しているという。規制遵守のためのデューデリジェンスや、関連する規制機関との対話などが評価プロセスには含まれていると、同氏は付け加えた。

なお、同社のJeremy Allaire最高経営責任者は、先月初めに、日本での事業展開を検討していることを明らかにしており、その中には日本円に連動したステーブルコイン発行の可能性も含まれているようだ。

関連:米サークルCEOが明かす、日本でのステーブルコインビジネスの可能性と展望に

現実資産のトークン化とUSDCの役割

Chan氏は、現実資産のトークン化は、24時間265日の投資アクセスを可能し、投資家にとって多大なチャンスをもたらすとの考えを明らかにした。

そして、USDCは、すでにインターネット上のデジタルドルとしての信頼を獲得しているため、「資産のトークン化をサポートするのに、有利な立場にある」と主張した。

USDCのようなステーブルコインと、その基盤であるブロックチェーンは、インターネット上の決済と商取引、資本市場のための新たな統合インフラとして機能し、類を見ないレベルの実用性を提供する。

そして、インターネット決済の革新的なコスト削減と速度に関する人々の認識が高まるにつれ、イノベーションと規制のバランスをとることが、この新たなレイヤーの信頼育成と広範な採用促進に貢献するだろうと、Chan氏は総括した。

CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
12/02 火曜日
13:55
コインベースへの情報開示請求が過去最多の1.2万件、欧米で協力要請急増 実態判明
コインベースが2025年透明性レポートを公開し、60カ国以上から12,716件の情報開示請求を受領し、前年比19%増加となったと報告した。米国の件数がトップだが、米国外からの請求は53%を占め前年比2%増加した。
13:15
米FDIC、ステーブルコイン規制「ジーニアス法」運用規則案を12月下旬に公表予定
米FDIC代行議長がステーブルコイン規制「ジーニアス法」の運用規則案を今月に公表する予定だと表明。トークン化預金や仮想通貨業界のデバンキング問題についても対処を説明した。
12:29
カルシ、ソラナ上で予測市場トークン化を開始 仮想通貨の流動性取り込みへ
米予測市場カルシがソラナ上で予測市場契約のトークン化を開始。オンチェーン取引により匿名性が向上し、開発者のサードパーティ構築も可能に。評価額110億ドル、約3500市場を運営する同社は仮想通貨ユーザーの流動性獲得を目指す。
11:00
米トランプ政権の仮想通貨特命官サックス氏、利益相反報道を否定
米トランプ政権のAI・仮想通貨特命官デビッド・サックス氏がNYタイムズの利益相反報道を否定した。名誉毀損専門の法律事務所に対応を依頼し、倫理規定遵守を主張している。
10:40
ゴールドマンがイノベーター買収、ビットコイン連動ETFも取得で仮想通貨事業拡大
ゴールドマン・サックスがETF大手イノベーターを20億ドルで買収すると発表した。買収にはビットコイン連動ファンドQBFも含まれ、ゴールドマンの仮想通貨関連商品ラインアップが拡大。
10:14
リップル、シンガポールでライセンス範囲拡大 XRPとRLUSDによる決済事業を強化
リップルがシンガポール金融管理局から主要決済機関ライセンスの拡大承認を取得。XRPとRLUSDを活用した決済サービスを強化。アジア太平洋地域のオンチェーン活動は前年比70%増で、同地域での事業拡大を加速。
10:02
ビットコイン100万円幅急落、yETH流出事故で大規模清算|仮想NISHI
ビットコインは軟調な推移が続いている。1日には一時8万5,000ドルを割り込み、日本円ベースでも24時間比で100万円超の下落となった。背景には、イーサリアムが「フサカ・アップデート」を目前に控えロングポジションが積み上がる一方、Yearn FinanceでyETHの流出事故が発生し、ロングポジションの清算が連鎖したことがある。
09:20
リミックスポイント、12億円規模のWeb3関連事業投資を中止へ
リミックスポイントは、事前に予定していた12億円規模のWeb3関連事業投資の中止を決定。仮想通貨ビットコイン購入以外の調達資金使途を変更した。
08:40
ハッキング被害から3.7億円相当回収、ヤーン・ファイナンス
ヤーン・ファイナンスがyETH関連のハッキングで盗まれた資産のうち約240万ドル相当を回収した。回収作業は継続中で被害者への返還を予定している。
07:35
mNAV1倍割れでも「最後の手段」に、ストラテジーがビットコイン清算条件を明示
ストラテジー社のフォンレCEOがビットコイン売却の具体的条件を初めて明言した。株価が保有資産を下回り資金調達が不可能になれば売却も選択肢の1つとなる。
07:05
ストラテジー、約2240億円の米ドル準備金を確保
ストラテジー社は、優先株の配当と負債の利子の支払いのために約2,240億円の米ドル準備金を確保したことを発表。目的を説明し、仮想通貨ビットコインの買い増しも報告した。
07:00
チェーンリンク初のETF、NY証券取引所に上場予定
仮想通貨チェーンリンク(LINK)に投資する上場投資信託(ETF)が12月3日にニューヨーク証券取引所で取引を開始予定。NYSEアーカがグレースケール・チェーンリンク・トラストETFの上場を認証した。
06:45
米バンガードが仮想通貨ETF取引を解禁、5000万人超の顧客にアクセス提供へ
ブルームバーグが報じたところによると、世界第2位の資産運用会社バンガードは12月3日から仮想通貨を主に保有するETFとミューチュアルファンドの取引を許可。遂に長年の保守的姿勢から転換。
06:25
米下院共和党が仮想通貨の「ディバンキング問題」を追及、チョークポイント2.0報告書を公開
下院金融サービス委員会の共和党議員が12月2日、バイデン前政権による仮想通貨業界への組織的な銀行サービス拒否を批判する53ページの報告書を公表した。ストライクCEOの口座閉鎖事例なども議論を呼んでいる。
05:55
ビットコイン8.5万ドル割れ、個人買い増しとクジラ失速が鮮明に=アナリスト指摘
ビットコインは12月1日深夜8.4万台まで続落した。大口保有者の購入鈍化と日銀の植田総裁によるタカ派発言が圧力となり、4億ドル以上の清算が発生。
通貨データ
グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧